Archive for the ‘個人法務’ Category
上場会社における一般株主を保護する独立役員
独立して経営監督機能を発揮することを期待されるものとして社外取締役が存在しますが、東京証券取引所(東証)では、一般株主保護の見地からより強い独立性を求めるため、上場会社に対し、一般株主と利益相反が生じるおそれのない社外取締役または社外監査役である独立役員を1名以上確保することを企業行動規範の遵守すべき事項としています。また、当該企業行動規範の遵守状況を確認するため、東証への独立役員届出書の提出を求めています。
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〒108-0072東京都港区白金一丁目17番2号 白金アエルシティ 白金タワー テラス棟4階
ひらま総合法律事務所 弁護士 平間民郎(Tel:03-5447-2011)

撮影場所 – 地下鉄駅内 (ワシントンD.C. コロンビア特別区)
資格外活動と刑事処分・退去強制処分
出入国管理及び難民認定法(入管法)の別表第1に記載された「技術・人文知識・国際業務」「技能」などといった専門性のある就労活動をすることを予定する在留資格を認められた外国人による当該在留資格が予定していない就労活動や「留学」「家族滞在」などといった就労を予定していない在留資格を認められた外国人による就労活動(資格外活動)は、刑事処分や退去強制処分の原因となります。
① 入管法70条1項4号、73条により、上記のような資格外活動を専ら行っていると明らかに認められる者には3年以下の懲役もしくは禁錮または300万円以下の罰金、専ら行っていると明らかに認められないが資格外活動を行った者には1年以下の懲役もしくは禁錮または200万円以下の罰金が科されます(懲役等と罰金が併科されることもあります)。
② 資格外活動を専ら行っていると明らかに認められる場合には、退去強制事由にも該当します(入管法24条4号イ)。また、専ら行っているとまでは認められない場合でも禁錮以上の刑に処せられた場合には、退去強制事由に該当します(入管法24条4号ヘ)。
When a foreign national intends to engage in an activity to operate profit-making businesses or an activity for receiving consideration other than the activity permitted under his/her status of residence, he/she must obtain permission to engage in an activity other than that permitted under* the status of residence previously granted, in advance.
Note:
The following passage was quoted from a Immigration Bureau of Japan web site: (https://www.isa.go.jp/en/).
*See the following ‘Permission to Engage in an Activity Other Than That Permitted by the Status of Residence Previously Granted’ Immigration Bureau of Japan web site: (https://www.isa.go.jp/en/applications/guide/nyuukokukanri07_00045.html) for further information.
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父(又は母)の死亡と認知
婚姻関係にない相手方との間で産まれた子を自分の子であると認めることを認知と言います。この認知は、遺言によって行うことも出来ます。
また、父(又は母)が任意に認知をしないときに、その子は、認知の訴えを提起することが出来ますが、身分関係に伴う法的安定性が害されることを避けるため、父(又は母)が死亡した日から3年が経過するとこの認知の訴を提起することは出来なくなります。
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株券の発行
株券とは、株主としての地位を有価証券に表章したものです。
平成16年における改正前の商法では株式会社においては株券を発行することが義務とされていましたが、現在の会社法では定款で定めない限り株券を発行することを義務とされません(会社法214条)。また、株式の振替制度が創設されました(社債、株式等の振替に関する法律)。
株式の譲渡を容易にし、また、法律関係を明確にするためには株式を表彰させた株券が不可欠であるとかつては考えられていましたが、大量の紙の譲渡の手続きはかえって煩雑である、社債等との統一的な証券決済法制の整備やペーパレス化の必要があるなどといったことがその背景にあります。
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労働者のプライバシー(人格的利益)の保護
企業の活動と労働者のプライバシー(人格的利益)が衝突することがありますが、労働者のプライバシー(人格的利益)が重視されるようになっており、労働者のプライバシー(人格的利益)に関する裁判例は増加しています。
