Archive for the ‘債権回収’ Category

債権者代位権についての民法の改正

2023-01-16

   債務者に対する債権を債権者が実現する手段として第三者に対し行使する権限として債権者代位権がありますが,改正民法は,これについて以下のような改正を行っています。

   ① 被保全債権の期限到来前は,保存行為を除き代位権を行使できないことにし,裁判上の代位を廃止(423条2項)しました。また,強制執行により実現することができないもの(同条1項),差押えを禁止された権利(同条1項但書)につき,被代位権利として行使できないとしました。

   ② 「被代位権利が金銭の支払又は動産の引渡しを目的とするものであるときは,相手方に対し,その支払又は引渡しを自己に対してすることを求めることができる」(423条の3)とする一方で,「被代位権利の目的が可分であるときは,自己の債権の額の限度においてのみ,被代位権利を行使することができる(423条の2),債務者は,債権者が代位権を行使した場合でも「被代位権利について,自ら取立てその他の処分をすること」ができ,「相手方も,被代位権利について,債務者に対して履行をすることを妨げられない」(423条の5)として,債権回収機能を限定的に認めました。

   ③ 債権者が「被代位権利の行使に係る訴えを提起したときは,遅滞なく,債務者に対し,訴訟告知をしなければならない(423条の6)としました。

   ④ 「登記又は登録をしなければ権利の得喪及び変更を第三者に対抗することができない財産を譲り受けた者は,その譲渡人が第三者に対して有する登記手続又は登録手続をすべきことを請求する権利を行使しないときは,その権利を行使しないときは,その権利を行使することができる。この場合においては,前3条の規定を準用する」(423条の7)として登記・登録請求権を保全するための債権者代位権の規定を設けました。


【お問い合わせ先】
〒108-0072東京都港区白金一丁目17番2号  白金アエルシティ  白金タワー  テラス棟4階
ひらま総合法律事務所  弁護士  平間民郎(Tel:03-5447-2011)

最寄り駅;東京メトロ南北線/都営 三田線 「白金高輪駅」 4番出口から直通で徒歩1分
(ご来所には事前の電話予約が必要です。)アクセス(地図等)



当事務所内で咲く花

債権の消滅時効についての民法・商法の改正

2023-01-02

   改正前の民法において,債権の消滅時効期間は原則として10年とされ,また,5年,3年,1年を時効期間とする短期消滅時効制度がありました。また,商法は,商事債権の消滅時効期間を5年としていました。さらに,時効の中断という制度がありました。ところが,これらの制度は,大きく改正されました。

① 改正民法166条1項1号は,「債権者が権利を行使することができることを知った時から五年間行使しないとき」と規定して,債権の消滅時効期間を5年間としました(なお,債権者が権利行使をできる時をしらない場合については,同条同行2項で「権利を行使することができることを知った時から十年間行使しないとき」と規定して従前と同様に10年間としています)。また,商法における商事債権の消滅時効についての規定が削除されました。

② 人の生命又は身体の侵害による損害賠償請求権については,改正民法167条が「二十年間」とすると規定して,消滅時効期間を20年間としました。

③ 短期消滅時効についての規定は削除され,債権の消滅時効期間は5年間に統一されました。

④ 時効の中断が時効の完成猶予及び更新に変わりました(改正民法147条)。そして,同条は,その事由について「裁判上の請求」「支払督促」等と規定しました。

⑤ 改正民法151条が,「権利についての協議を行う旨の合意が書面でされたときは」「時効は完成しない」と規定して協議を行う旨の合意による時効の完成猶予の制度を導入しました。

⑥ 改正民法161条が,「その障害が消滅した時から三箇月を経過するまでの間は,時効は,完成しない」と規定して天災等の場合における時効の完成猶予期間を3か月としました。


【お問い合わせ先】
〒108-0072東京都港区白金一丁目17番2号  白金アエルシティ  白金タワー  テラス棟4階
ひらま総合法律事務所  弁護士  平間民郎(Tel:03-5447-2011)

最寄り駅;東京メトロ南北線/都営 三田線 「白金高輪駅」 4番出口から直通で徒歩1分
(ご来所には事前の電話予約が必要です。)アクセス(地図等)



