7月, 2019年

分割される共有物における共有関係の存続

2019-07-22

 共有関係が存続することを希望する者が存在する場合に共有物の一部を分割し残りの部分を共有にしておくことが共有物の分割請求訴訟において認められるのかという問題があります。

 このことが問題となった裁判例を見ると、最高裁平成4年1月24日判決が、土地の共有者が多数であるときに分割を請求する者の持分を分割し、その余を共有とすることを認めています。また、東京地裁平成5年6月30日判決が、土地の一部を共有とすることを認めています。



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ひらま総合法律事務所 弁護士 平間民郎(Tel:03-5447-2011)

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共有物の価格賠償による分割

2019-07-16

 物の所有の形態としては単独所有のほかに共同所有(共有)が認められるところ、「各共有者は、いつでも共有物の分割を請求することができる」(民法256条1項)、「共有物の分割について共有者間に協議が調わないときは、その分割を裁判所に請求することができる」(同法258条1項)などと規定されています。そこで、共有者は、共有物を分割することができますが、その方法として価格賠償による分割が認められるかが問題となります。

 この点、最高裁昭和62年4月22日判決は、「現物分割するに当たっては、・・・持分の価格に応じた分割をするとしても・・・取得する現物の価格に過不足をきたす事態の生じることは避けがたいところであり、このような場合には、持分の価格以上の現物を取得する共有者に当該超過分の対価を支払わせ、過不足の調整をすることも現物分割の一態様として許される」として価格賠償による分割を認めています。さらに、最高裁平成8年10月31日は、上記のような制限をつけずに、一定の要件のもとで全面的価格賠償を認めています。



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有名人による悪質商法の宣伝・広告

2019-07-08

 詐欺業者等がタレントなどの有名人を使用して宣伝・広告を行った場合、その有名人が悪質商法の推奨者として責任を負うかどうかという問題があります。

 そこで、悪質商法の宣伝・広告にかかわった有名人の責任が問題となった裁判例をみると、土地取引業者の宣伝パンフレットに推奨文を乗せたことが問題となった事案に関する大阪地裁昭和62年3月30日判決が、「被告会社あるいはその取り扱う商品の推薦を行う場合には、その推薦内容を裏付けるに足りる調査を行うべき義務がある」として不法行為の幇助責任を認めています。

 これに対し、抵当証券業者のテレビCMに出演したことが問題となった事案に関する東京地裁平成6年7月25日判決は、「テレビ放映することを前提とした広告に出演する者は、当該広告の視聴者が当該出演者の知名度、経験等を信用しその推奨する業者、商品であるということをひとつの動機として取引した場合に損害を被る危険があることを予見し得る場合には、当該広告に出演することを回避すべき義務を負う」としつつ、本件については自ら調査して予見すべき義務はないとして不法行為責任を否定しています。



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悪質商法と宣伝、広告媒体の責任

2019-07-01

 悪質商法による被害に新聞、雑誌、テレビなどによる宣伝、広告が影響している場合、悪質業者による宣伝・広告を掲載・放映した媒体の責任が問題となります。

 そこで、悪質業者による宣伝・広告を掲載・放映した媒体の責任が問題となった裁判例をみると、不動産業者から金員を詐取された事案に関する東京地裁昭和60年6月27日判決が、被告会社が推薦する業者、物件であるということで取引に入る顧客の信用を裏切らないようにするべき注意義務があるとしています。

 また、販売業者が倒産してマンションの引渡しを受けられなかった事案に関する最高裁平成元年1月9月19日判決が、新聞社について、広告内容の真実性に対する疑念を抱かせる特別事情があり、それによって読者が損害を蒙るおそれがあることの予見可能性がある場合のような具体的な事情の下では、真実性の調査・確認義務が認められるとしています。



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