Archive for the ‘ハーグ条約’ Category
児童の虐待に対する法規制
身体的・精神的傷害、わいせつ行為、監護を怠ることを児童虐待として、これらについて法的規制をおこなうものとして児童虐待の防止に関する法律(児童虐待防止法)があります。
同法は、児童虐待を禁止し、このような行為を受けた児童を教職員等が発見した場合に児童相談所に通告することを義務としています。また、平成12年に成立した後、同法について何度か改正が行われ、立入調査権の強化や児童虐待の予防や虐待に対する迅速な対応が図られています。
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ひらま総合法律事務所 弁護士 平間民郎(Tel:03-5447-2011)
刑事免責手続
2016年における法改正において協議・合意手続とともに導入されたものとして刑事免責手続があります。
1 刑事訴追を受ける等のおそれのある事項についての尋問を予定している場合、検察官は、裁判所に対し、刑事免責決定を請求することができます(刑事訴訟法第157条の2)。
なお、免責決定をする理由がないことが明らかな場合には、裁判所は、免責決定をしないことになります。
2 その効果は、
①証人の供述及びこれにもとづいて得られた証拠を証人の不利益な証拠とすることができないこと、
②証人は証言拒絶権を行使できないことです。証人が証言を拒めば過料や証言拒絶罪の対象となります。
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親権者間での子の引渡請求
別居している夫婦の間で子の奪い合いが生じて紛争になることがあります。そして、そのような紛争の中に親権者どうしが争うケースがあります。このような紛争に関する裁判例を見ると、母のもとにいた子を父が連れ去った事案について母からの人身保護請求が問題となった最高裁平成6年4月26日判決は、「拘束者による幼児に対する監護・拘束が権限なしにされていることが顕著である・・・ということができるためには、上記幼児が拘束者の監護の下に置かれるよりも、請求者の監護の下に置かれることが子の幸福に適することが明白であること、いいかえれば、拘束者が幼児を監護することが、請求者による監護に比して子の幸福に反することが明白であることを要する」が本件ではそのような事実は認められないとして引渡請求を否定しています。一方、離婚調停中に合意された面会の機会に父が幼児を連れ去った上、その後の調停に出頭しなかった事案について最高裁平成11年4月26日判決は、「父の上記行為は、調停手続の進行過程で当事者の協議により形成された合意を実力をもって一方的に破棄するものであって、調停手続を無視し、これに対する母の信頼を踏みにじったものであるといわざるを得ない。一方、本件において、母が被拘束者を監護することが著しく不当であることをうかがわせる事情は認められない。・・・被拘束者が、現在、良好な養育環境の下にあることは、上記の判断を左右しない」として引渡請求を認めています。
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有責配偶者からの離婚請求
当事者の婚姻関係が破綻している場合、裁判によって離婚を請求することが考えられるところ、婚姻関係の破綻について責任のある側(有責配偶者)からの離婚請求が認められるのかという問題があります。
この問題に関する裁判例としては、「踏んだり蹴ったり判決」と呼ばれる最高裁昭和27年2月19日判決が破綻について責任のある者からの離婚請求を認めないという考え方(消極的破綻主義)を採用したとされていますが、この判決が出た後、破綻についての責任が双方にある場合に責任の小さい者からの請求を認めるとした最高裁昭和30年11月24日判決や破綻後の異性との関係は有責行為にならないとした最高裁昭和46年5月21日判決を経て、最高裁昭和62年9月2日判決は、「有責配偶者からされた離婚請求であっても、夫婦の別居が両当事者の年齢及び同居期間との対比において相当の長期間に及び、その間に未成熟の子が存在しない場合には、相手方配偶者が離婚により精神的・社会的・経済的に極めて過酷な状態におかれる等離婚請求を許容することが著しく社会正義に反するといえるような特段の事情の認められない限り、当該請求は、有責配偶者からの請求であるとの一事をもって許されないとすることはできない」と判示しています。
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Photographing place – Washington, DC
日本人と外国人の間に生まれた子供の国籍
子供の国籍の決め方については
①親の国籍を基準とする血統主義と
②親の国籍にかかわらずその国で生まれたものに国籍を与える生地(出生地)主義があります。
そして、日本の国籍法は、「子の出生の時に父又は母が日本国民であるときに」その間で生まれた子は日本の国籍を取得する(国籍法2条1号)と規定して、この点につき(父母両系)血統主義を採用しています。そこで、父と母のいずれかが日本人であれば、その間に生まれた子供は、日本の国籍を取得します。なお、日本人と外国人の間に生まれた子供が日本の国籍を取得する場合、外国人である配偶者の所属する国の法律によって二重国籍になることがありえます。
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Photographing place – Washington, DC
再入国の許可・みなし再入国の許可
日本に在留する外国人が再び日本に入国する予定で出国するときにあらかじめ再入国の許可を得るという再入国許可制度があります(出入国管理及び難民認定法26条)。そこで、日本に在留する外国人が再び日本に入国する予定で出国する場合、出国前に地方入国管理局に対し申請書、旅券等を提出して再入国許可を申請します。
また、平成24年7月から、有効な旅券、在留カードを有する中長期在留の外国人が再入国の意図を表明して出国すれば再入国許可を得たものとみなされるみなし再入国許可という制度の運用が開始されました(出入国管理及び難民認定法26条の2)。
ただし、「1年以上の懲役若しくは禁錮又はこれらに相当する刑に処せられたことのある」といった上陸拒否事由に該当する(出入国管理及び難民認定法5条1項4号)場合には、あらかじめ再入国許可を申請して許可を受けることが必要(上陸拒否の特例、出入国管理及び難民認定法5条の2)で、上陸拒否の特例に該当すると判断されるとこの特例に該当する旨の通知書が交付されます。
