有期契約労働者の更新拒絶(雇止め)の適法性
記事カテゴリー:お知らせ, ブログ, 企業法務, 雇用・労働
契約期間の定めのある有期労働者は,契約期間が満了するとその契約関係は終了することになりますが,契約の更新が繰り返されているような場合には更新の拒絶(雇止め)についてその適法性が問題となります。
この有期労働者の雇止めの適法性が問題になった最高裁昭和61年12月4日判決は,「(1)P工場の臨時員は,季節的労務や特定物の製作のような臨時的作業のために雇用されるものではなく,その雇用関係はある程度の継続が期待されていたものであり,上告人との間においても五回にわたり契約が更新されているのであるから,このような労働者を契約期間満了によつて雇止めにするに当たつては,解雇に関する法理が類推され,解雇であれば解雇権の濫用,信義則違反又は不当労働行為などに該当して解雇無効とされるような事実関係の下に使用者が新契約を締結しなかつたとするならば,期間満了後における使用者と労働者間の法律関係は従前の労働契約が更新されたのと同様の法律関係となるものと解せられる。(2)しかし,右臨時員の雇用関係は比較的簡易な採用手続で締結された短期的有期契約を前提とするものである以上,雇止めの効力を判断すべき基準は,いわゆる終身雇用の期待の下に期間の定めのない労働契約を締結しているいわゆる本工を解雇する場合とはおのずから合理的な差異があるべきである。(3) したがつて,後記のとおり独立採算制がとられている被上告人のP工場において,事業上やむを得ない理由により人員削減をする必要があり,その余剰人員を他の事業部門へ配置転換する余地もなく,臨時員全員の雇止めが必要であると判断される場合には,これに先立ち,期間の定めなく雇用されている従業員につき希望退職者募集の方法による人員削減を図らな かつたとしても,それをもつて不当・不合理であるということはできず,右希望退職者の募集に先立ち臨時員の雇止めが行われてもやむを得ないというべきである」と判示しています。
【お問い合わせ先】
〒108-0072東京都港区白金一丁目17番2号 白金アエルシティ 白金タワー テラス棟4階
ひらま総合法律事務所 弁護士 平間民郎(Tel:03-5447-2011)
最寄り駅;東京メトロ南北線/都営 三田線 「白金高輪駅」 4番出口から直通で徒歩1分
(ご来所には事前の電話予約が必要です。)アクセス(地図等)

公園で咲く花