親権者とその子との利益相反行為

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2021-05-10

 成年に達しない子は、父母の親権に服する(民法818条1項)とされていますが、親権を行う父又は母とその子との利益が相反する行為について、親権を行う者は、その子のために特別代理人を選任することを家庭裁判所に請求しなければならない(同法826条1項)とされています。

 この利益相反行為について、大審院大正10年8月10日判決は、単に親権者と未成年の子とが当事者となりその間になす法律行為のみに限らず、親権者のために利益にして未成年者のために不利益な法律行為を包括指称するとしています。

 そして、この利益相反行為への該当性に関し、最高裁昭和37年10月2日判決は、親権者が子の名において金員を借り受け子の不動産に抵当権を設定することは、仮に借受金を親権者自身の用途に充当する意図であっても利益相反行為とはいえないが、親権者自身が金員を借り受けるに当たり子の不動産に抵当権を設定することは、仮に借受金を子の養育費に充当する意図であったとしても利益相反行為に当たるとし、最高裁昭和42年4月18日判決は、親権者が子を代理してした行為自体を外形的・客観的に考察して判定すべきであって、親権者の動機・意図をもって判定すべきでないとしています。

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