Archive for the ‘お知らせ’ Category

親権を行う父または母と子の利益相反行為

2020-12-21

 親権を行う父または母とその子との利益が相反する行為について、親権を行う父または母は、その子のための特別代理人の選任を家庭裁判所に請求しなければならない(民法826条1項)とされています。

 そこで、当該行為がこの利益相反行為に該当するかどうかが問題となった裁判例を見ると、子の財産を親権者に譲渡する行為は該当しますが、親権者から子に無償で財産を譲渡する行為は該当しない(大審院昭和6年3月9日判決等)とされています。

 また、遺産分割は該当します(最高裁昭和49年7月22日判決)が、親権者が未成年者全員を代理して相続を放棄することは該当しない(最高裁昭和53年2月24日判決)とされています。

 また、子のための特別代理人の権限が問題となった裁判例を見ると、親権者の一方のみと利益相反する場合、特別代理人と他方の親権者との共同代理となる(最高裁昭和35年2月25日判決)、選任された特別代理人と未成年者との間で利益が相反する場合、その特別代理人は付与された権限を行使できない(最高裁昭和57年11月18日判決)とされています。

〒108-0072東京都港区白金一丁目17番2号 白金アエルシティ 白金タワー テラス棟4階
ひらま総合法律事務所 弁護士 平間民郎(Tel:03-5447-2011)

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2020-2021 冬季休業のお知らせ Schedule the winter holidays

2020-12-15

当事務所の冬季休業日を以下のとおりお知らせします。

令和2年12月29日 ~ 令和3年1月5日まで 終日休業

よろしく、お願い申し上げます。

Our office will be closed for winter holidays during the following period:

From December 29, 2020 to January 5, 2021.

内縁関係の当事者が死亡した場合における財産分与

2020-12-14

 夫婦が離婚する場合、財産分与(民法768条)が問題となるところ、内縁関係の当事者の一方が死亡した場合にも上記規定が適用されるのかという問題があります。

 この問題に関する裁判例を見ると、その一方が死亡したことによって内縁関係が消滅した場合に関し、最高裁平成12年3月10日判決が、「離別による内縁解消の場合に民法の財産分与の規定を類推適用することは、純婚的法律関係の保護に適するものとしてその合理性を承認し得るとしても、死亡による内縁解消のときに、相続の開始した遺産につき財産分与の法理による遺産清算の道を開くことは、相続による財産承継の構造の中に異質の契機を持ち込むもので、法の予定しないところである。

 また、死亡した内縁配偶者の扶養義務が遺産の負担となってその相続人に承継されると解する余地はない」として、民法768条の類推適用を否定しています。

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夫婦の同居義務と同居の拒否

2020-12-07

 夫婦は、同居し、互いに協力し扶助しなければならない(民法752条)と規定されているところ、この同居の拒否が問題となることがあります。

 そこで、この同居の拒否に関する裁判例を見ると、同居を請求する側の暴力(大阪高裁昭和34年9月5日決定)や協力義務違反(東京高裁昭和40年7月16日決定)が同居を拒否できる事由になるとされています。また、婚姻が破綻して夫婦たるの実を失っていること(大阪高裁昭和62年11月19日決定)も同居を拒否できる事由になるとされています。

 なお、夫婦間調整調停において、「夫婦は当分の間別居する」とするいわゆる別居調停が行われることがあります。

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道路の設置・管理の瑕疵と国又は公共団体の責任

2020-11-30

 国家賠償法2条1項が「道路、河川その他の公の営造物の設置又は管理に瑕疵があったために他人に損害を生じたときは、国又は公共団体は、これを賠償する責に任ずる」と規定していることから、国道等の設置・管理の瑕疵に関して上記の責任が問題となります。

 そこで、この瑕疵が問題となった裁判例を見ると、過去にしばしば落石・崩土があり管理者が「落石注意」という標識を立てる等していた国道を走行中のトラックに岩石が落下して運転者が死亡した事案に関し、最高裁昭和45年8月20日判決が、設置・管理の瑕疵は、「営造物が通常有すべき安全性を欠いていること」であるとした上で、道路管理の瑕疵を認めています。

 また、国道において87時間にわたって放置されていた故障車に原動機付自転車が衝突したという事案に関し、最高裁昭和50年7月25日判決は、「道路の安全性を著しく欠如する状態であった」として、道路管理の瑕疵を認めています。

 一方、工事中の道路に設置されていた赤色灯標柱等を他車が倒した直後に通行した自動車が事故を起こした事案に関し、最高裁昭和50年6月26日判決は、遅滞なく原状に復し道路を安全良好な状態に保つことは不可能であったとして、道路管理の瑕疵を認めていません。

