Archive for the ‘ブログ’ Category

社内メールの私的利用とその閲覧・監視

2018-05-07

 企業内における情報伝達の手段として社内メールが利用されているところ、従業員の了承を得ることなく使用者がこのメールを閲覧・監視することが従業員のプライバシー権の侵害にならないかが問題となります。
この問題に関する裁判例を見ると、東京地裁平成13年12月3日判決は、「監視の目的、手段及びその態様等を総合考慮し、監視される側に生じた不利益とを比較衡量の上、社会通念上相当な範囲を逸脱した監視がなされた場合に限り、プライバシー権の侵害になる」としてプライバシー権の侵害となる場合について述べていますが、誹謗中傷メールの調査においてサーバーに保存されていた電子メールを本人の了承を得ることなく調査したという事案について、東京地裁平成14年2月26日判決は、「ファイルの内容を含めて調査の必要が存する以上、その調査が社会的に許容しうる限界を超えて原告の精神的自由を侵害した違法な行為であるとはいえない」としてプライバシー権の侵害を否定しています。

【お問い合わせ先】
〒108-0072東京都港区白金一丁目17番2号  白金アエルシティ 白金タワー テラス棟4階
ひらま総合法律事務所 弁護士 平間民郎(Tel:03-5447-2011)

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「みなとタバコルール」マナーを守って快適なまちを実現しましょう

2018-05-01

 港区環境美化の推進及び喫煙による迷惑の防止に関する条例で定める「みなとタバコルール」を理解し快適なまちを実現しましょう。
みなとタバコルールとは、港区公式ホームページ「たばこ対策」(外部リンク)をご覧ください。

2017年11月17日、東京都港区の「みなとタバコルール宣言」にひらま総合法律事務所は登録を行い、『みなとタバコルール』の趣旨を理解し、賛同し、ルールを守るため、行動することを宣言しました。

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2018 クールビス(Cool Biz)の実施について

2018-05-01

 2018年度、冬の地球温暖化対策の一つとして環境省が推進する、“冷房時の室温 28℃でも快適に過ごすことのできるライフスタイル”「Cool Biz」「クールビズ」の取組みに、ひらま総合法律事務所は参加しています。

オフィススペースを涼しく快適に過ごすための工夫を行い、室温設定の適正な管理と、各自の判断による軽装活動を図って低酸素社会作りに貢献します。

オフィスや自宅において冷房時の室温28℃で快適に過ごすライフスタイル「クールビズ」を実践しています。ご理解をいただきますようお願いします。

期間は、2018年5月1日から9月30日までです。

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年次有給休暇の取得を理由とする不利益取扱い

2018-05-01

 労基法附則136条は、「使用者は、・・・有給休暇を取得した労働者に対して、賃金の減額その他不利益な取扱いをしないようにしなければならない」と規定しているところ、何が「不利益な取扱い」として許されないのか、また、そのような行為が労基法39条1項違反や民法1条2項の公序に反するものとして無効となるのかが問題となります。

そこで、この問題に関する裁判例を見ると、賞与の計算において年休の取得日を欠勤日として扱うことについて、最高裁平成4年2月18日判決は、許されないとしていますが、翌月における勤務予定表の作成後に請求した年休をタクシー運転手の精皆勤手当の算定で欠勤扱いすることについて、最高裁平成5年6月25日判決は、その措置の「趣旨、目的、労働者が失う経済的利益の程度、年次有給休暇の取得に対する事実上の抑止力」等の事情を総合考慮して、この権利の行使を抑制しこの権利を保障した趣旨を実質的に失わせるものでない限り、公序に反するとはいえないとしています。

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借家の明渡しと立退料の支払い

2018-04-23

 建物を賃貸している家主が借家契約を解約あるいはその更新を拒絶して借家人に対して家屋からの立退きを請求する場合に家主から借家人に対し立退料(移転料・明渡料)として金銭が支払われることがあります。

立退料は、
①移転費用の補償

②失う利益の補償

③消滅する利用権の補償を内容とするというのが一般的であり、

①としては梱包、運送、移転通知費用等の引越費用、敷金、不動産業者に対し支払う仲介料等の移転先取得のための費用、増加した賃料の差額の補償、

②としては移転先で同一の営業を開始するための費用、休業期間中の損失や減収分の補償、

③としては消滅する借家権の補償などが問題となります。

 なお、裁判例においても立退料は認められており、相当額の立退料を支払うことと引換えに家主からの明渡請求を認めています(最高裁昭和38年3月1日判決、最高裁昭和46年11月25日判決等)。

