Archive for the ‘お知らせ’ Category

試用期間の終了時における本採用の拒否

2016-08-08

   労働者を採用するにあたって3ヶ月から6ヶ月程度の試用期間を設定して使用者がその人の従業員としての適格性を評価することがしばしば行われますが、従業員として不適格であると評価されて本採用を拒否された場合、その人が法的救済を受けることが出来るかが問題となります。

   この点につき、最高裁昭和48年12月12日判決は、個々の事案に応じて判断すべきであるとしつつ、当該事案においては、試用期間中も解約権を留保した労働契約が成立しているとした上、本採用の拒否はこの解約権の行使(解雇)にあたるため、客観的に合理的な理由があり社会通念上相当として是認できる場合にのみ許されるとして本採用の拒否についての法的救済を認めています。

   また、東京高裁平成21年9月15日判決は、約3ヶ月半の営業成績をもって従業員としての適格性を有しないと判定することは出来ず、解雇は無効としています。


【お問い合わせ先】
〒108-0072東京都港区白金一丁目17番2号  白金アエルシティ  白金タワー テラス棟4階
ひらま総合法律事務所  弁護士  平間民郎(Tel:03-5447-2011)



撮影場所  –  地下鉄駅内  (ワシントンD.C.  コロンビア特別区)

2016 夏季休業のお知らせ Schedule the summer holidays

2016-08-05

当事務所の夏季休業日を以下のとおりお知らせします。

平成28年8月11日(木) ~ 同年同月15日(月)まで 終日休業

Our office will be closed for summer holidays during the following period:

From August 11th, 2016 to August 15th, 2016


【お問い合わせ先】
〒108-0072東京都港区白金一丁目17番2号  白金アエルシティ  白金タワー テラス棟4階
ひらま総合法律事務所  弁護士  平間民郎(Tel:03-5447-2011)



撮影場所  –  地下鉄駅内  (ワシントンD.C.  コロンビア特別区)

資格外活動と刑事処分・退去強制処分

2016-08-01

   出入国管理及び難民認定法(入管法)の別表第1に記載された「技術・人文知識・国際業務」「技能」などといった専門性のある就労活動をすることを予定する在留資格を認められた外国人による当該在留資格が予定していない就労活動や「留学」「家族滞在」などといった就労を予定していない在留資格を認められた外国人による就労活動(資格外活動)は、刑事処分や退去強制処分の原因となります。

   ①   入管法70条1項4号、73条により、上記のような資格外活動を専ら行っていると明らかに認められる者には3年以下の懲役もしくは禁錮または300万円以下の罰金、専ら行っていると明らかに認められないが資格外活動を行った者には1年以下の懲役もしくは禁錮または200万円以下の罰金が科されます(懲役等と罰金が併科されることもあります)。

   ②   資格外活動を専ら行っていると明らかに認められる場合には、退去強制事由にも該当します(入管法24条4号イ)。また、専ら行っているとまでは認められない場合でも禁錮以上の刑に処せられた場合には、退去強制事由に該当します(入管法24条4号ヘ)。


When a foreign national intends to engage in an activity to operate profit-making businesses or an activity for receiving consideration other than the activity permitted under his/her status of residence, he/she must obtain permission to engage in an activity other than that permitted under* the status of residence previously granted, in advance.

Note:
The following passage was quoted from a Immigration Bureau of Japan web site: (https://www.isa.go.jp/en/).

*See the following ‘Permission to Engage in an Activity Other Than That Permitted by the Status of Residence Previously Granted’ Immigration Bureau of Japan web site: (https://www.isa.go.jp/en/applications/guide/nyuukokukanri07_00045.html) for further information.


