取締役等の役員の任務懈怠による損害賠償責任
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会社において、取締役などの役員がその任務を怠ったときはこれによって生じた損害を賠償する責任を負うとされています(会社法423条)。そして、取締役が違法な行為を積極的に行っていなくても、他の取締役について十分な監視をしなかったという監視義務違反を理由として責任を問われることがあります。
この点に関する裁判例を見ると、大阪地裁平成24年6月29日判決は、土壌環境基準値を大幅に超える六価クロムが検出された土壌埋め戻し材について、その開発、生産の担当でも実行本部の構成員でもない取締役は、担当取締役の職務執行が違法であることを疑わせる特段の事情が存在しない限り、担当取締役の職務執行が適法であると信頼すれば足り、基本的に担当取締役が土壌埋め戻し材の想定される用途に応じた安全性の調査をしたかどうかなどを監視する義務を負うものではないとしています。
これに対し、東京地裁平成24年9月7日判決は、違法な業務執行が行われないよう会社内の業務執行態勢を整備すべき職務上の義務を代表取締役は負っているところ、違法な業務を行う方針が債権管理部長の最終決済により決定されたにとどまり代表取締役はこの件の意思決定に直接関与しなかったことが認められたので、慎重な法令遵守の要求に応えるだけの業務執行態勢が整備されていなかったとして取締役の責任を認めています。
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撮影場所 – 地下鉄内 (ワシントンD.C. コロンビア特別区)