休憩時間の自由利用と企業秩序の維持
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休憩時間の利用の仕方については,労働者の自由とされています(労働基準法34条3項,ただし,この例外として労働基準規則33条)。
もっとも,企業秩序との関係は問題となりえます。この休憩時間の利用と企業秩序の関係が問題となった裁判例を見ると,最高裁昭和52年12月13日判決が,「休憩時間の自由利用といってもそれは時間を自由に利用することが認められたものにすぎず,その時間の自由な利用が企業施設内において行われる場合には,使用者の企業施設に対する管理権の合理的な行使として是認される範囲内の適法な規制による制約を免れることはできない。また,従業員は労働契約上企業秩序を維持するための規律に従うべき義務があり,休憩中は労務提供とそれに直接附随する職場規律に基づく制約は受けないが,右以外の企業秩序維持の要請に基づく規律による制約は免れない。しかも,公社就業規則五条六項の規定は休憩時間中における行為についても適用されるものと解されるが,局所内において演説,集会,貼紙,掲示, ビラ配布等を行うことは,休憩時間中であつても,局所内の施設の管理を妨げるおそれがあり,更に,他の職員の休憩時間の自由利用を妨げ,ひいてはその後の作業能率を低下させるおそれがあつて,その内容いかんによつては企業の運営に支障をきたし企業秩序を乱すおそれがあるのであるから,これを局所管理者の許可にかからせることは,前記のような観点に照らし,合理的な制約ということができる。本件ビラの配布は,その態様において直接施設の管理に支障を及ぼすものでなかつたとしても,前記のように,その目的及びビラの内容において上司の適法な命令に対し抗議をするものであり,また,違法な行為をあおり,そそのかすようなものであつた以上,休憩時間中であつても,企業の運営に支障を及ぼし企業秩序を乱すおそれがあり,許可を得ないでその配布をすることは公社就業規則五条六項に反し許されるべきものではない」としています。
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