解約手付による契約の解除

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2025-12-01

 売買契約等を締結する際に金銭その他の有償物として手付が交付されることがあるところ,民法557条1項は,「買主が売主に手付を交付したときは,買主はその手付を放棄し,売主はその倍額を現実に提供して,契約の解除をすることができる」として手付が解除権を留保する目的で交付するものであることを規定しています。

 この売主の手付倍返しによる解除において現実の提供が必要とされる趣旨について,最高裁平成6年3月22日判決は,「買主が同条項によって手付けを放棄して契約の解除をする場合との均衡からしても,単に口頭により手付けの倍額を償還する旨を告げその受領を催告するのみでは足りず,買主に現実の提供をすることを要するものというべきである」と判示しています。


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