Archive for the ‘不動産’ Category

不動産の使用借権の喪失に基づく損害の評価

2020-04-20
 他人の不動産を利用する権利として賃借権や使用借権がありますが、使用借権の喪失による損害の評価が問題になることがあります。

 そこで、この問題に関する裁判例を見ると、土地上の建物が焼失したことによって土地の使用借権を喪失した事案に関し、最高裁平成6年10月11日判決が、「特別の事情のない限り、右土地使用に係る経済的利益の喪失による損害が発生するものというべきであり、また、右経済的利益が通常は建物の本体のみの価格(建物の再構築価格から経年による減価分を控除した価格)に含まれるということはできない」「少なくとも、焼失時の本件建物の本体の価格と本件土地使用に係る経済的利益に相当する額との合計額を本件建物の焼失による損害として被上告人に請求することができる」と判示しています。



【お問い合わせ先】
〒108-0072東京都港区白金一丁目17番2号 白金アエルシティ 白金タワー テラス棟4階
ひらま総合法律事務所 弁護士 平間民郎(Tel:03-5447-2011)

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隣地通行権による自動車の通行

2020-03-30

  他人の土地を通行する権利として通行地役権や囲繞地(いにょうち)通行権 などがあるところ、このような権利によって自動車の通行が認められるかどうかが問題となることがあります。

 そこで、このことが問題となった裁判例を見ると、最高裁平成18年3月16日判決が、民法210条の囲繞地通行権に関し、「現代社会においては、自動車による通行を必要とすべき状況が多く見受けられる反面、自動車による通行を認めると、一般に、他の土地から通路としてより多くの土地を割く必要がある上、自動車事故が発生する危険性が生ずることなども否定することができない。

 したがって、自動車による通行を前提とする二一〇条通行権の成否及びその具体的内容は、他の土地について自動車による通行を認める必要性、周辺の土地の状況、自動車による通行を前提とする二一〇条通行権が認められることにより他の土地の所有者が被る不利益等の諸事情を総合考慮して判断すべきである」と判示しています。



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自動車の駐車による地役権の妨害

2020-03-23

 地役権のひとつとして通行地役権がありますが、自動車の駐車がこの通行地役権の妨害・侵害になるかどうかが問題となることがあります。
 そこで、このことが問題となった裁判例を見ると、団地内の道路での自動車の駐車による通行妨害について、最高裁平成17年3月2日判決は、「通行地役権は、承役地を通行の目的の範囲内において使用することのできる権利にすぎないから、通行地役権に基づき、通行妨害行為の禁止を超えて、承役地の目的外使用一般の禁止を求めることはできない」「本件係争地に車両を恒常的に駐車させて・・・車両の通行を妨害してはならない旨を求める限度で認容すべきであり」と判示しています。



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賃貸人による自力救済

2020-03-16

 賃貸借契約が終了したにもかかわらず、元の賃借人が目的物を任意に明け渡さない場合、目的物の所有者としては目的物の明け渡し等を求める訴訟を提起し、判決を得た上で強制執行により権利を実現することが考えられますが、このような法的手続きを経ずに目的物を取り戻す自力救済が行われることがあります。

 この自力救済について、最高裁昭和40年12月7日判決は、「原則として法の禁止するところであるが、法律に定める手続によったのでは、権利に対する違法な侵害に対抗して現状を維持することが不可能又は著しく困難であると認められる緊急やむを得ない特段の事情が存する場合においてのみ、その必要の限度を超えない範囲内で、例外的に許される」としています。そして、目的物の所有者による自力救済行為に関する裁判例を見ると、不法行為の成立を肯定したもの(札幌地裁平成11年12月24日判決、東京地裁平成4年9月16日判決等)と否定したもの(横浜地裁昭和63年2月4日判決、東京地裁昭和62年3月13日判決等)があります。



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不法行為に基づく損害賠償請求と相殺の禁止

2020-03-09

 債権を相互に有する者の間では、相殺による処理が考えられます。ところが、不法行為に基づく損害賠償請求権については、被害者に現実の賠償を受けさせるため、「債務者は、相殺をもって債権者に対抗することができない」とされています(民法509条)。
 ただ、その被害者の救済という制度の趣旨から、被害者が損害賠償請求権を自動債権として加害者に対し負担している債務と相殺することは可能(最高裁昭和42年11月30日判決)とされ、また、契約により相殺することも可能(大審院大正元年12月16日判決)とされています。
 なお、双方の損害賠償請求権が交通事故のような同一事実によって発生した場合については、相殺による処理を認める説が有力ですが、最高裁昭和49年6月28日判決は、「同一交通事故によって生じた物的損害に基づく損害賠償債権相互間においても、民法509条の規定により相殺が許されない」と判示しています。



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賃貸借契約の終了後における目的物の占有についての不法行為責任

