「相続させる」趣旨の遺言の効力

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2021-04-12

 被相続人は、遺言で遺産の分割の方法を定めることができる(民法908条)とされているところ、遺産を「相続させる」という遺言がこの遺産の分割の方法の指定になるかどうかが問題となることがあります。

 この問題に関する裁判例を見ると、最高裁平成3年4月19日判決は、特定の遺産を特定の相続人に「相続させる」趣旨の遺言は、遺言書の記載からその趣旨が遺贈であることが明らかであるか又は遺贈と解すべき特段の事情がない限り、遺産の分割の方法を定めたものであるとし、特定の遺産を特定の相続人に「相続させる」趣旨の遺言があった場合は、その遺言において、相続による承継をその相続人の意思表示にかからせたなどの特段の事情のない限り、何らの行為を要せずして、被相続人の死亡時に直ちにその遺産はその相続人に相続により承継されるものとしています。

 また、登記に関し、最高裁平成7年1月24日判決は、遺言により所有権を取得した相続人は、単独で登記手続をすることができるとし、最高裁平成14年6月10日判決は、特定の遺産を特定の相続人に「相続させる」趣旨の遺言によって不動産を取得した者は、登記なくしてその権利を第三者に対抗することができるとしています。

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