Archive for the ‘インターネット’ Category
出会い系サイトに関するトラブル
インターネットに関するトラブルの中にいわゆる出会い系サイトについてのトラブルがありますが、この出会い系サイトを規制するものとしてインターネット異性紹介事業を利用して児童を誘引する行為の規制等に関する法律(出会い系サイト規制法)があります。
この法律の内容をみると、
① 事業者に対する規制として、児童利用禁止の明示(同法10条)、児童でないことの確認(同法11条)、都道府県公安委員会の是正命令(同法13条、14条)、
② 利用者に対する規制として、性交等の相手方となるように誘引する行為の禁止(同法6条)
などが定められています。
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ひらま総合法律事務所 弁護士 平間民郎(Tel:03-5447-2011)
投資信託の購入による被害
投資信託は、投資者から集めた資金を運用の専門家が株式や債券などに投資して運用する金融商品です。
投資信託は、さまざまな資産に対して投資できる、運用が専門家によって行われるといったメリットがあるものですが、内容の理解が難しいものがある、元本が保証されていないといったことなどからその購入により損失を被ったとしてトラブルが生じることがあります。
そこで、投資信託の購入による損失が問題となった裁判例を見ると、大阪地裁平成18年4月26日判決が、証券取引経験のない高齢の主婦に乗り換え売買等を行わせた事案について説明義務違反や無意味な売買などにあたるとして賠償責任を認めています。また、東京地裁平成23年2月28日判決が、高齢者に対しリスクの大きいノックイン型投資信託の購入を勧誘した事案について説明義務違反にあたるとして賠償責任を認めています。
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FX取引に関するトラブル
FX取引(外国為替証拠金取引)は、証拠金を業者に預託し、レバレッジをかけて為替変動による差金決済で外国の通貨を売買する取引です。
レバレッジにより資金の何倍もの金額で売買ができることから大きな収益を得る可能性がある一方で、大きな損失を招く可能性がありトラブルが生じることがあります。
そこで、FX取引が問題となった裁判例を見ると、東京地裁平成20年7月16日判決が、ロスカットルールが発動しなかったことにより損失が拡大した事案につき業者の責任を認めています。また、東京地裁平成20年10月16日判決が、顧客誘引の委託先が虚偽の情報を提供した事案につき業者の責任を認めています。
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インターネット上の名誉毀損と真実性の証明・故意
人の名誉を毀損した場合、名誉毀損罪(刑法230条1項)の成立が考えられますが、公益を図る目的で公共の利害に関する事実を適示した場合には適示した事実が真実であるとの証明があればこれを処罰しないとされています(同法230条の2)。そして、近時、インターネットを介した名誉毀損が問題となるケースが増加しているところ、インターネット上の表現であることがこの真実性の証明や故意の成否に影響するかどうかという問題があります。
この問題に関する裁判例を見ると、最高裁平成22年3月15日決定が、このような場合でも真実性は合理的な疑いを入れない程度に証明されることが必要で、また、確実な資料・根拠がなければ故意は否定されないとしています。
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協議・合意手続
2016年における法改正により一定の財政経済犯罪と薬物銃器犯罪を対象(刑訴法350条の2第2項)として協議・合意手続が導入されました。
1 合意手続 合意の内容となる被疑者・被告人の行為は、他人の刑事事件について、取調べ・証人尋問の際に真実の供述をすること、証拠の提出その他必要な協力をすること、検察官の処分は、被疑者・被告人の事件ついて公訴を提起しないこと・取り消すこと、特定の訴因・罰条により公訴を提起・維持すること、特定の訴因・罰条の追加・撤回・変更を請求すること、論告で特定の刑を科すべき旨の意見を陳述することとされています。
2 協議手続 検察官は、協議において、被疑者・被告人に対し、他人の刑事事件について供述を求めることができる(聴取手続)とされています。
3 合意が成立した場合には合意内容書面が作成されます。そして、合意をした被疑者の事件について公訴を提起したとき、検察官は、公判において遅滞なく合意内容書面の取調べを請求しなければならない、また、合意に基づく被疑者・被告人の供述が証拠として用いられる他人の刑事事件の公判においても、合意内容書面の取り調べを請求しなければならないとされています。
