遺産分割協議の債務不履行による法定解除
2025-04-21
遺産分割においては共同相続人のひとりが相続財産を取得する代わりに親の世話をすることを他の共同相続人と約束することがありますが,この約束が守られなかった場合に債務不履行を理由として遺産分割協議を解除できるのかという問題があります。
この問題に関し,最高裁平成元年2月9日判決は,「共同相続人間において遺産分割協議が成立した場合に,相続人の一人が他の相続人に対して右協議において負担した債務を履行しないときであつても,他の相続人は民法五四一条によつて右遺産分割協議を解除することができないと解するのが相当である。 けだし,遺産分割はその性質上協議の成立とともに終了し,その後は右協議において右債務を負担した相続人とその債権を取得した相続人間の債権債務関 係が残るだけと解すべきであり,しかも,このように解さなければ民法九〇九条本文により遡及効を有する遺産の再分割を余儀なくされ,法的安定性が著しく害されることになるからである」と判示してこの債務不履行による解除を否定しています。
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公園で咲く花
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