当事務所内で咲く花

勤務先が倒産した場合の傷病手当金の受給

2020-05-04
 健康保険の傷病手当金を受給していた場合、勤務先が倒産しても要件を充たせば退職した後も傷病手当金を受給することができます。

被保険者資格を喪失した後も、

①資格を喪失した日の前日まで引き続き1年以上被保険者で、

②資格を喪失した際、傷病手当金を受給している者は、傷病手当金を支給開始日から起算して1年6か月を限度として受給することができます(健康保険法104条、99条2項)。

なお、在職中は勤務先を経由していましたが、退職後は保険者に直接申請することになります。



【お問い合わせ先】
〒108-0072東京都港区白金一丁目17番2号 白金アエルシティ 白金タワー テラス棟4階
ひらま総合法律事務所 弁護士 平間民郎(Tel:03-5447-2011)

Photographing place – Liberty Bell Center

 

第三者に対する訴訟告知

2019-12-02

 債権者から訴訟を提起された保証人が主たる債務者に対しそのことを通知するといったように当事者が当該訴訟に参加できる第三者に対し訴訟が係属したことを通知する訴訟告知という制度があります。

 告知については当事者にくわえて補助参加人や告知を受けた者も告知できるとされています。また、告知を受けるのは、当該訴訟に参加することができる第三者とされています。

 告知をされても参加を強制されるわけではありませんが、参加人となる利害関係のある被告知者は、参加しなかった場合や遅れて参加した場合でも告知に対応して参加できた時点に参加したものとして参加的効力を受けるとされています。



【お問い合わせ先】
〒108-0072東京都港区白金一丁目17番2号 白金アエルシティ 白金タワー テラス棟4階
ひらま総合法律事務所 弁護士 平間民郎(Tel:03-5447-2011)

Photographing place – Liberty Bell Center

 

差押債権者による取立て

2019-10-07

 差押命令が債務者に送達されて1週間が経過すると、差押債権者は、第三債務者から直接取立てをすることができます(民事執行法155条1項)。そして、この取立権によって、差押債権者は、自己の名において、差押債権に関し債務者の権利を行使できるとされており、最高裁平成11年9月9日判決は、生命保険に関し債務者の有する解約権を行使することができるとしています。

 差押債権者が取立権を行使して第三債務者から支払いを受けたときはその限度で弁済を受けたものとみなされます(同法155条2項)。差押債権者は、取立権の行使により第三債務者から支払いを受けたときは直ちにその旨を執行裁判所に届け出なければならないとされています(同法155条3項)。

 また、差押債権者が取立権に基づいて取立てをしたが第三債務者が支払わない場合や差押等が競合したのに供託しない場合、差押債権者は、取立訴訟を提起することができます(同法157条)。そして、差押債権者は、取立訴訟の判決に基づいて第三債務者の財産に対して強制執行をすることができます。



【お問い合わせ先】
〒108-0072東京都港区白金一丁目17番2号 白金アエルシティ 白金タワー テラス棟4階
ひらま総合法律事務所 弁護士 平間民郎(Tel:03-5447-2011)

Photographing place – Liberty Bell Center

 

債権に対する強制執行

2019-10-07

 債権に対する執行には、債権執行と債権担保権の実行がありますが、債権執行が利用されることが多いようです。
 債権執行とは、金銭債権や引渡請求権を差し押さえ、換価・配当をする手続です(民事執行法143条等)。強制執行で必要とされる執行費用も、当該手続で取り立てることができる(同法42条)とされています。


 債権執行の申立は、債務者の普通裁判籍の所在地か差し押さえる債権の所在地を管轄する地方裁判所に対して行います(同法144条第1項)。
 強制執行は、請求債権の期限到来後に開始することができるのが原則(同法30条1項)ですので、弁済期がある場合や期限の利益の喪失が条件の場合、弁済期の到来や期限の利益の喪失を主張することになります。
 また、差押債権の特定が必要とされ、差押債権が不特定である債権差押命令は無効とされます(最高裁昭和46年11月30日判決)。


 執行裁判所は、債務者に対して差押債権の処分行為を禁止し、第三債務者に対して債務者への弁済を禁止する命令を発します(同法145条第1項)。そして、差押債権者は、債務者に差押命令が送達されてから1週間が経過すれば差押債権を取立てることができます(同法155条)。



