婚姻費用とその分担の始期、その変更・取消
2020-09-14
夫婦は、その資産、収入、その他一切の事情を考慮して婚姻から生ずる費用(婚姻費用)を分担する(民法760条)とされています。
そして、婚姻費用とは、夫婦と未成熟の子によって構成される婚姻家族がその資産・収入・社会的地位等に応じた通常の社会生活を維持するのに必要な費用(大阪高裁昭和33年6月19日決定等)で、通常の衣食住の費用、子の教育費、子の出産費用、医療費などがこれにあたるとされています。
いつからこれを分担するかについては過去にさかのぼった時点から支払いを命ずることができる(最高裁昭和40年6月30日決定)とされ、調停申立てなど権利者から義務者に対し請求した時点までさかのぼって請求できるとする(東京高裁昭和60年12月26日決定など)のが一般的なようです。
また、調停が成立したり審判が確定した場合でも、その後にそれらの基礎となった事情に変化が生じたときは、婚姻費用分担義務の変更・取消の調停・審判をすることができる(大阪高裁昭和49年2月28日決定)とされています。
なお、内縁の夫婦も婚姻費用の分担請求が可能(最高裁昭和33年4月11日判決)とされています。
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