第三者による取締役の放漫経営についての責任追及

記事カテゴリー:お知らせ, ブログ, 企業法務, 経営

2016-07-04

   取締役などの会社の役員の任務懈怠によって第三者に損害が生じたとしても、会社の役員等と第三者とは直接の法律関係に立たないことから、不法行為が成立する場合を別にして第三者は役員等の責任を追及出来ないことになりそうですが、会社法は、役員等がその職務を行うにつき悪意または重大な過失があったときは連帯して第三者に対して損害賠償責任を負うとしています(429条、430条)。

   そこで、取締役の放漫経営によって会社の資産状態が悪化したことによって会社の債権者などの第三者が損害を被った場合、損害を被った第三者は、放漫経営をしていた取締役に対し、会社法429条等に基づいて損害賠償を請求することが考えられ、裁判例においても、その製品が原因で食中毒が起こったことにより会社が廃業・解散となった事案につき、本条項に基づいて解雇された従業員による元取締役に対する損害賠償請求を認めています(名古屋高裁金沢支部平成17年5月18日判決)。


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