賃金の支払いにおける全額払の原則と相殺

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2017-02-06

賃金は労働者の生活を支えるものであることから、労働基準法(労基法)は、賃金が労働者に確実に渡るようにするため賃金の支払いに関するルールを定めており、その賃金の支払いに関するルールのひとつとして全額払の原則(労基法24条1項)があります。

全額払の原則とは、使用者は、法令が認めた例外(給与所得税の源泉徴収や社会保険料の控除)と労使協定による例外を除き、賃金の一部を控除して支払うことは許されずその全額を支払わなければならないというルールです。

そして、この原則との関係で、使用者が労働者に対して有する債権を自働債権とし賃金債権を受働債権として相殺することの可否が問題となるところ、通説・判例(最高裁昭和36年5月31日判決)は、使用者による相殺を24条違反として否定しています。

なお、使用者が労働者との合意によって賃金と相殺する相殺契約について、判例は、全額払の原則は労働者が自由な意思によって同意した場合にまで相殺を禁止する趣旨ではないとしてこれを適法としています(最高裁平成2年11月26日判決)。

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