【お問い合わせ先】
〒108-0072東京都港区白金一丁目17番2号  白金アエルシティ  白金タワー テラス棟4階
ひらま総合法律事務所  弁護士  平間民郎(Tel:03-5447-2011)



撮影場所  –  地下鉄駅内  (ワシントンD.C.  コロンビア特別区)

父(又は母)の死亡と認知

2016-07-25

   婚姻関係にない相手方との間で産まれた子を自分の子であると認めることを認知と言います。この認知は、遺言によって行うことも出来ます。

   また、父(又は母)が任意に認知をしないときに、その子は、認知の訴えを提起することが出来ますが、身分関係に伴う法的安定性が害されることを避けるため、父(又は母)が死亡した日から3年が経過するとこの認知の訴を提起することは出来なくなります。


【お問い合わせ先】
〒108-0072東京都港区白金一丁目17番2号  白金アエルシティ  白金タワー テラス棟4階
ひらま総合法律事務所  弁護士  平間民郎(Tel:03-5447-2011)



撮影場所  –  地下鉄駅内  (ワシントンD.C.  コロンビア特別区)

株券の発行

2016-07-18

   株券とは、株主としての地位を有価証券に表章したものです。

   平成16年における改正前の商法では株式会社においては株券を発行することが義務とされていましたが、現在の会社法では定款で定めない限り株券を発行することを義務とされません(会社法214条)。また、株式の振替制度が創設されました(社債、株式等の振替に関する法律)。

   株式の譲渡を容易にし、また、法律関係を明確にするためには株式を表彰させた株券が不可欠であるとかつては考えられていましたが、大量の紙の譲渡の手続きはかえって煩雑である、社債等との統一的な証券決済法制の整備やペーパレス化の必要があるなどといったことがその背景にあります。


【お問い合わせ先】
〒108-0072東京都港区白金一丁目17番2号  白金アエルシティ  白金タワー テラス棟4階
ひらま総合法律事務所  弁護士  平間民郎(Tel:03-5447-2011)



撮影場所  –  地下鉄駅内  (ワシントンD.C.  コロンビア特別区)

労働者のプライバシー(人格的利益)の保護

2016-07-11

   企業の活動と労働者のプライバシー(人格的利益)が衝突することがありますが、労働者のプライバシー(人格的利益)が重視されるようになっており、労働者のプライバシー(人格的利益)に関する裁判例は増加しています。

   まず、労働者のプライバシー(人格的利益)への干渉に関するものとして、労働者の思想調査のための監視・尾行が問題となった最高裁平成7年9月5日判決や個人的に賃借している不動産を家主に明け渡すよう上司が部下に強要することが問題となった横浜地裁平成2年5月29日判決などがあります。

   また、労働者のプライバシー(人格的利益)にかかわる情報の取得・開示に関するものとして、使用者がHIV抗体検査を行うことが問題となった千葉地裁平成12年6月12日判決やB型肝炎ウィルス感染検査を行うことが問題となった東京地裁平成15年6月20日判決などがあります。


【お問い合わせ先】
〒108-0072東京都港区白金一丁目17番2号  白金アエルシティ  白金タワー テラス棟4階
ひらま総合法律事務所  弁護士  平間民郎(Tel:03-5447-2011)



撮影場所  –  地下鉄駅内  (ワシントンD.C.  コロンビア特別区)

第三者による取締役の放漫経営についての責任追及

2016-07-04

   取締役などの会社の役員の任務懈怠によって第三者に損害が生じたとしても、会社の役員等と第三者とは直接の法律関係に立たないことから、不法行為が成立する場合を別にして第三者は役員等の責任を追及出来ないことになりそうですが、会社法は、役員等がその職務を行うにつき悪意または重大な過失があったときは連帯して第三者に対して損害賠償責任を負うとしています(429条、430条)。

   そこで、取締役の放漫経営によって会社の資産状態が悪化したことによって会社の債権者などの第三者が損害を被った場合、損害を被った第三者は、放漫経営をしていた取締役に対し、会社法429条等に基づいて損害賠償を請求することが考えられ、裁判例においても、その製品が原因で食中毒が起こったことにより会社が廃業・解散となった事案につき、本条項に基づいて解雇された従業員による元取締役に対する損害賠償請求を認めています(名古屋高裁金沢支部平成17年5月18日判決)。


【お問い合わせ先】
〒108-0072東京都港区白金一丁目17番2号  白金アエルシティ  白金タワー  テラス棟4階
ひらま総合法律事務所  弁護士  平間民郎(Tel:03-5447-2011)



当事務所内で咲く花

一人会社などにおける譲渡制限株式の譲渡

2016-06-27

   株式は、自由に譲渡出来るのが原則(会社法127条)ですが、会社関係者が会社の閉鎖性の維持を希望することが少なくないため、譲渡による株式の取得につき会社の承認を要するとして株式の譲渡を制限することが認められています(会社法107条1項1号)。

