被用者が第三者に対し加えた損害についての使用者の責任(使用者責任)
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2020-01-27
民法715条は、「ある事業のために他人を使用する者」が、被用者がその事業の執行について第三者に加えた損害の賠償をすると定めています(使用者責任)。
そして、この責任の成立には①「ある事業のために他人を使用する」という関係(使用関係)の存在が必要とされるところ、裁判例見ると、この使用関係が認められるには実質的に指揮監督の関係があれば足りるとしています(最高裁昭和41年7月21日判決、最高裁昭和56年11月27日判決等)。
また、この責任の成立には②「被用者が事業の執行について」第三者に損害を加えたこと(事業執行性)が必要とされるところ、裁判例を見ると、取引的行為について最高裁昭和40年11月30日判決が「被用者の職務遂行行為そのものには属しないが、その行為の外形から観察して、あたかも被用者の職務の範囲内の行為に属するものとみられる場合をも包含する」とし、事実的行為について最高裁昭和46年6月22日判決が「事業の執行行為を契機とし、これと密接な関連を有すると認められる行為によって」損害が発生した場合にこれが認められるとしています。
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