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当事務所内で咲く花
日本に居住する外国人夫婦の離婚
日本に住んでいる外国人の夫婦が日本で離婚をしようとする場合、日本の裁判所を利用することが出来ますが、この場合に適用される法律(準拠法)が問題となります。
離婚の成立要件について適用される法律は、
① その夫婦の本国法が同じであるときはその本国法(共通本国法)
② 共通本国法は無いがその夫婦の常居所地法が同じであるときはその常居所地法(共通常居所地法)
③ 共通本国法、共通常居所地法のいずれも無いときはその夫婦と最も密接な関係のある地の法律(密接関連地法)となります(法の適用に関する通則法25条、27条)。
また、離婚の方式について適用される法律は、上記の離婚の成立要件について適用される法律か行為地法となります(法の適用に関する通則法34条)。
Divorce between foreign nationals in Japan – Applicable Law of Divorce
If one party is a Japanese residing in Japan, the Japanese civil code applies. How about a couple who are both foreign nationals? Article 27 applied the same provisions as in Article 25, regarding the effectiveness of marriage. According to article 25,
(1) If both party’s home country law is the same, then according that law applies.
(2) If there is no such law, if the couple have a common place of domicile, the law of that country applies.
(3) If neither the above are applicable, then the law of the country the couple has the closest tie to shall apply.
Therefore, if for example, a couple of differing nationalities resides in Japan, even if neither one may be a Japanese national, the Japanese civil code will apply. In cases such as this where the Japanese civil code is applicable, divorce by consent can take place. *Kobori, S. 2008. Living with the Japanese Law A Guide for Foreign Nationals in Japan Q&A107 The 3er edition. Japan: T Sakai.
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子どもの返還や子どもとの面会交流(ハーグ条約)
外国から日本に子どもが連れられてきた場合や外国にいる親が日本にいる子どもと面会交流しようとする場合などにおいてハーグ条約の適用が問題となります。
国会においてハーグ条約の締結が承認されたことに伴って成立した「国際的な子の奪取の民事上の側面に関する条約の実施に関する法律」は、子が16歳に達していないこと、子が日本国内に所在していること等の返還事由と返還申立てが連れ去り又は留置の開始時から1年を経過した後にされ、かつ子が新たな環境に適応していること等の返還拒否事由を定め、また、その実効性の確保などのために出国禁止命令や旅券提出命令、返還命令に基づく強制執行などについて規定しています。
法律の内容は以上のようになっていますが、ハーグ条約が適用されるのはこれからですので、今後、新たな課題が生じてくることが予想されます。
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国境を超えた子の連れ去り等(ハーグ条約)に関する法律
国際結婚の増加に伴い、その破綻に関するトラブルも増加することになりますが、このようなトラブルの中に国境を超えた子の不法な連れ去り・留置という問題があります。
そして、このような問題についての国際的なルールを定めるものとして「国際的な子の奪取の民事上の側面に関する条約」(いわゆるハーグ条約)が存在しますが、2013年5月に国会でこの条約を締約することが承認され、同年6月に「国際的な子の奪取の民事上の側面に関する条約の実施に関する法律」が成立しました。
ハーグ条約は、子を迅速に返還するための手続きや親子の面会交流の機会を確保するための手続きについて定めていて、所定の要件をみたす場合にその適用を受けることになります。なお、返還命令申立事件の第1審を管轄するのは子の住所地が東日本であれば東京家庭裁判所、西日本であれば大阪家庭裁判所とされています。
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国境を越えた子の連れ去り事案に関する相談について
日本国外から子を連れて日本に戻りたいが日本に戻るとどうなるのか、子の日本国からの渡航許可はどうなるのかといった国際結婚に伴って生じる子の問題や、日本政府がその締結に向けて準備を進めている国際的な子の奪取の民事上の側面に関する条約(ハーグ条約)にかかわる子の連れ去り事案についてのご相談を承っております。
ご自身が子の親で上記の問題の当事者となる方及びその他の親族,当事者の知人・友人からのご相談を受け付けております。お気軽にお問合せください(2回目からの連絡については、スカイプでも対応できます。)。
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