Archive for the ‘立法の動向’ Category

民間委託と国家賠償責任

2020-11-16

 行財政改革の一環として行政事務が民間に委託されることが増えていますが、事務を委託した国や公共団体の国家賠償法上の責任が問題となります。

 この問題に関する裁判例を見ると、最高裁平成19年1月25日判決は、社会福祉法人が設置運営する児童養護施設の長は、本来都道府県が有する公的な権限を委譲されてこれを都道府県のために行使するものと解され、施設の職員等による養育監護行為は、都道府県の公権力の行使にあたる公務員の職務行為であるとして国家賠償法上の責任を認めています。

 また、東京地裁平成19年11月27日判決は、家庭福祉員は区の公務員・被用者ではないとしながら、家庭福祉員の調査を怠り、虐待が続発するのを放置し、制度運営要綱所定の権限を行使しなかった点に過失を認め、その権限不行使が著しく合理性を欠く違法なものであるとして国家賠償法上の責任を認めています。

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〒108-0072東京都港区白金一丁目17番2号 白金アエルシティ 白金タワー テラス棟4階
ひらま総合法律事務所 弁護士 平間民郎(Tel:03-5447-2011)

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みなとタバコルール – 港区環境美化の推進等に関する条例

2020-11-01

港区環境美化の推進及び喫煙による迷惑の防止に関する条例(平成9年10月3日・条例第42号)の8条と9条です。


第8条(投棄の禁止)
 区民等は,公共の場所において,吸い殻等及び空き缶等をみだりに捨ててはならない。


第9条(みなとタバコルール)
 1 区民等は,公共の場所において,たばこの吸い殻をみだりに捨ててはならない。
 2 区民等は,公共の場所(指定喫煙場所を除く。以下同じ。)において,喫煙をしてはならない。
 3 区民等は,公共の場所以外の場所において喫煙する場合に,公共の場所にいる区民等にたばこの煙を吸わせることがないよう配慮しなければならない。
 4 事業者等(区,事業者及び関係行政機関をいう。以下同じ。)は,公共の場所にいる区民等が事業者等の有する敷地(指定喫煙場所を除く。以下同じ。)内で喫煙する者のたばこの煙を吸わされることがないようにするため,事業者等の有する敷地内において,灰皿の撤去又は移設,喫煙場所の確保その他の環境の整備を行わなければならない。
 5 事業者等は,従業員その他事業活動に関わる者に,第一項から第三項までの規定を遵守させるよう努めなければならない。

時効の中断事由としての差押え、仮差押え、仮処分

2020-08-03

 時効の中断事由として、差押え、仮差押え、仮処分が規定されている(民法154条等)ところ、差押え等によって時効中断の効力が生じるのはいつか、また、時効中断の効力はいつまで続くのかという問題があります。

 まず、差押え等によって時効中断の効力が生じるのはいつかという問題に関する裁判例を見ると、動産執行に関し、最高裁昭和59年4月24日判決は、債権者が執行官に対し執行の申立をした時としていますが、金銭執行に関し、最高裁昭和43年3月29日判決は、債務名義に表示の住所に執行債務者が所在しないために執行が不能に終わった場合には、同金銭債権について時効中断の効力は生じないとしています。

 次に、時効中断の効力はいつまで続くのかという問題に関する裁判例を見ると、仮差押えに関し、最高裁平成10年11月24日判決は、仮差押えの執行保全の効力が存続する間は継続し、被保全債権につき本案の勝訴判決が確定しても仮差押えによる時効中断の効力が消滅するものではないとしています。また、最高裁平成6年6月21日判決は、仮差押解放金の供託により仮差押執行が取り消されても時効中断の効力は継続するとしています。

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移送による裁判の主体の変更

2020-07-27

 裁判の主体は、訴えを提起された裁判所ですが、移送によって裁判の主体が変わることがあります。

(1)管轄違いに基づく移送

 訴えを提起された裁判所に管轄権がない場合でも訴えを却下しないで、申立または職権でその訴えを管轄裁判所に係属させるものが管轄違いによる移送(民事訴訟法16条)です。

(2)管轄裁判所による移送

 訴えを提起された裁判所に管轄権がある場合でも,「訴訟の著しい遅滞を避け、又は当事者間の衡平を図るため必要」な場合などに移送が行われます(同法17条、18条、19条等)。

 移送の裁判(決定)は、被告の申立または職権で行われます。そして、移送の決定が確定すると、訴訟は訴えが提起された時から移送された裁判所に係属したものとみなされます(同法22条3項)。なお、移送の決定や移送の申立を却下した決定に対しては即時抗告(同法332条)で争うことができます。

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控訴による不服申立

2020-02-25

 裁判(第一審)の判決に不服がある場合にその不服の当否について控訴審による判断を求めることを控訴と言います。

 控訴は、判決書の送達後二週間の控訴期間内に控訴状を原裁判所に提出して行います(民訴法286条1項)。控訴には、控訴の利益が必要とされます。

 この控訴審では、第一審の裁判資料を前提としてこれに控訴審において収集される資料を加えて不服申立の当否等を判断します。



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他人の訴訟に利害関係を有する者による補助参加

2019-11-25

 債務者が債権者から訴訟を提起された場合にその債務者の保証人がその訴訟に参加するように第三者が自己の利益を守るために他人の訴訟に参加する制度として補助参加があります。