【お問い合わせ先】
〒108-0072東京都港区白金一丁目17番2号 白金アエルシティ 白金タワー テラス棟4階
ひらま総合法律事務所 弁護士 平間民郎(Tel:03-5447-2011)

Photographing place – Liberty Bell Center

 

クレジット業者に対する抗弁の対抗

2019-06-17

 クレジット取引における販売契約とクレジット契約は当事者の異なる別個の契約ですが、購入者は、クレジット業者の支払請求に対し、販売契約についての無効・取消・解除等の事由をもって対抗できるとされています(抗弁の対抗、抗弁の接続 同法30条の4、35条の3の19)。
 この規定の性質については争いがありますが、判例は、上記の抗弁の対抗はこの規定によって創設的に認められたという創設的規定説を採用している(最高裁平成23年10月25日判決、最高裁平成2年2月20日判決)と評価されています。



【お問い合わせ先】
〒108-0072東京都港区白金一丁目17番2号 白金アエルシティ 白金タワー テラス棟4階
ひらま総合法律事務所 弁護士 平間民郎(Tel:03-5447-2011)

Photographing place – Liberty Bell Center

 

金融商品取引における消費者保護と金融商品販売法

2019-05-20

 証券取引、保険取引、デリバティブ取引など金融商品取引にはさまざまのものがあるところ、預貯金、保険、証券などの金融商品の販売を規制する法として金融商品の販売等に関する法律(金融商品販売法)が存在し、以下のような規制を行っています。


① 元本欠損・元本を上回る損失発生のおそれがあるときはその旨とその要因、取引の仕組み、権利行使期間等の制限があるときはその旨の説明の義務付けと損害賠償責任(同法3条、5条)


② 断定的判断の提供、確実であると誤認させるおそれのあることの告知の禁止と損害賠償責任(同法4条、5条)。


③ 勧誘方針の策定公表の義務付け(同法8条から10条)。



【お問い合わせ先】
〒108-0072東京都港区白金一丁目17番2号 白金アエルシティ 白金タワー テラス棟4階
ひらま総合法律事務所 弁護士 平間民郎(Tel:03-5447-2011)

Photographing place – Liberty Bell Center

 

金融商品取引業者を規制する金融商品取引法

2019-05-07

 金融商品取引法は、金融商品取引業者の行為ルールと監督を定める法です。証券取引法を改正したもので、以下の事項を規定しています。

 金融商品取引業者は、「金融商品取引について、顧客の知識、経験、財産の状況及び金融商品取引契約を締結する目的に照らして不当と認められる勧誘を行って投資者の保護に欠けることとなっており、又は欠けるおそれがあること」のないよう求められています。

目論見書、契約締結前の書面の交付の義務付けに関連するものです。



【お問い合わせ先】
〒108-0072東京都港区白金一丁目17番2号 白金アエルシティ 白金タワー テラス棟4階
ひらま総合法律事務所 弁護士 平間民郎(Tel:03-5447-2011)

Photographing place – Liberty Bell Center

 

新しい民法(7)債権の消滅時効における時効期間と起算点

2018-06-25

 現行民法では、債権の消滅時効における時効期間と起算点について、「権利を行使することができる時から10年」としています(民法166条1項、167条1項)が、改正法では、「債権者が権利を行使することができることを知った時から5年間行使しないとき」か、「権利を行使することができる時から10年間行使しないとき」に時効によって消滅する(改正民法166条1項)としています。

 また、現行民法は、170条から174条で短期消滅時効について規定していますが、改正法は、これらの規定を削除しています。

 さらに、改正法は、定期金債権について、行使することができることを知ったときから10年間行使しないときか、これらの各債権を行使することができるときから20年間行使しないときは、時効によって消滅する(改正民法168条1項)とし、生命、身体の侵害による損害賠償請求権について、5年間と20年間のいずれかによって時効消滅する(改正民法167条、724条の2)としています。

【お問い合わせ先】
〒108-0072東京都港区白金一丁目17番2号  白金アエルシティ 白金タワー テラス棟4階
ひらま総合法律事務所 弁護士 平間民郎(Tel:03-5447-2011)

Photographing place – Liberty Bell Center

« Older Entries
ページの上へ

   Copyright© 2010-2022 ひらま総合法律事務所: 東京都港区白金で弁護士相談 All Rights Reserved.   プライバシーポリシー