担保不動産の競売手続における買受人による所有権の取得

記事カテゴリー:お知らせ, ブログ, 不動産

2026-01-05

 担保不動産の競売手続において,買受人は,代金を納付した時に不動産を取得する(民事執行法79条,188条)とされ,同法184条は代金納付による買受人の不動産の取得は担保権の不存在又は消滅により妨げられないとしているところ,この同法184条の適用が問題となることがあります。

 この規定の適用について,所有者が競売手続上当事者として扱われたことの要否が問題となった最高裁平成5年12月17日判決は,「担保権に基づく不動産の競売は担保権の実現の手続であるから,その基本となる担保権がもともと存在せず,又は事後的に消滅していた場合には,売却による所有権移転の効果は生ぜず,所有者が目的不動産の所有権を失うことはないとするのが,実体法の見地からみた場合の論理的帰結である。しかし,それでは,不動産競売における買受人の地位が不安定となり,公の競売手続に対する信用を損なう結果ともなるので,民事執行法一八四条は,この難点を克服するため,手続上,所有者が同法一八一条ないし一八三条によって当該不動産競売手練に関与し,自己の権利を主張する機会が保障されているにもかかわらず,その権利行使をしなかった場合には,実体上の担保権の不存在又は消滅によって買受人の不動産の取得が妨げられることはないとして,問題の立法的解決を図ったものにほかならない。したがって, 実体法の見地からは本来認めることのできない当該不動産所有者の所有権の喪失を肯定するには,その者が当該不動産競売手続上当事者として扱われ,同法一八一条ないし一八三条の手続にのっとって自己の権利を確保する機会を与えられていたことが不可欠の前提をなすものといわなければならない。これを要するに,民事執行法一八四条を適用するためには,競売不動産の所有者が不動産競売手続上当事者として扱われたことを要し,所有者がたまたま不動産競売手続が開始されたことを知り,その停止申立て等の措置を講ずることができたというだけでは足りないものと解すべきである」として当事者として扱われたことを必要と判示しています。

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