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養育費を請求しないという合意の効力

2020-11-24

 離婚する夫婦に子供がいる場合、子供の養育費の扱いが問題となるところ、監護親になる側が以後養育費を一切請求しないとか一定額を受領した上で以後養育費を一切請求しないといった合意をすることがあります。

 この合意が問題となった裁判例を見ると、父母の間の合意は扶養料算定の一事情とすることができるが子を拘束しないとするもの(東京高裁昭和38年10月7日決定)や父母の間の合意は債権的な効力を持つにすぎないとして子を拘束しないとするもの(札幌高裁昭和51年5月31日決定)があります。

 一方、事情の変更がない限り、父母の間の合意は子を拘束するとするもの(札幌高裁昭和51年5月31日決定)もあります。



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民間委託と国家賠償責任

2020-11-16

 行財政改革の一環として行政事務が民間に委託されることが増えていますが、事務を委託した国や公共団体の国家賠償法上の責任が問題となります。

 この問題に関する裁判例を見ると、最高裁平成19年1月25日判決は、社会福祉法人が設置運営する児童養護施設の長は、本来都道府県が有する公的な権限を委譲されてこれを都道府県のために行使するものと解され、施設の職員等による養育監護行為は、都道府県の公権力の行使にあたる公務員の職務行為であるとして国家賠償法上の責任を認めています。

 また、東京地裁平成19年11月27日判決は、家庭福祉員は区の公務員・被用者ではないとしながら、家庭福祉員の調査を怠り、虐待が続発するのを放置し、制度運営要綱所定の権限を行使しなかった点に過失を認め、その権限不行使が著しく合理性を欠く違法なものであるとして国家賠償法上の責任を認めています。



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民法715条、同法709条による使用者・被用者の責任と国家賠償法1条

2020-11-09

 民法715条や同法709条によって使用者や被用者が損害賠償責任を負うことがありますが、国や公共団体が国家賠償法1条1項に基づく責任を負う場合に公務員個人に対して直接損害賠償を請求できないとされている(最高裁昭和30年4月19日判決等)ことが上記の責任にどう関係するかが問題となります。

 この点に関する裁判例を見ると、国・公共団体以外の者の被用者が第三者に損害を加えたが国・公共団体が同法1条1項に基づく損害賠償責任を負う場合について、最高裁平成19年1月25日判決は、被用者個人が民法709条に基づく損害賠償責任を負わないだけでなく、その使用者も同法715条に基づく損害賠償責任を負わないとしています。



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遺留分の減殺請求

2020-11-02

 遺留分の減殺請求権は、遺留分権利者が相続の開始および減殺すべき贈与・遺贈のあったことを知ったときから1年で消滅し、10年の除斥期間にかかる(民法1042条)とされていますが、遺留分の減殺請求は裁判外で行うことも可能とされています(最高裁昭和41年7月14日判決)。そして、遺贈、死因贈与、生前贈与という順序で減殺されます(同法1033条)。

 なお、被相続人の全財産が遺贈されたのに対し遺留分権利者が遺贈の効力を争わないで遺産分割を申入れた場合に関し、最高裁平成10年6月11日判決は、特段の事情がない限り、その申入れには遺留分減殺の意思表示が含まれているとしています。

 減殺請求を受けた受遺者・受贈者は、現物返還に代えて価額弁償をすることができる(同法1041条)とされ、最高裁平成12年7月11日判決は、価額賠償は、目的財産の各個につき許されるとしています。



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みなとタバコルール – 港区環境美化の推進等に関する条例

2020-11-01

港区環境美化の推進及び喫煙による迷惑の防止に関する条例(平成9年10月3日・条例第42号)の8条と9条です。


第8条(投棄の禁止)
 区民等は,公共の場所において,吸い殻等及び空き缶等をみだりに捨ててはならない。


第9条(みなとタバコルール)
 1 区民等は,公共の場所において,たばこの吸い殻をみだりに捨ててはならない。
 2 区民等は,公共の場所(指定喫煙場所を除く。以下同じ。)において,喫煙をしてはならない。
 3 区民等は,公共の場所以外の場所において喫煙する場合に,公共の場所にいる区民等にたばこの煙を吸わせることがないよう配慮しなければならない。
 4 事業者等(区,事業者及び関係行政機関をいう。以下同じ。)は,公共の場所にいる区民等が事業者等の有する敷地(指定喫煙場所を除く。以下同じ。)内で喫煙する者のたばこの煙を吸わされることがないようにするため,事業者等の有する敷地内において,灰皿の撤去又は移設,喫煙場所の確保その他の環境の整備を行わなければならない。
 5 事業者等は,従業員その他事業活動に関わる者に,第一項から第三項までの規定を遵守させるよう努めなければならない。

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