Archive for the ‘ブログ’ Category

離婚原因としての悪意の遺棄・3年以上の生死不明

2021-02-22

 民法770条1項は、その2項、3号において「配偶者から悪意で遺棄されたとき」(2号)、「配偶者の生死が3年以上明らかでないとき」を離婚事由としています。

 悪意の遺棄に関して、悪意とは遺棄の結果を意欲しもしくは容認することをいうとした最高裁昭和39年9月17日判決やこの事由が認められるには社会的倫理的非難に値するものであることが必要とした新潟地裁昭和36年4月24日判決があります。

 また、3年以上の生死不明に関して、この事由が認められるには生死不明となるに至った原因いかんは問わないとした大津地裁昭和25年7月27日判決があります。

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ひらま総合法律事務所 弁護士 平間民郎(Tel:03-5447-2011)

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裁判の土地管轄

2021-02-15

 訴訟を提起する場合にどの裁判所に提起するかを決める基準を管轄と言い、土地との関係で問題となる管轄を土地管轄と言います。

 この土地管轄に関し、民事訴訟法4条1項は、被告の生活の根拠地の裁判所に管轄権が認められる(普通裁判籍)としています。そして、この普通裁判籍は、自然人については住所(同条2項)、法人その他の社団・財団については主たる事務所または営業所の所在地、国については法務大臣の所在地(同条6項等)としています。

 また、不法行為に基づく損害賠償請求訴訟では不法行為が行われた土地(同法5条9号)、財産権上の訴訟では義務履行地(同法5条1号)を管轄する裁判所にも管轄権が認められます(独立裁判籍)。

 さらに、他の事件との関連から、本来管轄権の無い裁判所に管轄権が認められる場合があります(関連裁判籍、同法7条等)。

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離婚原因としての「婚姻を継続し難い重大な事由があるとき」

2021-02-08

 民法770条が離婚事由について規定しているところ、その5号は、「その他婚姻を継続し難い重大な事由があるとき」と定めています。

 この離婚事由に関する裁判例を見ると、性格の不一致(東京高裁昭和54年6月21日判決)、性的不能(最高裁昭和37年2月6日判決)、夫の暴力(最高裁昭和33年2月25日判決)がこれにあたるとされています。

 また、訴訟上の和解において離婚に応じて離婚給付を受け取りながら協議離婚に応じない場合(大阪高裁昭和60年5月17日判決)、夫に自省の機会を与えて離婚請求を棄却したが、その2審の和解手続において自省の跡が見られない場合(東京高裁平成8年7月30日判決)にこの離婚事由を認めています。

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遺産分割の効力

2021-02-01

 遺産の分割は、相続の開始した時に遡ってその効力を生ずる(遡及効、民法909条本文)とされています。また、この遺産分割の遡及効は、第三者の権利を害することができない(同条但書)とされています。そして、遺産の相続によって不動産に関する権利を取得した相続人は、登記を経なければ遺産の分割後に当該不動産につき権利を取得した第三者に対し、法定相続分を超える権利の取得を対抗できない(最高裁昭和46年1月25日判決)とされています。

 なお、登記実務では、遺産分割の合意があったときは、被相続人の登記名義のままで、直ちに各人名義の相続登記をすることができる(昭和19年10月19日民事甲692号回答)とされています。

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遺言執行者の解任請求

2021-01-25

 遺言者は、遺言で遺言執行者を指定し、または、その指定を第三者に委託することができる(民法1006条1項)とされています。また、遺言執行者が指定されていないときまたはなくなったときは、家庭裁判所は、利害関係人の請求によって遺言執行者を選任する(同法1010条)と規定されています。

 そして、この遺言執行者は、その任務を怠ったときその他正当の事由があるときは、利害関係人は、その遺言執行者の解任を家庭裁判所に請求することができる(同法1019条1項)とされています。

 そこで、この解任の事由が問題となった裁判例を見ると、遺言内容の実現に関する事務について適正な処理を怠ったこと(名古屋高裁昭和32年6月1日決定、福岡家裁大牟田支部昭和45年6月17日審判)、相続人の一部との意見の対立のため不公正等の感情をいだかせたこと(東京高裁昭和44年3月3日決定)は解任の事由となりうるとされていますが、相続人の協力を得られないことなどから円滑な職務執行が妨げられた場合に解任の事由を否定(広島高裁松江支部平成3年4月9日決定等)しています。

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離婚原因としての不治の精神病

2021-01-18

 民法770条1項が離婚原因について規定しているところ、その4号は、「配偶者が強度の精神病にかかり、回復の見込みがないとき」と規定しています。

 この離婚事由が問題となった裁判例を見ると、入退院を繰り返していてもその都度日常生活に支障のない程度に回復しているときはこの離婚事由に該当しない(東京高裁昭和47年1月28日判決)としたものがあります。