   そして、このような会社では、譲渡承認機関が株式の譲渡を承認するかしないかを判断することになりますが、最高裁平成5年3月30日判決は、株主の譲渡制限の趣旨は、もっぱら会社にとって好ましくない者が株主となることを防止し、譲渡人以外の株主の利益を保護することにあるとして、株主がひとりだけの一人会社の株主がその保有する株式を他に譲渡した場合には、譲渡承認機関である取締役会の承認がなくても、その譲渡は、会社に対する関係においても有効としています。

   また、東京地裁平成23年1月26日判決は、譲渡制限は譲渡人以外の株主の利益を保護するものであるところ、株主が二人だけの会社の一方の株主がその保有する株式を他方の株主に譲渡した場合には、利益を保護される譲渡人以外の株主は当該株式を譲り受ける他方の株主であるとして、所定の承認がなくても、その譲渡は、会社に対する関係においても有効としています。


【お問い合わせ先】
〒108-0072東京都港区白金一丁目17番2号  白金アエルシティ  白金タワー  テラス棟4階
ひらま総合法律事務所  弁護士  平間民郎(Tel:03-5447-2011)

最寄り駅;東京メトロ南北線/都営 三田線 「白金高輪駅」 4番出口から直通で徒歩1分
(ご来所には事前の電話予約が必要です。)アクセス(地図等)



当事務所内で咲く花

株式が共有(準共有)されている場合における権利の行使

2016-06-20

   共同相続などによって株式が数人に共有(準共有)されている場合、会社の事務処理上の便宜のため、共有者は、権利を行使する者(権利行使者)を指定して、会社に対しその者の氏名または名称を通知しなければその株式についての権利を行使出来ないとされています(会社法106条)。

   そして、この権利行使者が指定された場合、この者が株主総会における議決権等の株主権を行使することになりますが、大阪高裁平成20年11月28日判決は、「準共有が暫定的状態であることにかんがみ、またその間における議決権行使の性質上、共同相続人間で事前に議案内容の重要度に応じしかるべき協議をすることが必要であって、この協議を全く行わずに権利行使者を指定するなど、共同相続人が権利行使の手続の過程でその権利を濫用した場合には、当該権利行使者の指定ないし議決権の行使は権利の濫用として許されない」と判示しています。


【お問い合わせ先】
〒108-0072東京都港区白金一丁目17番2号  白金アエルシティ  白金タワー  テラス棟4階
ひらま総合法律事務所  弁護士  平間民郎(Tel:03-5447-2011)

最寄り駅;東京メトロ南北線/都営 三田線 「白金高輪駅」 4番出口から直通で徒歩1分
(ご来所には事前の電話予約が必要です。)アクセス(地図等)



当事務所内で咲く花

遺言書における押印

2016-06-13

   自筆証書によって遺言をする場合、遺言をする人は、遺言の全文・日付・氏名を自書してこれに押印することになりますが、毛筆などで行う「花押」がこの押印に当たるかどうかが問題となっている裁判の上告審判決が平成28年6月3日にありました。

   1審の那覇地裁と2審の福岡高裁那覇支部は、いずれも「花押」をこの押印に当たるとして遺言書を有効としましたが、最高裁は、「押印は遺言者の同一性や真意を確認するためにあるが、日本では、押印の代わりに花押で文書を完成させる慣行はなく、花押と押印は同視できない」として遺言書を無効とした上で、1、2審判決を破棄し、福岡高裁に審理を差し戻す判決をしました。


【お問い合わせ先】
〒108-0072東京都港区白金一丁目17番2号  白金アエルシティ  白金タワー  テラス棟4階
ひらま総合法律事務所  弁護士  平間民郎(Tel:03-5447-2011)

最寄り駅;東京メトロ南北線/都営 三田線 「白金高輪駅」 4番出口から直通で徒歩1分
(ご来所には事前の電話予約が必要です。)アクセス(地図等)



当事務所内で咲く花

« Older Entries Newer Entries »
ページの上へ

   Copyright© 2010-2022 ひらま総合法律事務所: 東京都港区白金で弁護士相談 All Rights Reserved.   プライバシーポリシー