2020-03-02

 賃貸借契約が終了したにもかかわらず、元の賃借人が目的物の占有を継続する場合、目的物返還義務の履行遅滞として契約責任を負うことになりますが、この責任とあわせて不法行為責任も問題となります。

 この不法行為責任に関する裁判例を見ると、大審院大正7年5月18日判決が契約責任と不法行為責任との競合を認めており、最高裁昭和34年7月30日判決が不法行為により被る損害について、賃料相当額を基準として算定されるとしています。

 なお、賃貸人の承諾なしに賃借権が譲渡されたが賃貸借契約が解除されていない場合について、判例は、特段の事情のない限り、賃貸人は、賃借権の無断譲受人に対し、賃料相当損害金の賠償請求ができるとしています(最高裁昭和35年9月20日判決、最高裁昭和41年10月21日判決)。



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騒音による生活妨害についての不法行為責任

2020-02-10

 平穏な生活を侵害(生活妨害)するものとして騒音があるところ、この騒音による被害について不法行為の成否をどのように判断するかという問題があります。

 この問題に関する裁判例を見ると、工場の騒音等に基づいて、近隣住民が操業の差し止めと損害賠償を請求した事案に関し、最高裁平成6年3月24日判決が、「工場等の操業に伴う騒音、粉じんによる被害が、第三者に対する関係において、違法な権利侵害ないし利益侵害になるかどうかは、侵害行為の態様、侵害の程度、被侵害利益の性質と内容、当該工場等の所在地の地域環境、侵害行為の開始とその後の継続の経過及び状況、その間に採られた被害の防止に関する措置の有無及びその内容、効果等の諸般の事情を総合的に考察して、被害が一般社会生活上受任すべき程度を超えるものかどうかによって決すべきである」と判示しています。



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他人の訴訟に利害関係を有する者による補助参加

2019-11-25

 債務者が債権者から訴訟を提起された場合にその債務者の保証人がその訴訟に参加するように第三者が自己の利益を守るために他人の訴訟に参加する制度として補助参加があります。

 補助参加人は、被参加人を助けて訴訟を追行することになります。

 この制度を利用するには、①他人の間で既に訴訟が係属していることと②訴訟の結果について法律上の利益である補助参加の利益があることが必要であり、一方の当事者の親友や親せきであるといったことによる感情的な利益はこの補助参加の利益とは認められない(東京高裁昭和50年5月16日決定)とされています。

 また、補助参加人は、原則として訴訟行為をすることができます(独立性)が、被参加人が行うことのできない行為や被参加人の行為と矛盾・抵触する行為はできない(従属性)とされています。

 そして、被参加人が敗訴した場合、一定の事項について、被参加人と補助参加人との間の後訴において被参加人敗訴の確定判決の内容が前提とされます(参加的効力)。



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差押債権者による取立て(2019年8月26日分)

2019-10-07

 差押命令が債務者に送達されて1週間が経過すると、差押債権者は、第三債務者から直接取立てをすることができます(民事執行法155条1項)。そして、この取立権によって、差押債権者は、自己の名において、差押債権に関し債務者の権利を行使できるとされており、最高裁平成11年9月9日判決は、生命保険に関し債務者の有する解約権を行使することができるとしています。

 差押債権者が取立権を行使して第三債務者から支払いを受けたときはその限度で弁済を受けたものとみなされます(同法155条2項)。差押債権者は、取立権の行使により第三債務者から支払いを受けたときは直ちにその旨を執行裁判所に届け出なければならないとされています(同法155条3項)。

 また、差押債権者が取立権に基づいて取立てをしたが第三債務者が支払わない場合や差押等が競合したのに供託しない場合、差押債権者は、取立訴訟を提起することができます(同法157条)。そして、差押債権者は、取立訴訟の判決に基づいて第三債務者の財産に対して強制執行をすることができます。



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債権に対する強制執行

2019-10-07

 債権に対する執行には、債権執行と債権担保権の実行がありますが、債権執行が利用されることが多いようです。
 債権執行とは、金銭債権や引渡請求権を差し押さえ、換価・配当をする手続です(民事執行法143条等)。強制執行で必要とされる執行費用も、当該手続で取り立てることができる(同法42条)とされています。


 債権執行の申立は、債務者の普通裁判籍の所在地か差し押さえる債権の所在地を管轄する地方裁判所に対して行います(同法144条第1項)。
 強制執行は、請求債権の期限到来後に開始することができるのが原則(同法30条1項)ですので、弁済期がある場合や期限の利益の喪失が条件の場合、弁済期の到来や期限の利益の喪失を主張することになります。
 また、差押債権の特定が必要とされ、差押債権が不特定である債権差押命令は無効とされます(最高裁昭和46年11月30日判決)。


 執行裁判所は、債務者に対して差押債権の処分行為を禁止し、第三債務者に対して債務者への弁済を禁止する命令を発します(同法145条第1項)。そして、差押債権者は、債務者に差押命令が送達されてから1週間が経過すれば差押債権を取立てることができます(同法155条)。



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