正当な退職勧奨と不法行為を構成する退職強要

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2022-10-11

   使用者が労働者に対し退職を促すこと(退職勧奨)は違法ではありませんが,それが退職強要になると違法と評価されることになります。

   この退職勧奨と退職強要に関する裁判例を見ると,東京地裁平成23年12月28日判決が,退職勧奨について「勧奨対象となった労働者の⾃発的な退職意思の形成を働きかけるための 説得活動であるが,これに応じるか否かは対象とされた労働者の⾃由な意思に委ねられるべきものである」,「使⽤者は,退職勧奨に際して,当該労働者 に対してする説得活動について,そのための⼿段・⽅法が社会通念上相当と認められる範囲を逸脱しない限り,使⽤者による正当な業務⾏為としてこれを⾏い得る」とする⼀⽅,「労働者の⾃発的な退職意思を形成する本来の目的実現のために社会通念上相当と認められる限度を超えて,当該労働者に 対して不当な⼼理的圧⼒を加えたり,⼜は,その名誉感情を不当に害するような⾔辞を⽤いたりすることによって,その⾃由な退職意思の形成を妨げるに⾜りる不当な⾏為ないし⾔動をすることは許され」ないとした上で,「退職勧奨の対象となった社員がこれに消極的な意思を表明した場合であっても」「更に具体的かつ丁寧に説明⼜は説得活動をし,また,真摯に検討してもらえたのかどうかのやり取りや意向聴取をし,退職勧奨に応ずるか否かにつき再検討を求めたり,翻意を促したりすることは,社会通念上相当と認められる範囲を逸脱した態様でなされたものでない限り,当然に許容される」としています。


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