会社についての破産手続の開始決定と取締役の地位
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2017-01-10
会社の取締役の終任事由としては、
- 任期の満了
- 欠格事由の発生
- 辞任
- 解任
- 会社の解散
- 委任の法定終了事由
がありますが、会社について破産手続開始決定があった場合に取締役がその地位を当然に去るのかどうかという問題については争いがあります。
この点、従来の裁判例は、地位喪失説(最高裁昭和43年3月15日判決)と地位残存説(大審院大正14年1月26日判決、最高裁平成16年6月10日判決)に分かれていましたが、最高裁平成21年4月17日判決は、会社が破産手続開始決定を受けた場合、破産財団についての管理処分権限は破産管財人に帰属しますが、役員の選任又は解任のような破産財団に関する管理処分権限と無関係な会社組織に係る行為等は、破産管財人の権限に属するものではなく、破産者たる会社が自ら行うことが出来るというべきであり、会社につき破産手続開始決定があっても直ちに会社と取締役又は監査役との委任関係は終了するものではないので、破産手続が開始した当時の取締役らは、破産手続の開始によりその地位を当然には失わず、会社組織に係る行為等については取締役らとしての権限を行使出来ると判示しています。
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