なお、合意の当事者が合意に違反した場合、合意の相手方は合意から離脱することができる、検察官が合意に基づいた求刑をしたものの裁判所がこれより重い刑を言い渡した場合等、被疑者・被告人の供述内容が真実でないことが明らかになった場合等に検察官は合意から離脱することができるとされています。
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刑事免責手続
2016年における法改正において協議・合意手続とともに導入されたものとして刑事免責手続があります。
1 刑事訴追を受ける等のおそれのある事項についての尋問を予定している場合、検察官は、裁判所に対し、刑事免責決定を請求することができます(刑事訴訟法第157条の2)。
なお、免責決定をする理由がないことが明らかな場合には、裁判所は、免責決定をしないことになります。
2 その効果は、
①証人の供述及びこれにもとづいて得られた証拠を証人の不利益な証拠とすることができないこと、
②証人は証言拒絶権を行使できないことです。証人が証言を拒めば過料や証言拒絶罪の対象となります。
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有名人による悪質商法の宣伝・広告
詐欺業者等がタレントなどの有名人を使用して宣伝・広告を行った場合、その有名人が悪質商法の推奨者として責任を負うかどうかという問題があります。
そこで、悪質商法の宣伝・広告にかかわった有名人の責任が問題となった裁判例をみると、土地取引業者の宣伝パンフレットに推奨文を乗せたことが問題となった事案に関する大阪地裁昭和62年3月30日判決が、「被告会社あるいはその取り扱う商品の推薦を行う場合には、その推薦内容を裏付けるに足りる調査を行うべき義務がある」として不法行為の幇助責任を認めています。
これに対し、抵当証券業者のテレビCMに出演したことが問題となった事案に関する東京地裁平成6年7月25日判決は、「テレビ放映することを前提とした広告に出演する者は、当該広告の視聴者が当該出演者の知名度、経験等を信用しその推奨する業者、商品であるということをひとつの動機として取引した場合に損害を被る危険があることを予見し得る場合には、当該広告に出演することを回避すべき義務を負う」としつつ、本件については自ら調査して予見すべき義務はないとして不法行為責任を否定しています。
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悪質商法と宣伝、広告媒体の責任
悪質商法による被害に新聞、雑誌、テレビなどによる宣伝、広告が影響している場合、悪質業者による宣伝・広告を掲載・放映した媒体の責任が問題となります。
そこで、悪質業者による宣伝・広告を掲載・放映した媒体の責任が問題となった裁判例をみると、不動産業者から金員を詐取された事案に関する東京地裁昭和60年6月27日判決が、被告会社が推薦する業者、物件であるということで取引に入る顧客の信用を裏切らないようにするべき注意義務があるとしています。
また、販売業者が倒産してマンションの引渡しを受けられなかった事案に関する最高裁平成元年1月9月19日判決が、新聞社について、広告内容の真実性に対する疑念を抱かせる特別事情があり、それによって読者が損害を蒙るおそれがあることの予見可能性がある場合のような具体的な事情の下では、真実性の調査・確認義務が認められるとしています。
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クレジット業者に対する抗弁の対抗
クレジット取引における販売契約とクレジット契約は当事者の異なる別個の契約ですが、購入者は、クレジット業者の支払請求に対し、販売契約についての無効・取消・解除等の事由をもって対抗できるとされています(抗弁の対抗、抗弁の接続 同法30条の4、35条の3の19)。
この規定の性質については争いがありますが、判例は、上記の抗弁の対抗はこの規定によって創設的に認められたという創設的規定説を採用している(最高裁平成23年10月25日判決、最高裁平成2年2月20日判決)と評価されています。
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連鎖販売取引に対する特定商取引法による規制
物品の販売・役務の提供を業とするものが相手方(加入者)に対し、再販売・受託販売・あっせんをする者を増やすことにより利益を得ることができるとして誘引する連鎖販売取引について、特定商取引法は以下のような規制をしています。
- 広告への特定負担の内容等の記載(同法35条)の要求、誇大広告の禁止(同法35条)
- 契約の締結前における「概要書面」、契約を締結したときの「契約書面」の交付の義務付け(同法37条)
- 法定の契約書面の交付日から20日間のクーリングオフ(同法40条)
- 不実の告知・故意の事実の不告知・威迫困惑行為、断定的判断の提供の禁止(同法34条、38条)
- 中途解約権と損害賠償額の上限(同法40条の2)
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