Archive for the ‘裁判外’ Category

労働者の能力不足・成績不良による解雇

2017-03-06

労働者の能力不足・成績不良・適格性の欠如は、労働者の解雇の理由となり、就業規則において「労働能率が劣り、向上の見込みがないとき」は解雇理由になるなどと規定されることがありますが、労働義務・付随義務違反といった債務不履行があるだけでは足りず、その事実が雇用を終了させてもやむをえないと認められる程度に達していることが必要で、能力不足等が解雇を正当化するのはそれが労働契約の継続を期待し難いほど重大な程度に達している場合に限られるとされています。

そこで、裁判例を見ると、配転や研修の機会を与えても能力・適格性が向上せず改善の余地がない場合は雇用の継続を期待し難いことから解雇は相当とされています(東京地裁平成15年12月22日判決、東京高裁平成25年3月21日判決)が、①問題となる能力・成績は容易に是正し難いほど不良であることを要し、また、たとえこのことが認められるとしても②指導・教育や職種転換(配転・降格)によって能力を活用する余地があればそれらの措置によって雇用を継続する努力が求められ(東京高裁平成25年4月24日判決)、東京地裁平成11年10月15日判決は、「労働能率が劣り、向上の見込みがないこと」という解雇理由による解雇が許されるのは、著しく労働能率が劣り向上の見込みがない場合に限られるところ人事考課の低さだけではこれに該当せず、教育・指導や配置転換の措置を尽くしていないとして解雇を無効としています。

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住宅等の建物に瑕疵がある場合における責任追及

2016-10-24

 住宅等の建物について漏水、有害物質の発生等といった不具合がある場合、契約関係にある当事者間においては瑕疵担保責任(売買契約であれば民法570条、請負契約であれば民法634条以下)を、契約関係にない当事者間においては不法行為責任(民法717条等)を追及することが考えられますが、当該不具合が条文でいうところの「瑕疵」にあたるかどうかが問題となります。

 まず、売買契約における「瑕疵」に関する裁判例を見ると、大審院昭和8年1月14日判決が「売買ノ目的物ガアル性能ヲ有スルコトヲ売主ニオイテ特ニ保証シタルニカカワラズ之ヲ具備セザル場合ハ瑕疵ナルモノトスル」とし、最高裁平成22年6月1日判決が「売買契約の当事者間において目的物がどのような品質・性能を有することが予定されていたかについては、売買契約締結当時の取引観念をしんしゃくして判断すべき」と判示しています。

 次に、請負契約における「瑕疵」に関する裁判例を見ると、最高裁平成15年10月10日判決が「本件請負契約においては、上告人及び被上告人間で、本件建物の耐震性を高め、耐震性の面でより安全性の高い建物にするため、南棟の主柱につき・・・を使用することが、特に約定され、これが契約の重要な内容になっていたものというべきである。そうすると、この約定に違反して、・・・を使用して施工された南棟の主柱の工事には、瑕疵がある」と判示しています。

 最後に、民法717条の不法行為(土地工作物責任)における「瑕疵」に関する裁判例を見ると、最高裁平成19年7月6日判決が「建物は、その利用者や隣人、通行人等の生命、身体又は財産を危険にさらすことがないよう基本的な安全性を備えていなければならず」とし、最高裁平成23年7月21日判決が「建物としての基本的な安全性を損なう瑕疵とは、居住者等の生命、身体又は財産を危険にさらすような瑕疵をいい、建物の瑕疵が、居住者等の生命、身体又は財産に対する現実的な危険をもたらしている場合に限らず、当該瑕疵の性質に鑑み、これを放置するといずれは居住者等の生命、身体又は財産に対する危険が現実化することになる場合には、当該瑕疵は、建物としての基本的な安全性を損なう瑕疵に該当する」と判示しています。



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当ウェブサイト内のサイトページ追加のお知らせについて

2016-10-17

 当ウェブサイト内の「取扱分野」のカテゴリー内の「裁判外」において、以下のサイトページを追加したのでお知らせします。

公害等紛争ADR(裁判外紛争解決手続)に関する悩み
URL: http://hirama-law.jp/service/pollution-dispute/

建設工事紛争ADR(裁判外紛争解決手続)に関する悩み
URL: http://hirama-law.jp/service/construction-dispute/

住宅紛争ADR(裁判外紛争解決手続)に関する悩み
URL: http://hirama-law.jp/service/housing-dispute/

保険紛争ADR(裁判外紛争解決手続)に関する悩み
URL: http://hirama-law.jp/service/insurance-dispute/

今後とも、本サイトをご愛嬌いただけますよう心からお願い申し上げます。
ひらま総合法律事務所

日本に居住する外国人夫婦の離婚- Divorce between foreign nationals in Japan

2016-09-26

 日本に住んでいる外国人の夫婦が日本で離婚をしようとする場合、日本の裁判所を利用することが出来ますが、この場合に適用される法律(準拠法)が問題となります。

 離婚の成立要件について適用される法律は、

① その夫婦の本国法が同じであるときはその本国法(共通本国法)

② 共通本国法は無いがその夫婦の常居所地法が同じであるときはその常居所地法(共通常居所地法)

③ 共通本国法、共通常居所地法のいずれも無いときはその夫婦と最も密接な関係のある地の法律(密接関連地法)となります(法の適用に関する通則法25条、27条)。

 また、離婚の方式について適用される法律は、上記の離婚の成立要件について適用される法律か行為地法となります(法の適用に関する通則法34条)。



Divorce between foreign nationals in Japan – Applicable Law of Divorce

If one party is a Japanese residing in Japan, the Japanese civil code applies. How about a couple who are both foreign nationals? Article 27 applied the same provisions as in Article 25, regarding the effectiveness of marriage. According to article 25,

(1) If both party’s home country law is the same, then according that law applies.

