所有権留保と譲渡担保権の衝突

記事カテゴリー:お知らせ, ブログ, 企業法務, 消費者

2026-01-19

 売買における売主が,代金の支払いを受けるまで目的物の所有権を留保するのが所有権留保であるところ,第三者との関係(対外的効力)が問題となります。

 所有権が留保された動産について第三者に対して譲渡担保権が設定された場合の所有権留保と譲渡担保権の関係が問題となった最高裁平成30年12月7日判決は,「本件売買契約は,金属スクラップ等を反復継続して売却するものであり,本件条項は,その売買代金の支払を確保するために,目的物の所有権がその完済をもって被上告人から美崎産業に移転し,その完済までは被上告人に留保される旨を定めたものである。 本件売買契約では,毎月21日から翌月20日までを一つの期間として,期間ごとに納品された金属スクラップ等の売買代金の額が算定され,一つの期間に納品された金属スクラップ等の所有権は,上記の方法で額が算定された当該期間の売買代金の完済まで被上告人に留保されることが定められ,これと異なる期間の売買代金の支払を確保するために被上告人に留保されるものではない。上記のような定めは,売買代金の額が期間ごとに算定される継続的な動産の売買契約において,目的物の引渡しからその完済までの間,その支払を確保する手段を売主に与えるものであって,その限度で目的物の所有権を留保するものである。 また,被上告人は,美崎産業に対して金属スクラップ等の転売を包括的に承諾し いたが,これは,被上告人が美崎産業に本件売買契約の売買代金を支払うための資金を確保させる趣旨であると解され,このことをもって上記金属スクラップ等の所有権が美崎産業に移転したとみることはできない。以上によれば,本件動産の所有権は,本件条項の定めどおり,その売買代金が完済されるまで被上告人から美崎産業に移転しないものと解するのが相当である。したがって,本件動産につき,上告人は,被上告人に対して本件譲渡担保権を主張することができない」として所有権留保が優先すると判示しています。


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