共同相続人による相続財産の使用と管理

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2025-06-23

 不動産の所有者が死亡するとその不動産について相続が開始することになりますが,その不動産は共同相続人の共有となるためその使用と管理が問題となることがあります。

 相続不動産を占有する相続人に対し他の相続人が賃料の支払やその明渡を求めることができるかが問題となった最高裁平成8年12月17日判決は,「共同相続人の一人が相続開始前から被相続人の許諾を得て遺産である建物にお いて被相続人と同居してきたときは,特段の事情のない限り,被相続人と右同居の相続人との間において,被相続人が死亡し相続が開始した後も,遺産分割により右建物の所有関係が最終的に確定するまでの間は,引き続き右同居の相続人にこれを無償で使用させる旨の合意があったものと推認されるのであって,被相続人が死亡した場合は,この時から少なくとも遺産分割終了までの間は,被相続人の地位を承継した他の相続人等が貸主となり,右同居の相続人を借主とする右建物の使用貸借契約関係が存続することになるものというべきである。けだし,建物が右同居の相続人の居住の場であり,同人の居住が被相続人の許諾に基づくものであったことからすると,遺産分割までは同居の相続人に建物全部の使用権原を与えて相続開始前と同一の態様における無償による使用を認めることが,被相続人及び同居の相続人の通常の意思に合致するといえるからである」と判示して,このような場合には相続財産である建物の相続開始後の使用について被相続人と相続人との間に使用貸借契約の成立が推認されるとしています。


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