保釈が許可される場合における「適当と認める条件」
被告人に対する勾留の執行を停止してその身柄拘束を解く裁判とその執行を保釈と言います。そして,この保釈を許すときには,納付すべき保証金額を定め(刑事訴訟法93条1項),また,被告人の住居を制限しその他適当と認める条件を附することができる(同法同条3項)とされています。
この保釈が許可される場合における「適当と認める条件」に関する裁判例を見ると,大阪高裁昭和63年9月9日決定は,「被告人は,弁護人を介さずして事件関係者に対し面接,電話,文書その他いかなる方法によるとを問わず一切接触しないこと」との条件を付すことは,本件事案の内容,公判審理の経過等にかんがみ適法であるとしています。
一方,福岡高裁昭和30年10月21日決定は,「適当と認める条件」とは,被告人の逃亡,罪証隠滅等を防止するとともに保釈後の被告人の公判出廷又は有罪判決確定後の刑の執行を確保するための条件を指称するとした上で,「保釈期間中他の犯罪を犯さぬよう謹慎していなければならない」との条件を付すことは違法であるとし,また,高松高裁昭和39年10月28日決定は,「本件公訴事実と同種犯行を行ったときは保釈を取り消すこと」との条件を付すことは違法であるとしています。
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