(2) If there is no such law, if the couple have a common place of domicile, the law of that country applies.

(3) If neither the above are applicable, then the law of the country the couple has the closest tie to shall apply.

Therefore, if for example, a couple of differing nationalities resides in Japan, even if neither one may be a Japanese national, the Japanese civil code will apply. In cases such as this where the Japanese civil code is applicable, divorce by consent can take place. *Kobori, S. 2008. Living with the Japanese Law A Guide for Foreign Nationals in Japan Q&A107 The 3er edition. Japan: T Sakai.



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民事調停制度の利用

2015-11-30

 裁判所の関与によって民事紛争を解決する制度として訴訟が存在しますが、この他に裁判所の関与によって民事紛争を解決する制度として民事調停が存在します。

 訴訟と対比すると、調停には

①当事者双方の自由意思による合意によって自主的に紛争を解決する手段であり、事案の実情に即して当事者の生活関係全般にわたっての解決を図ることが出来る

②裁判官(民事調停官)と民事調停委員で構成される調停委員会が紛争解決のあっせんにあたり、健全な良識等を紛争の解決に反映させることが出来る

③非公開の席で行われるため、当事者が素直に意見を述べることが出来る

④当事者の合意によって紛争が解決されるため、相手方の任意の履行を期待出来る

といった特色があると言われています。

 調停手続を経ることなく訴訟を提起することが出来るというのが原則ですが、地代・土地の借賃の増減額請求や建物の借賃の増減額請求については、調停による解決に適しているとの考えから、まず、調停の申立てをしなければならない(調停前置主義)とされています。



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交通事故に関するトラブルとADR(裁判外紛争解決手続)の利用

2014-05-26

交通事故による被害者がその損害の賠償を受ける方法としては、加害者、保険会社などとの交渉や裁判の他に、裁判外紛争処理機関に対して紛争処理(ADR: Alternative Dispute Resolution)を申し立てるという方法も存在します。

判断が難しい法律問題がある場合や事故状況などについて双方の言い分が大きく食い違っている場合などADRによる処理になじまない事案もありますが、裁判などに比べ費用が少なくて済む、早期の解決を図りやすいといったメリットがADRにはあります。

交通事故に関するADRとしては、
①公益財団法人日弁連交通事故相談センター
②公益財団法人交通事故紛争処理センター
③一般財団法人自賠責保険・共済紛争処理機構
④損害保険相談・紛争解決サポートセンター(そんぽADRセンター)
といったものがあります。


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金融商品・金融サービスに関するトラブルと金融ADR

2014-03-03

金融商品・金融サービスに関するトラブルを裁判によらずに解決する制度として金融ADRが存在します。

金融ADRとは、金融分野における裁判外の簡易・迅速な紛争解決制度です。
そして、業態ごとに指定紛争解決機関(全銀協、生命保険協会、日本損害保険協会、FINMAC等)が設けられ、また、対象業態について指定紛争解決機関が存在しない場合には各金融機関において指定紛争解決機関に代わる苦情処理措置及び紛争解決措置(認証ADR、弁護士会仲裁センター等におけるあっせんまたは仲裁手続等)を講じることとされています。

金融商品・金融サービスに関するトラブルが生じた場合、それぞれのメリット、デメリットを検討して訴訟と金融ADRあるいはその他の手段の中で適切と思われるものを利用することになります。


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金融ADR(金融分野における裁判外紛争解決)制度の活用について

2013-05-23

金融ADR制度とは、金融機関とその利用者とのトラブル(紛争)の解決を裁判以外の方法で図る制度です。

苦情処理・紛争解決手続きの申立てを行うと、当事者の間に金融ADR機関が介在することになります。

そして、金融ADR機関(中立・公正な専門家である紛争解決委員)が当事者双方から話を聞き、双方に和解案を提示します。

金融機関は、原則としてその和解案を受け入れなければなりません。

なお、金融ADR機関は、中性・公正な立場で和解案を作りますので、利用者の希望するような内容の和解案になるとは限りません。
弁護士が利用者の代理人になってこの手続きを進めることも可能です。

裁判に比べて費用が安く、早期に紛争を解決することもできますので、金融機関との間でトラブルが生じた方は、弁護士にこの制度の利用を相談されると良いと思います。



【お問い合わせ先】
〒108-0072
東京都港区白金一丁目17番2号 白金アエルシティ 白金タワー テラス棟4階
ひらま総合法律事務所 弁護士 平 間 民 郎
Tel:03-5447-2011
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裁判外紛争解決手続(ADR: Alternative Dispute Resolution)による解決

2013-04-18

身の回りで起こる様々なもめ事やトラブルを解決する方法といえば、裁判が代表的ですが、それ以外にも、トラブルを解決する方法があります。

裁判外紛争解決手続(ADR: Alternative Dispute Resolution)という方法です。

裁判までは、ちょっとという方はこの手続きを利用してみてはいかがでしょうか?

詳しくはこちらをクリック

法務省ホームページ(外部リンク) 裁判外紛争解決手続の認証制度(かいけつサポート)ページ



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