業務行為の違法性

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2021-10-25

 刑法35条は、法令による行為とともに「正当な業務による行為は、罰しない」と規定しています。

 この業務行為の違法性が問題となった裁判例を見ると、宗教活動について、神戸簡裁昭和50年2月20日判決は、教会の牧師が刑罰法令に触れる行為をしながら救済を求めてきた少年に対し、自己省察をさせるため監督と指導に適当な教会に1週間程度隔離した行為は、手段方法においても正当であり、全体としての法秩序の理念にも反せず正当な業務行為として違法性を阻却されるとしています。

 また、弁護活動について、最高裁昭和51年3月23日判決は、弁護人が被告人の利益を擁護するためにした行為が本条の適用を受けるためにはそれが弁護活動のために行われたものであるだけでは足りず、行為の具体的状況その他諸般の事情を考慮してそれが法秩序全体の見地から許容されるべきものと認められなければならず、その判断に際しては法令上の根拠を持つ職務活動が弁護目的達成との間に関連性があるか、被告人自身が行った場合に違法阻却が認められるかという諸点を考慮に入れるのが相当であるとしています。

 また、取材活動について、最高裁昭和53年5月31日決定は、報道機関が取材の目的で公務員に秘密漏示を唆しただけで違法性が推定されるものではなく、真に報道の目的から出たものでその手段・方法が法秩序全体の精神に照らし相当なものとして社会観念上是認されるものであれば正当な業務行為として違法性を欠くが、取材の手段・方法が刑罰法令に触れなくとも取材対象者の人格の尊厳を著しく蹂躙するような態様のものである場合には正当な取材活動の範囲を逸脱し違法なものであるとしています。

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