Archive for the ‘個人法務’ Category
2017年3月31日 公布された法令に関するお知らせ
〇地方税法及び航空機燃料譲与税法の一部を改正する法律(平成29年法律 第2号)
〇地方交付税法等の一部を改正する法律(平成29年法律 第3号)
〇所得税法等の一部を改正する等の法律(平成29年 第4号)
〇義務教育諸学校等の体制の充実及び運営の改善を図るための公立義務教育諸学校の学級編制及び教職員定数の標準に関する法律等の一部を改正する法律(平成29年法律 第5号)
〇駐留軍等の再編の円滑な実施に関する特別措置法の一部を改正する法律(平成29年法律 第6号)
〇在外公館の名称及び位置並びに在外公館に勤務する外務公務員の給与に関する法律の一部を改正する法律(平成29年法律 第7号)
〇独立行政法人日本スポーツ振興センター法の一部を改正する法律(平成29年法律 第8号)
〇独立行政法人日本学生支援機構法の一部を改正する法律(平成29年法律 第9号)
〇特殊土壌地帯災害防除及び振興臨時措置法の一部を改正する法律(平成29年法律 第10号)
〇過疎地域自立促進特別措置法の一部を改正する法律(平成29年法律 第11号)
〇津波対策の推進に関する法律の一部を改正する法律(平成29年法律 第12号)
〇関税定率法等の一部を改正する法律(平成29年法律 第13号)
〇雇用保険法等の一部を改正する法律(平成29年法律 第14号)
過去に公布された法令に関するお知らせ 取扱分野>>立法の動向>>会社法等
【お問い合わせ先】
〒108-0072東京都港区白金一丁目17番2号 白金アエルシティ 白金タワー テラス棟4階
ひらま総合法律事務所 弁護士 平間民郎(Tel:03-5447-2011)
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当事務所内で咲く花
遺言書の検認と執行
遺言書を保管している人や遺言書を発見した相続人は、相続の開始を知った後、遅滞なく家庭裁判所に遺言書を提出してその検認を請求しなければならない(民法1004条)とされています。
検認は、遺言書の現状を確定してその偽造、変造を防止し、その保存を確実にすることを目的としており、公正証書方式以外の方式によって作成された遺言書はすべて検認が必要となります。そして、遺言書の検認を請求する義務を負う相続人が遺言書を隠匿すると相続欠格となり(民法891条5号)、受遺者が遺言書を隠匿すると受遺欠格となります(民法965条、891条5号)。
ただ、遺言書の検認を経ないからといって遺言の効力が左右されるものではないとされており(大審院昭和3年2月2日判決)、検認を経ないで行われた遺言の執行も有効ですが、登記実務では、検認未了の自筆遺言書を相続証明書として添付した相続登記申請書は却下される(平成7年10月18日、法務省民事局第三課長通知)ようです。
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祭祀の主宰者の指定
相続人は、被相続人に属した一切の権利義務を相続によって承継します(民法896条)が、系譜、祭具、墳墓などの祭祀財産は相続の対象からはずされて祭祀の主宰者が承継することになっています(民法897条)。
祭祀の主宰者は、
- ①被相続人による指定
②指定がないときはその地方の慣習
③指定がなく慣習も明らかではないときは家庭裁判所による指定
によって決まります。
そして、被相続人による指定の方法は生前行為でも遺言でもよく、また、書面。口頭のいかんを問わず、指定の意思が外部から推認されればよいとされているようです。
そこで、祭祀の主宰者の指定が問題となった裁判例を見ると、被相続人が生前にその全財産を贈与して家業を継がせた者を祭祀の主宰者と認定した名古屋高裁昭和59年4月19日判決や被相続人はその所有する墓碑に建立者として祭祀を承継させる者の氏名を刻んでその意思を明らかにしているとして墓碑に氏名を刻まれた者を祭祀の承継者とした長崎家裁諫早出張所昭和62年8月31日審判などがあります。
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株式の価格の評価方法
株式会社においては、株式の内容を変える定款変更に反対する株主に会社に対して株式の買取請求をすることが認められており(会社法116条)、また、譲渡制限のある株式の譲渡の承認を得られなかった株主に会社や指定買取人に株式の買取請求をすることが認められています(会社法140条)が、このような場合にはその売買価格の評価方法が問題となります。
この評価方法としては、
- 市場の価値を基準にする市場評価法
- 会社の資産を基準にする資産価値法
- 会社が生み出す価値を基準にする資本還元法
- 他の会社を基準にする比準法
などがありますが、裁判所はこれらの方法を併用しているようで、福岡高裁平成21年5月15日判決は、「各評価方法を概観しただけでも、それぞれ一長一短があることが明らかで、結局は、対象会社の特性に応じた株価算定をするしかないのであるが、ひとつの評価方法だけを選択して算出した場合、上記で指摘された短所が増幅される危険があるので、対象会社に適合すると思われる複数の算定方式を適切な割合で併用することが相当である」と判示しています。
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当事務所内で咲く花
2016年12月26日 公布された法令に関するお知らせ
- 公的年金制度の持続可能性の向上を図るための国民年金法等の一部を改正する法律(平成28年法律 第114号)
- 特定複合観光施設区域の整備の推進に関する法律(平成28年法律 第115号)
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撮影場所 – リバティ・ベル・センター (ペンシルバニア州フィラデルフィア)
株主総会決議の不存在の確認と決議無効の確認