まず、労働者のプライバシー(人格的利益)への干渉に関するものとして、労働者の思想調査のための監視・尾行が問題となった最高裁平成7年9月5日判決や個人的に賃借している不動産を家主に明け渡すよう上司が部下に強要することが問題となった横浜地裁平成2年5月29日判決などがあります。
また、労働者のプライバシー(人格的利益)にかかわる情報の取得・開示に関するものとして、使用者がHIV抗体検査を行うことが問題となった千葉地裁平成12年6月12日判決やB型肝炎ウィルス感染検査を行うことが問題となった東京地裁平成15年6月20日判決などがあります。
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一人会社などにおける譲渡制限株式の譲渡
株式は、自由に譲渡出来るのが原則(会社法127条)ですが、会社関係者が会社の閉鎖性の維持を希望することが少なくないため、譲渡による株式の取得につき会社の承認を要するとして株式の譲渡を制限することが認められています(会社法107条1項1号)。
そして、このような会社では、譲渡承認機関が株式の譲渡を承認するかしないかを判断することになりますが、最高裁平成5年3月30日判決は、株主の譲渡制限の趣旨は、もっぱら会社にとって好ましくない者が株主となることを防止し、譲渡人以外の株主の利益を保護することにあるとして、株主がひとりだけの一人会社の株主がその保有する株式を他に譲渡した場合には、譲渡承認機関である取締役会の承認がなくても、その譲渡は、会社に対する関係においても有効としています。
また、東京地裁平成23年1月26日判決は、譲渡制限は譲渡人以外の株主の利益を保護するものであるところ、株主が二人だけの会社の一方の株主がその保有する株式を他方の株主に譲渡した場合には、利益を保護される譲渡人以外の株主は当該株式を譲り受ける他方の株主であるとして、所定の承認がなくても、その譲渡は、会社に対する関係においても有効としています。
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株式が共有(準共有)されている場合における権利の行使
共同相続などによって株式が数人に共有(準共有)されている場合、会社の事務処理上の便宜のため、共有者は、権利を行使する者(権利行使者)を指定して、会社に対しその者の氏名または名称を通知しなければその株式についての権利を行使出来ないとされています(会社法106条)。
そして、この権利行使者が指定された場合、この者が株主総会における議決権等の株主権を行使することになりますが、大阪高裁平成20年11月28日判決は、「準共有が暫定的状態であることにかんがみ、またその間における議決権行使の性質上、共同相続人間で事前に議案内容の重要度に応じしかるべき協議をすることが必要であって、この協議を全く行わずに権利行使者を指定するなど、共同相続人が権利行使の手続の過程でその権利を濫用した場合には、当該権利行使者の指定ないし議決権の行使は権利の濫用として許されない」と判示しています。
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遺言書における押印
自筆証書によって遺言をする場合、遺言をする人は、遺言の全文・日付・氏名を自書してこれに押印することになりますが、毛筆などで行う「花押」がこの押印に当たるかどうかが問題となっている裁判の上告審判決が平成28年6月3日にありました。
1審の那覇地裁と2審の福岡高裁那覇支部は、いずれも「花押」をこの押印に当たるとして遺言書を有効としましたが、最高裁は、「押印は遺言者の同一性や真意を確認するためにあるが、日本では、押印の代わりに花押で文書を完成させる慣行はなく、花押と押印は同視できない」として遺言書を無効とした上で、1、2審判決を破棄し、福岡高裁に審理を差し戻す判決をしました。
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出勤停止と自宅待機命令
出勤停止とは、制裁として、一定期間、労働者の就労を禁止することです。期間中には賃金が支給されず勤続年数にも通算されないのが通常です。
そこで、その相当性については厳格にチェックする必要があります。 これに対し、自宅待機命令とは、職場の規律に違反した労働者の処分を決めるまで、一定期間、労働者の就労を禁止することです。暫定的措置で期間中も賃金が支払われることから出勤停止とは区別されます。
そこで、使用者は、労務指揮権を行使して自宅待機を命ずることが出来るとされていますが、業務上の必要性を欠いたり不当に長期にわたる場合には違法となる可能性があり、千葉地裁平成5年9月24日判決は、調査を尽くさないまま継続された半年間の自宅待機命令を違法としています。
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休眠会社のみなし解散
休眠会社とは、登記上存在するが実際には事業活動を行っていない会社です。会社法は、これを解散したとみなしています(472条)。
平成17年における改正前の商法では最後の登記後5年を経過したものが休眠会社とされていましたが、現在の会社法では当該株式会社に関する登記が最後にあった日から12年を経過したものとされています。
非公開会社において取締役の任期が伸び、株式会社が必ず登記をしなければならない間隔が伸びたことがその背景にあります。
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