定期借家契約を終了させる通知

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2019-04-08

 契約の更新がなく期間の満了により終了する契約期間が1年以上の定期借家契約においては、期間満了の1年前から6か月までの間に、家主は、借家人に対し、期間の満了により賃貸借が終了する旨の通知をしなければならず、この通知を怠ると家主は、借家人に対し、終了をもって対抗することができません(借地借家法38条4項)。

 ただ、この終了の通知を怠った場合でも、改めてその通知をした日から6か月が経過することにより定期借家契約は終了する(同法38条4項但書)とされており、東京地裁平成21年3月19日判決は、「借地借家法38条所定の定期建物賃貸借契約においては、契約の更新がないことを有効に定めることが可能であるから、契約は期間満了によって終了する。すなわち、賃貸人が借地借家法26条1項所定の更新しない旨の通知をしなくても、同項に基づいて従前の契約と同一の条件で更新したものとみなされることはない。

 また、期間満了後に賃借人が建物の使用を継続し、賃貸人が遅滞なく異議を述べなかったとしても、同条2項に基づいて従前の契約と同一の条件で更新したものとみなされることはないし、更新しない旨の明示かつ有効な合意が存在することから、民法619条1項に基づいて従前の賃貸借と同一の条件で更に賃貸借をしたものと推定(法律上の事実推定)されることもない(あるいは当然に推定が覆される)ものと解される。」  「他方、期間の満了によって直ちに賃借人が建物を明け渡さなければならないとすると、賃借人が期間を失念していたような場合には、代替する借家を見つけていないこともあり得るので、賃借人にとって酷な事態になりかねない。

 そこで、借地借家法38条4項は、契約期間が1年以上である場合には、期間満了の1年前から6か月前までの間に、契約が終了する旨の通知を賃貸人に義務づけ、賃借人に契約終了に関する注意を喚起し、代替物件を探すためなどに必要な期間を確保することとした。

 そして、通知期間内に通知を怠った 場合には、これにより賃借人が不測の損害を被ることにもなりかねないので、賃借人を保護する観点から、賃貸人が通知期間後の通知をしてから6か月間賃貸借の終了を対抗することができないものとした。

 ただし、これは一種の制裁として賃借人による建物の占有が適法化されるものであるから、賃借人の側から契約終了を認めて契約関係から離脱することは自由にできるものと解される。」  「借地借家法38条所定の定期建物賃貸借契約のうち契約期間が1年以上のものについて、賃貸人が期間満了に至るまで同条4項所定の終了通知を行わなかった場合、賃借人がいかなる法的立場に置かれるかについては争いがあるところ、上記…で述べた定期建物賃貸借契約や終了通知の法的性格ないし法的位置づけ等に照らすと、定期建物賃貸借契約は期間満了によって確定的に終了し、賃借人は本来の占有権原を失うのであり、このことは、契約終了通知が義務づけられていない契約期間1年未満のものと、これが義務づけられた契約期間1年以上のものとで異なるものではないし、後者について終了通知がされたか否かによって異なるものでもない、 ただし、契約期間1年以上のものについては、賃借人に終了通知がされてから6か月後までは、 賃貸人は賃借人に対して定期建物賃貸借契約の終了を対抗することができないため、賃借人は明渡しを猶予されるのであり、このことは、契約終了通知が期間満了前にされた場合と期間満了後にされた場合とで異なるものではない」と判示しています。



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