契約を規律する規範としての適合性の原則

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2025-11-10

 金融商品取引法40条は,「金融商品取引行為について,顧客の知識,経験,財産の状況及び金融商品取引契約を締結する目的に照らして不適当と認められる勧誘を行って」はならないと規定しているところ,このルールを適合性の原則と言います。

 この原則と不法行為との関係が問題となった最高裁平成17年7月14日判決は,「平成10年法律第107号による改正前の証券取引法54条1項1号,2号及び証券会社の健全性の準則等に関する省令(昭和40年大蔵省令第60号)8条5号は,業務停止命令等の行政処分の前提要件としてではあるが,証券会社が, 顧客の知識,経験及び財産の状況に照らして不適当と認められる勧誘を行って投資者の保護に欠けることとならないように業務を営まなければならないとの趣旨を規定し,もって適合性の原則を定める(現行法の43条1号参照)。また,平成4年法律第73号による改正前の証券取引法の施行されていた当時にあっては,適合性の原則を定める明文の規定はなかったものの,大蔵省証券局長通達や証券業協会の公正慣習規則等において,これと同趣旨の原則が要請されていたところである。これらは,直接には,公法上の業務規制,行政指導又は自主規制機関の定める自主規制という位置付けのものではあるが,証券会社の担当者が,顧客の意向と実情に反して,明らかに過大な危険を伴う取引を積極的に勧誘するなど,適合性の原則から著しく逸脱した証券取引の勧誘をしてこれを行わせたときは,当該行為は不法行為法上も違法となると解するのが相当である」と判示してこの原則違反が不法行為となるとしています。


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