Archive for the ‘お知らせ’ Category
不貞行為による不法行為
不貞行為は民法上の不法行為とされるところ、どのような行為が不法行為としての不貞行為となるかが問題となります。
そこで、この問題に関する裁判例を見ると、子を妊娠、出産すること、その子の認知請求することが問題となった事案について東京高裁昭和57年9月30日判決は、「懐胎、出産したことは」「不法行為責任の範囲、程度の大小にかかわる問題であって、別個独立の不法行為自体が生ずるものとみることはできない。そして、一旦非嫡の子が出生した以上、父に対して認知を求めることはその子の権利であるから、・・・認知請求をした行為を違法な行為とみることもできない」と判示しています。
また、ホステスとの面会が問題となった事案について東京地裁平成21年7月16日判決は、「婚姻関係を破綻に至らせる蓋然性のある交流、接触であるとは認め難く、婚姻共同生活の平和を侵害する蓋然性があるとはいえないから、不法行為に当たらない」と判示しています。
さらに、愛情表現を含むメールを送ることが問題となった事案について東京地裁平成24年11月28日判決は、「婚姻生活の平穏を害するようなものというべきである」として不法行為の成立を肯定しましたが、東京地裁平成25年3月15日判決は、「婚姻生活を破綻に導くことを殊更意図していたとはいえない」として不法行為の成立を否定しています。
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ひらま総合法律事務所 弁護士 平間民郎(Tel:03-5447-2011)

プライバシーの侵害の成立要件
インターネット上の投稿などによるプライバシーの侵害が問題とされるケースが生じているところ、プライバシーの侵害の成立要件が問題となります。
この点、小説によるプライバシーの侵害が問題となったいわゆる「宴のあと事件」について東京地裁昭和39年9月28判決が、
① 私生活上の事実または私生活上の事実らしく受け取られるおそれのある事柄であること、
② 一般人の感受性を基準にして当該私人の立場に立った場合公開を欲しないであろうと認められる事柄であること、
③ 一般の人々にいまだ知られていない事柄であること、
④ このような公開によって当該私人が実際に不快、不安の念を覚えたこと
をプライバシー侵害の成立要件としています。
そして、その後の裁判例では、上記判決で提示された要件で判断しているものが多いようです。
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2018 WARM BIS+ONE参加のお知らせ
平成30年度、冬の地球温暖化対策の一つとして環境省が推進する、“暖房時の室温20℃設定で心地よく過ごすことのできるライフスタイル”「WARM BIZ」(ウォームビズ)に、ひらま総合法律事務所は参加しています。
過度な暖房使用を控えながらも快適に過ごすための工夫を行い、暖かく楽しく過ごせる家庭・職場環境づくりを図って低酸素社会作りに貢献します。
WARM BIZポスター(別ウィンドウで表示されます)
期間は昨年と同様、11月1日から3月31日までです。
ご理解をいただきますようお願いします。
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不貞行為に基づく慰謝料請求権の消滅時効の起算点
民法724条は、「不法行為による損害賠償の請求権は、被害者又はその法定代理人が損害及び加害者を知った時から3年間行使しないときは、時効によって消滅する」と定めているところ、不貞行為は多くの場合繰り返して継続されることから、この消滅時効の起算点が問題となります。
そこで、この問題に関する裁判例を見ると、最高裁平成6年1月20日判決が「夫婦の一方の配偶者が他方の配偶者と第三者との同せいにより第三者に対して取得する慰謝料請求権については、一方の配偶者が右の同せい関係を知った時から、それまでの間の慰謝料請求権の消滅時効が進行すると解するのが相当である。
けだし、右の場合に一方の配偶者が被る精神的苦痛は、同せい関係が解消されるまでの間、これを不可分一体のものとして把握しなければならないものではなく、一方の配偶者は、同せい関係を知った時点で、第三者に慰謝料の支払を求めることを妨げられるものではないからである」と判示しています。
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婚姻関係が破綻していない場合における慰謝料請求
夫婦の一方の不貞行為によって婚姻関係が破綻した場合、慰謝料の支払いを請求することが考えられるところ、婚姻関係は破綻していないが、夫と不貞行為をした相手に対し、妻が慰謝料の支払いを請求した事案に関する裁判例として東京地裁平成4年12月10日判決があります。
この判決では、妻が「右不貞行為を契機として・・・婚姻関係が破綻の危機に瀕し・・・深刻な苦悩に陥ったことに照らせば」「精神的損害については不法行為責任を負うべきものである」として不法行為責任を認め、慰謝料請求を認めています。
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親権者の変更
夫婦が離婚する場合、その一方が子の親権者になる(民法819条1項、2項、5項)ところ、子の利益のため必要があると認めるときは親権者の変更ができる(民法819条6項)とされており、親権者の変更の判断基準が問題となります。