 また、最高裁昭和33年7月25日判決は、離婚請求の裁量棄却(同法770条2項)とこの離婚事由との関係に関し、諸般の事情を考慮し、病者の今後の療養、生活等についてできる限りの具体的方途を講じ、ある程度において前途に、その方途の見込みのついた上でなければ、離婚の請求は許さないとしています。

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特別縁故者に対する相続財産の分与

2021-01-12

 相続人としての権利を主張する者がいない場合に被相続人と生計を同じくしていた者やその療養看護に努めた者その他被相続人と特別の縁故があった者に対し相続財産を与える制度(民法958条の3)があります。

 裁判例を見ると、特別縁故者である「被相続人と生計を同じくしていた者」について、事実上の養子(大阪家裁昭和40年3月11日審判)や継親子(京都家裁昭和38年12月7日審判)がこれにあたるとしたものがあります。

 また、「被相続人の療養看護に努めた者」について、従業員(大阪高裁平成4年3月19日決定)や妻の弟(広島高裁平成15年3月28日決定)がこれにあたるとしたものがあります。

 さらに、「その他特別の縁故があった者」について、特に財産上の援助をした者(大阪家裁昭和39年9月30日審判)や財産管理や身上監護をした者(名古屋家裁昭和48年2月24日審判、大阪高裁平成5年3月15日決定)がこれにあたるとしたものがあります。

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婚姻の届出と婚姻意思

2021-01-05

 婚姻をするためには婚姻の届出(婚姻届)が必要となるところ、代書・代印されたものであってもそれが本人の意思に基づくものであれば婚姻は有効に成立する(大審院昭和11年12月4日判決)とされ、当事者が事実上の婚姻関係にある場合には届出をしないという明確な意思があるのでない限り他方や第三者が本人名義で届け出ても有効に婚姻が成立するとした裁判例(富山地裁昭和40年3月31日判決)があります。

 また、婚姻意思に関し、最高裁昭和44年10月31日判決が、婚外子に嫡出性を付与するための便法に過ぎない場合には婚姻意思は認められず無効としている一方、最高裁昭和44年4月3日判決などは、その意思に基づいて届出が作成された以上、その後翻意や撤回など特段の事情がない限り当該届出の受理によって婚姻は有効に成立するとしています。

 さらに、最高裁昭和47年7月25日判決は、事実上の夫婦の一方が他方の意思に基づかずに婚姻届を提出した場合でも、追認により婚姻は届出の時から有効となるとしています。

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離婚原因としての不貞行為

2020-12-28

 婚姻の当事者が訴えによって婚姻の解消を求める場合に必要となる離婚原因について民法770条1項が規定しているところ、その中のひとつに不貞行為(同項1号)があります。

 不貞行為とは、配偶者のある者が、自由な意思に基づいて、配偶者以外の者と性的関係を結ぶことをいい、相手方の自由な意思に基づくものであるか否かを問わない(最高裁昭和48年11月15日判決)とされています。

 裁判例を見ると、買春・売春(最高裁昭和38年6月4日判決)、強姦(最高裁昭和48年11月15日判決)も不貞行為になるとされています。

 なお、不貞行為の宥恕に関し、不貞行為の宥恕は民法770条2項の裁量棄却の資料になり得るが、離婚請求権を消滅させるものではないとするもの(東京高裁昭和34年7月7日判決)や宥恕後婚姻が破綻した場合に同条1項5号の離婚原因が認められる余地を認めるもの(東京高裁平成4年2月24日判決)があります。

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親権を行う父または母と子の利益相反行為

2020-12-21

 親権を行う父または母とその子との利益が相反する行為について、親権を行う父または母は、その子のための特別代理人の選任を家庭裁判所に請求しなければならない(民法826条1項)とされています。

 そこで、当該行為がこの利益相反行為に該当するかどうかが問題となった裁判例を見ると、子の財産を親権者に譲渡する行為は該当しますが、親権者から子に無償で財産を譲渡する行為は該当しない(大審院昭和6年3月9日判決等)とされています。

 また、遺産分割は該当します(最高裁昭和49年7月22日判決)が、親権者が未成年者全員を代理して相続を放棄することは該当しない(最高裁昭和53年2月24日判決)とされています。

 また、子のための特別代理人の権限が問題となった裁判例を見ると、親権者の一方のみと利益相反する場合、特別代理人と他方の親権者との共同代理となる(最高裁昭和35年2月25日判決)、選任された特別代理人と未成年者との間で利益が相反する場合、その特別代理人は付与された権限を行使できない(最高裁昭和57年11月18日判決)とされています。

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