Archive for the ‘企業法務’ Category

クレジット業者に対する抗弁の対抗

2019-06-17

 クレジット取引における販売契約とクレジット契約は当事者の異なる別個の契約ですが、購入者は、クレジット業者の支払請求に対し、販売契約についての無効・取消・解除等の事由をもって対抗できるとされています(抗弁の対抗、抗弁の接続 同法30条の4、35条の3の19)。
 この規定の性質については争いがありますが、判例は、上記の抗弁の対抗はこの規定によって創設的に認められたという創設的規定説を採用している(最高裁平成23年10月25日判決、最高裁平成2年2月20日判決)と評価されています。



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医療過誤を判断する基準としての医療水準

2019-06-10

 医療過誤においては医療機関に課される注意義務の程度が問題となるところ、この程度を判断する基準として医療水準という概念が存在します。

 この医療水準に関する裁判例を見ると、最高裁平成7年6月9日判決は、「新規の治療法に関する知見が当該医療機関と類似の特性を備えた医療機関に相当程度普及しており、当該医療機関において右知見を有することを期待することが相当と認められる場合には、特段の事情が存しない限り、右知見は右医療機関にとっての医療水準である」と判示しています。

 なお、この医療水準から要求される注意義務を軽減する特約の効力に関する裁判例として、東京高裁昭和42年7月11日判決は、手術の結果について異議を申し立てないとする誓約書についてその効力を否定しています。



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医師の診療拒否による法的責任

2019-06-03

 契約については契約締結の自由が認められるとされているところ、医師については「診療に従事する医師は、診察治療の要求があった場合には、正当な事由がなければ、これを拒んではならない」とされ、いわゆる応召義務が規定されている(医師法19条1項)ことから、診療拒否の法的責任が問題となります。

 そこで、医師や医療機関の診療拒否についての法的責任が問題になった裁判例を見ると、神戸地裁平成4年6月30日判決が診療拒否について不法行為上の過失が推定されることと医療機関の不法行為に基づく責任が肯定される場合があることを判示しています。



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連鎖販売取引に対する特定商取引法による規制

2019-05-27

 物品の販売・役務の提供を業とするものが相手方(加入者)に対し、再販売・受託販売・あっせんをする者を増やすことにより利益を得ることができるとして誘引する連鎖販売取引について、特定商取引法は以下のような規制をしています。



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金融商品取引における消費者保護と金融商品販売法

2019-05-20

 証券取引、保険取引、デリバティブ取引など金融商品取引にはさまざまのものがあるところ、預貯金、保険、証券などの金融商品の販売を規制する法として金融商品の販売等に関する法律(金融商品販売法)が存在し、以下のような規制を行っています。


① 元本欠損・元本を上回る損失発生のおそれがあるときはその旨とその要因、取引の仕組み、権利行使期間等の制限があるときはその旨の説明の義務付けと損害賠償責任(同法3条、5条)


② 断定的判断の提供、確実であると誤認させるおそれのあることの告知の禁止と損害賠償責任(同法4条、5条)。


③ 勧誘方針の策定公表の義務付け(同法8条から10条)。



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エステテイックサロン、英会話教室などによる継続的な役務の提供に対する規制

2019-05-13

英会話教室、学習塾などによる教育サービスやエステテイックサロンによる美容サービスなど指定された取引について特定商取引法は以下のような規制をしています。

この書面には中途解約権、関連商品を販売するときは役務と商品の記載が必要となります。

中途解約をしたときの損害賠償額の上限が決まっています。

金融商品取引業者を規制する金融商品取引法

2019-05-07

 金融商品取引法は、金融商品取引業者の行為ルールと監督を定める法です。証券取引法を改正したもので、以下の事項を規定しています。

 金融商品取引業者は、「金融商品取引について、顧客の知識、経験、財産の状況及び金融商品取引契約を締結する目的に照らして不当と認められる勧誘を行って投資者の保護に欠けることとなっており、又は欠けるおそれがあること」のないよう求められています。

目論見書、契約締結前の書面の交付の義務付けに関連するものです。



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業務提供誘引販売取引に対する特定商取引法による規制

2019-04-22

 業務提供誘引販売取引とは、物品の販売、役務の提供またはこれらのあっせんを業とする業者が業務を提供するので収入になると誘引して業務の提供を受けるために商品の代金などを負担させる取引(特定商取引法51条)で、同法は、この業務提供誘引販売取引について以下のような規制をしています。