株式会社の株主総会では会社の組織、運営などについて決議をしますが、議事録に総会が開催され決議が行われたと記載されていても実際には招集手続が一切なかったような場合、総会決議は不存在となります。
そして、会社法は、株主総会の決議について、決議が存在しないことの確認を訴えによって請求できる(会社法830条1項)とし、最高裁平成2年4月17日判決は、取締役を選任する旨の株主総会決議が存在するとはいえない場合には、当該取締役によって構成される取締役会は正当な取締役会とはいえず、その取締役会で選任された代表取締役も正当に選任されたものではなく株主総会の招集権限を有しないので、この代表取締役が招集した株主総会において取締役を選任する旨の決議がなされたとしても、特段の事情がない限り、法律上存在しないものとしています。
また、株主総会の決議の内容が法令に違反することを理由として決議が無効であることの確認を訴えによって請求できます(会社法830条2項)。
そして、この確認の利益に関して、東京地裁平成26年11月20日判決は、当該決議の法的効力に関して疑義があり、これが前提となって当該決議から派生した法律上の紛争が現に存在する場合において、当該決議の法的効力を確定することが上記紛争を解決し当事者の法律上の地位ないし利益が害される危険を除去するために必要かつ適切であるときは確認の利益があるとしています。
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撮影場所 – リバティ・ベル・センター (ペンシルバニア州フィラデルフィア)
少額の紛争を簡易迅速に解決するための少額訴訟手続の特徴
訴額が60万円以下の金銭の支払請求事件については少額訴訟による審理と裁判を求めることが出来ます(民訴法368条1項)。
少額訴訟は、比較的少額の紛争を簡易迅速に解決するための制度です。
少額訴訟においては、原則として最初の期日の前かその期日にすべての攻撃・防御の方法を提出しなければならず(民訴法370条2項)、原則として1回の期日で審理を終了し(民訴法370条1項)、即日判決の言渡しをします(民訴法374条)。そして、この判決については異議の申し立てをすることはできますが控訴をすることはできないとされています(民訴法377条、378条1項)。
裁判所は、最初の口頭弁論の期日の呼び出しの際に当事者に対し少額訴訟による審理及び裁判の手続の内容等を教示します(規則222条)、また、この手続きの利用は原告の一方的な意思で決まることから、法は、少額訴訟手続の審理を望まない被告に対し、一定の期限までに通常訴訟での審理・判決を求める旨の申述をすることを認めています(民訴法373条)。
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撮影場所 – リバティ・ベル・センター (ペンシルバニア州フィラデルフィア)
遺言による遺留分の放棄の依頼
相続が開始する前の相続の放棄は無効とされますが、相続開始前の遺留分の放棄は、家庭裁判所の許可を受ければ有効です(民法1043条第1項)。そして、相続が開始する前に遺留分放棄許可を申し立てられた家庭裁判所は、その申立てが自由な意思に基づくものかどうかなどを考慮して許可あるいは却下の審判をします。
また、相続が開始した後は家庭裁判所の許可を要することなく遺留分を放棄することが出来ます。そこで、相続が開始した後に争いになるのを避けるため、遺言で遺留分を放棄するよう求めることがありますが、遺言に放棄を強制する効力はないことから、このような遺言は、遺言者の希望を述べるという意味を持つにとどまります。
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当事務所内で咲く花
遺言による遺産分割の方法の指定・相続分の指定・遺贈
遺言をすることによって、遺産分割の方法の指定や相続分の指定、財産上の利益を与える遺贈をすることが出来ますが、「Aという財産を甲に、Bという財産を乙に相続させる」といった遺言が行われた場合、それが遺贈か相続分の指定か遺産分割の方法の指定なのかが問題となることがあります。
この点に関する裁判例を見ると、東京地裁昭和41年6月25日判決は、特別の事情のない限り遺産分割の方法の指定であって遺贈ないし相続分の指定ではないと判示しています。
また、最高裁平成3年4月19日判決は、遺贈であることが明らかであるか又は遺贈と解すべき特別の事情のない限り、遺贈と解すべきではなく、特定の相続人に特定の財産を取得させるべきことを指示する遺産分割の方法を定めたものであり、もし、その特定の財産の価額が特定の相続人の法定相続分の割合を超えるときは、相続分の指定を伴う遺産分割の方法を定めたものと解するのが相当であると判示しています。
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法定後見と任意後見
判断能力に問題がある人を保護する制度として成年後見制度があり、この制度は法定後見と任意後見に分けることが出来ます。法定後見は、民法が定めるもので後見・保佐、補助という類型があり、家庭裁判所の審判によって開始します。
一方、任意後見は、任意後見契約に関する法律(任意後見契約法)が定めるもので委任者が将来に備えてあらかじめ受任者に代理権を与え自らの保護の方法等を指定しておく契約です。
法定後見と任意後見の優劣については、任意後見契約が優先されることになっています。任意後見契約を締結した人に法定後見が申し立てられた場合には「本人の利益のため特に必要であると認められるとき」に限り法定後見の審判が行われることになります(任意後見契約法4条1項2号)。
そして、法定後見が「特に必要である」と認められる場合としては、任意後見契約法4条1項3号ロ、ハ所定の事由がある場合や任意後見受任者の適格性に問題がある場合などが考えられます。
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