 補助参加人は、被参加人を助けて訴訟を追行することになります。

 この制度を利用するには、①他人の間で既に訴訟が係属していることと②訴訟の結果について法律上の利益である補助参加の利益があることが必要であり、一方の当事者の親友や親せきであるといったことによる感情的な利益はこの補助参加の利益とは認められない(東京高裁昭和50年5月16日決定)とされています。

 また、補助参加人は、原則として訴訟行為をすることができます(独立性)が、被参加人が行うことのできない行為や被参加人の行為と矛盾・抵触する行為はできない(従属性)とされています。

 そして、被参加人が敗訴した場合、一定の事項について、被参加人と補助参加人との間の後訴において被参加人敗訴の確定判決の内容が前提とされます(参加的効力)。



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インターネット上の名誉毀損と真実性の証明・故意(2019年9月9日分)

2019-10-15

 人の名誉を毀損した場合、名誉毀損罪(刑法230条1項)の成立が考えられますが、公益を図る目的で公共の利害に関する事実を適示した場合には適示した事実が真実であるとの証明があればこれを処罰しないとされています(同法230条の2)。そして、近時、インターネットを介した名誉毀損が問題となるケースが増加しているところ、インターネット上の表現であることがこの真実性の証明や故意の成否に影響するかどうかという問題があります。

 この問題に関する裁判例を見ると、最高裁平成22年3月15日決定が、このような場合でも真実性は合理的な疑いを入れない程度に証明されることが必要で、また、確実な資料・根拠がなければ故意は否定されないとしています。



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強姦罪等の個人の性的自由に対する罪に関する法改正(2019年9月2日分)

2019-10-07

 2017年の法改正により、監護者わいせつ及び監護者性交等罪(刑法179条)が新設されるとともに集団強姦罪及び準集団強姦罪とその致死傷罪が廃止され、また、強姦罪が行為態様を「性交」等とし被害者を女子に限定しない強制性交等罪に改められ、その刑の下限が3年から5年に引き上げられました(同法177条)。さらに、その処罰を被害者の意思に委ねることにする親告罪の規定(同法180条)が削除されました。

 監護者わいせつ及び監護者性交等罪は、父母等の18歳未満の者を現に監護する者が18歳未満の者に対しわいせつな行為や性交等をしたことを対象としています。

 また、強制性交等罪は、行為態様を「性交」等とし、被害者を女子に限定していません。なお、婚姻ないし内縁関係にある男女の間でも本罪が成立するかという問題がありますが、裁判例を見ると広島高裁松江支部昭和62年6月18日判決が、「婚姻中夫婦が互いに性交渉を求めかつこれに応ずべき関係にある」としながら、別居中の夫が第三者とともに妻を輪姦したという事案につき強姦罪の成立を認め、また、東京高裁平成19年9月26日判決が、関係が破綻していた夫婦に関する事案につき夫にも強姦罪が成立しうるとしています。



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差押債権者による取立て(2019年8月26日分)

2019-10-07

 差押命令が債務者に送達されて1週間が経過すると、差押債権者は、第三債務者から直接取立てをすることができます(民事執行法155条1項)。そして、この取立権によって、差押債権者は、自己の名において、差押債権に関し債務者の権利を行使できるとされており、最高裁平成11年9月9日判決は、生命保険に関し債務者の有する解約権を行使することができるとしています。

 差押債権者が取立権を行使して第三債務者から支払いを受けたときはその限度で弁済を受けたものとみなされます(同法155条2項)。差押債権者は、取立権の行使により第三債務者から支払いを受けたときは直ちにその旨を執行裁判所に届け出なければならないとされています(同法155条3項)。

 また、差押債権者が取立権に基づいて取立てをしたが第三債務者が支払わない場合や差押等が競合したのに供託しない場合、差押債権者は、取立訴訟を提起することができます(同法157条)。そして、差押債権者は、取立訴訟の判決に基づいて第三債務者の財産に対して強制執行をすることができます。



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危険運転致傷罪の行為態様(2019年8月19日分)

2019-10-07

 2013年の法改正により、刑法208条の2の危険運転致致死傷罪や同法211条2項の自動車運転過失致死傷罪などが「自動車の運転により人を死傷させる行為等の処罰に関する法律」(自動車運転死傷行為処罰法)に移り、また、準危険運転致死傷罪が新設(同法3条)されました。

 危険運転致死傷罪の行為態様は、アルコール又は薬物の影響により正常な運転が困難な状態で運転し人を死傷させた場合の

 ①酩酊運転致死傷(同法2条1号)、進行を制御することが困難な高速度で運転し人を死傷させた場合の

 ②高速度運転致死傷(同法2条2号)、進行を制御する技能を有しないで運転し人を死傷させた場合の

 ③未熟運転致死傷(同法2条3号)、人または車の通行を妨害する目的で著しく接近しかつ重大な交通の危険を生じさせる速度で運転し人を死傷させた場合の

 ④妨害運転致死傷(同法2条4項)、赤色信号等をことさらに無視しかつ重大な危険を生じさせる速度で運転し人を死傷させた場合の

 ⑤信号無視運転致死傷(同法2条5号)、通行禁止道路を進行したりしかつ重大な交通の危険を生じさせる速度で運転し人を死傷させた場合の

 ⑥通行禁止道路運転致死傷(同法2条6号)です。そして、これらにおいて死傷の結果についての故意は不要とされています。



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