そこで、この問題に関する裁判例を見ると、札幌高裁昭和61年11月18日決定が、「親権者を変更するかどうかは、専ら親権に服する子の利益及び福祉の増進を主眼として判断すべきところ、まだ3歳になったばかりで、その人格形成上重要な発育の段階にある事件本人の養育態勢をみだりに変更するときは、同人を情緒不安定に陥らせるなど、その人格形成上好ましくない悪影響を残すおそれが大きいものと予想されるから」「将来再度検討の余地は残されているものの、なお現段階においては、・・・変更することは相当でない」と判示しています。
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精神病を原因とする離婚請求と裁量棄却
民法770条1項は、「配偶者が強度の精神病にかかり、回復の見込みがないとき」(4号)を離婚原因として規定しているところ、当該離婚原因による離婚請求においては裁量棄却条項(同条2項)の適用がしばしば問題となります。
そこで、精神病を原因とした離婚請求に関する裁判例を見ると、最高裁昭和33年7月25日判決は、「民法770条は、あらたに「配偶者が強度の精神病にかかり回復の見込みがないとき」を裁判上離婚請求の一事由としたけれども、同条2項は、右の事由があるときでも裁判所は一切の事情を考慮して婚姻の継続を相当と認めるときは離婚の請求を棄却することができる旨を規定しているのであって、民法は単に夫婦の一方が不治の精神病にかかった一事をもって直ちに離婚の訴訟を理由ありとするものと解すべきでなく、たとえかかる場合においても、諸般の事情を考慮し、病者の今後の療養、生活等についてできるかぎりの具体的方途を講じ、ある程度において、前途に、その方途の見込のついた上でなければ、ただちに婚姻関係を廃絶することは不相当と認めて、離婚の請求は許さない法意であると解すべきである」と判示しています。
また、最高裁昭和45年11月24日判決は、上記判例を踏まえた上、「これらの諸般の事情は、前記判例にいう婚姻関係の廃絶を不相当として離婚の請求を許すべきではないとの離婚障害事由の不存在を意味し、・・・民法770条1項4号に基づく離婚の請求を認容した原判決は正当として是認することができる」と判示しています。
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マンションの眺望の阻害
マンションの購入を決めるにあたって考慮した眺望に不都合が生じた場合の取り扱いが問題となることがあります。
この問題に関する裁判例をみると、大阪高裁平成11年9月17日判決は、「売主は購入希望者に対し、その売買予定物の状況について、その実物を見聞できたのと同程度にまで説明する義務がある」「売主が説明したところが、その後に完成したマンションの状況と一致せず、かつそのような状況があったとすれば、買主において契約を締結しなかったと認められる場合には、買主はマンションの売買契約を解除することもでき、この場合には売主において、買主が契約が有効であると信頼したことによる損害の賠償をすべき義務がある」と判示しています。
また、東京地裁平成18年12月8日判決は、「隅田川花火大会の花火の観望という価値を重視し、これを取引先の接待にも使えると考えて同室を購入し、被告においてもこれを知っていたこと」「隅田川花火大会を巡る状況からみてこれを室内から観賞できるということは、取引先の接待という観点からみると少なからぬ価値を有していたと認められることを考慮すると」、被告は、「花火の観望を妨げないよう配慮すべき義務を負っていた」とし、「損害の賠償をしなければならない」と判示しています。
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マンションの瑕疵と契約の解除
マンションを購入した後にさまざまな不都合が判明することがありますが、このような瑕疵がマンションの売買契約の解除原因となるかが問題となります。
まず、マンション内で自殺があったことが判明した事案について、横浜地裁平成元年9月7日判決は、「売買の目的物に瑕疵があるというのは、その物が通常保有する性質を欠いていることをいうのであって、右目的物が建物である場合、建物として通常有すべき設備を有しない等の物理物欠陥としての瑕疵のほか、建物は、継続的に生活する場であるから、建物にまつわる嫌悪すべき歴史的背景等に原因する心理的欠陥も瑕疵と解することができる」「解除をしうる瑕疵であるというためには、単に買主において右事由の存する建物の居住を好まないだけでは足らず、それが通常一般人において、買主の立場におかれた場合、右事由があれば、住み心地の良さを欠き、居住の用に適さないと感ずることに合理性があると判断される程度にいたったものであることを必要とする」とした上で、解除原因と認めています。
また、シックハウスであることが判明した事案について、東京地裁平成17年12月5日判決は、「本件建物にはその品質につき当事者が前提としていた水準に到達していないという瑕疵が存在する」「当該瑕疵は取引上要求される一般的な注意を払っていても容易に発見し得ないものであるというべきである」として、解除原因と認めています。
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