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不貞の相手方に対する他方の配偶者からの損害賠償請求

2018-04-16

 夫婦の一方が不貞行為を行った場合、他方の配偶者に対する貞操義務違反となりますが、さらに、不貞の相手方に対する損害賠償請求が問題になります。
 この点、裁判例を見ると、明治民法の頃から、他方の配偶者による不貞の相手方に対する損害賠償請求を認めています。最高裁昭和34年11月26日判決は、夫のいることを知りながら妻と肉体関係を結んだ相手方に対する損害賠償請求を認め、また、最高裁昭和54年3月30日判決は、「夫婦の一方の配偶者と肉体関係を持った第三者は、故意又は過失がある限り、右配偶者を誘惑するなどして肉体関係を持つに至らせたかどうか、両名の関係が自然の愛情によって生じたかどうかにかかわらず」夫又は妻としての権利を侵害するとし、他方の配偶者の苦痛を慰藉すべき義務があるとしています。

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共有者の一部による共有物の排他的使用

2018-04-09

 共有者は、共有物につきそれぞれ持分を有することになりますが、共有者の一部がその持分の割合を超えた使用をしている場合に他の共有者が共有物の明渡を請求できるのかという問題があります。

共同相続により共有となった建物を共同相続人のうちのひとりが単独で占有している場合に他の共同相続人がその建物の明渡を請求した事案につき、最高裁昭和41年5月19日判決は、少数持分権者は、「他の共有者の協議を経ないで当然に共有物(本件建物)を単独で占有する権限を有するものではない」が、多数持分権者は、「共有物を現に占有する前記少数持分権者に対し、当然にその明渡を請求することができるものではない」として明渡請求を否定していますが、長年にわたり平穏に占有していた者が実力で排除するに等しい方法で占有を取得した者に対しその建物の明渡を請求した事案につき、仙台高裁平成4年1月27日判決は、「建物の共有持分権があっても右は権利濫用と評価されてもやむを得ないものであって、このような事情が存在する場合においては多数持分権者・・・の少数持分権者・・・に対する同建物の明渡請求は許されると解するのが相当である」と判示して明渡請求を肯定しています。

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離婚原因としての浮気・不倫などの不貞行為

2018-04-02

 夫婦の間で協議が調わず、また、家庭裁判所の調停によっても離婚の合意に至らなかった場合、民法770条1項が規定する離婚原因を主張して裁判所に対して離婚を請求することが考えられるところ、同条1項1号は、不貞行為を離婚原因としています。
 そこで、不貞行為に関する裁判例を見ると、夫が知人と共謀して女性を強姦した場合について、最高裁昭和48年11月15日判決は、相手方の女性に自由な意思はないがこのような夫の行為も不貞行為になるとしています。
 また、妻が売春をした場合について、最高裁昭和38年6月4日判決は、売春をした妻の行為は不貞行為にあたるが、夫からの離婚請求が認められるためには、離婚請求を肯定するに足りる特段の事情の存在が必要であるとしています。
 なお、相手方に不貞行為が存在する場合でも、裁判所の裁量によって離婚請求を棄却することができ(同条2項)、離婚請求を棄却した裁判例(東京地裁昭和25年12月6日判決)もあります。

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共有物の分割と価格賠償

2018-03-26

 民法258条は共有物の分割について規定していますが、この共有物の分割に関し価格賠償の可否が問題となります。
 1 まず、部分的価格賠償の可否について、最高裁昭和62年4月22日判決は、傍論ではありますが、現物を持分の価格に応じて正確に分割できない場合に、現物を分割しながら持分の割合に対応しない点については持分の割合を超えた現物を得た者が補償金を支払うという方法を認めています。
 2 次に、全面的価格賠償の可否について、最高裁平成8年10月31日判決は、「裁判所による共有物の分割は、民事訴訟上の訴えの手続により審理判断するものとされているが、その本質は非訟事件であって、法は、裁判所の適切な裁量権の行使により、共有者間の公平を保ちつつ、当該共有物の性質や共有状態の実状に合った妥当な分割が実現されることを期したものと考えられ・・・、すべての場合にその分割方法を現物分割又は競売による分割のみに限定し、他の分割方法を一切否定した趣旨のものとは解されない」として全面的価格賠償を認めています(その他に全面的価格賠償を認めたものとして最高裁平成9年4月25日判決、最高裁平成11年4月22日判決)。

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相続人の共有財産の分割請求

2018-03-19

 遺産相続によって相続人の共有となった財産の分割は民法907条に基づく遺産分割の審判と民法258条に基づく共有物分割訴訟のいずれによるのかという問題があります。
 この点、相続人間で分割が問題になった場合について、最高裁昭和62年9月4日判決は、「遺産相続により相続人の共有となった財産の分割について、共同相続人間に協議が調わないとき、又は協議をすることができないときは、家事審判法の定めるところに従い、家庭裁判所が審判によってこれを定めるべきものであり、通常裁判所が判決手続で判定すべきものではない」と判示しています。
 一方、持分の譲渡を受けた第三者がいる場合について、最高裁昭和50年11月7日判決は、「第三者が右共同所有関係の解消を求める方法として裁判上とるべき手続は、民法907条に基づく遺産分割審判ではなく、民法258条に基づく共有物分割訴訟である」と判示しています。

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