この書面には販売する商品・役務の内容、業務の提供条件、特定負担の内容等を記載する必要があります。

なお、代金の支払方法として個別クレジット契約を利用した場合には、クレジット会社に対し、業務の提供に関する債務不履行により支払拒絶の抗弁を主張することができます(割賦販売法35条の3の19)。



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終身借家権(終身建物賃貸借)

2019-04-15

 建物の賃貸借に関し、借家人が生きている限り存続し、死亡したときに終了する終身借家権(終身建物賃貸借制度)という制度が認められています(高齢者の居住の安定確保に関する法律)。そして、この借家契約においては、

① 書面によって行われること(同法54条2号、57条)

② 都道府県知事の認可事業であること(同法52条以下)

③ 建物の規模及び設備等が国土交通省例で定める基準に適合すること

④ 借家人は60歳以上の者であること

 などが要件とされ、不確定期限(同法52条、54条2号)で、相続権が排除(同法52条)されます。

 なお、上記の制度の他に、期間が定められた契約で賃借人が死亡した場合には期間が満了する前でも契約が終了する期間付き死亡時終了建物賃貸借制度があります。



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定期借家契約を終了させる通知

2019-04-08

 契約の更新がなく期間の満了により終了する契約期間が1年以上の定期借家契約においては、期間満了の1年前から6か月までの間に、家主は、借家人に対し、期間の満了により賃貸借が終了する旨の通知をしなければならず、この通知を怠ると家主は、借家人に対し、終了をもって対抗することができません(借地借家法38条4項)。

 ただ、この終了の通知を怠った場合でも、改めてその通知をした日から6か月が経過することにより定期借家契約は終了する(同法38条4項但書)とされており、東京地裁平成21年3月19日判決は、「借地借家法38条所定の定期建物賃貸借契約においては、契約の更新がないことを有効に定めることが可能であるから、契約は期間満了によって終了する。すなわち、賃貸人が借地借家法26条1項所定の更新しない旨の通知をしなくても、同項に基づいて従前の契約と同一の条件で更新したものとみなされることはない。

 また、期間満了後に賃借人が建物の使用を継続し、賃貸人が遅滞なく異議を述べなかったとしても、同条2項に基づいて従前の契約と同一の条件で更新したものとみなされることはないし、更新しない旨の明示かつ有効な合意が存在することから、民法619条1項に基づいて従前の賃貸借と同一の条件で更に賃貸借をしたものと推定(法律上の事実推定)されることもない(あるいは当然に推定が覆される)ものと解される。」  「他方、期間の満了によって直ちに賃借人が建物を明け渡さなければならないとすると、賃借人が期間を失念していたような場合には、代替する借家を見つけていないこともあり得るので、賃借人にとって酷な事態になりかねない。

 そこで、借地借家法38条4項は、契約期間が1年以上である場合には、期間満了の1年前から6か月前までの間に、契約が終了する旨の通知を賃貸人に義務づけ、賃借人に契約終了に関する注意を喚起し、代替物件を探すためなどに必要な期間を確保することとした。

 そして、通知期間内に通知を怠った 場合には、これにより賃借人が不測の損害を被ることにもなりかねないので、賃借人を保護する観点から、賃貸人が通知期間後の通知をしてから6か月間賃貸借の終了を対抗することができないものとした。

 ただし、これは一種の制裁として賃借人による建物の占有が適法化されるものであるから、賃借人の側から契約終了を認めて契約関係から離脱することは自由にできるものと解される。」  「借地借家法38条所定の定期建物賃貸借契約のうち契約期間が1年以上のものについて、賃貸人が期間満了に至るまで同条4項所定の終了通知を行わなかった場合、賃借人がいかなる法的立場に置かれるかについては争いがあるところ、上記…で述べた定期建物賃貸借契約や終了通知の法的性格ないし法的位置づけ等に照らすと、定期建物賃貸借契約は期間満了によって確定的に終了し、賃借人は本来の占有権原を失うのであり、このことは、契約終了通知が義務づけられていない契約期間1年未満のものと、これが義務づけられた契約期間1年以上のものとで異なるものではないし、後者について終了通知がされたか否かによって異なるものでもない、 ただし、契約期間1年以上のものについては、賃借人に終了通知がされてから6か月後までは、 賃貸人は賃借人に対して定期建物賃貸借契約の終了を対抗することができないため、賃借人は明渡しを猶予されるのであり、このことは、契約終了通知が期間満了前にされた場合と期間満了後にされた場合とで異なるものではない」と判示しています。



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