敷金と敷引特約の有効性

記事カテゴリー:お知らせ, ブログ, 不動産, 消費者

2025-12-22

 賃貸借から生じる損害の担保として借主から貸主に交付される金銭が敷金であるところ,この敷金のうちの一定額を返還しないことにする敷引特約が結ばれることがあります。

 災害によって賃貸借契約が終了した場合の敷引特約の適用が問題となった最高裁平成10年9月3日判決は,「居住用の家屋の賃貸借における敷金につき,賃貸借契約終了時にそのうちの一定金額又は一定割合の金員(以下)「敷引金」という。)を返還しない旨のいわゆる 敷引特約がされた場合において,災害により賃借家屋が滅失し,賃貸借契約が終了したときは,特段の事情がない限り,敷引特約を適用することはできず,賃貸人は賃借人に対し敷引金を返還すべきものと解するのが相当である。けだし,敷引金は個々の契約ごとに様々な性質を有するものであるが,いわゆる礼金として合意された場合のように当事者間に明確な合意が存する場合は別として,一般に,賃貸借契約が火災,震災,風水害その他の災害により当事者が予期していない時期に終了した場合についてまで敷引金を返還しないとの合意が成立していたと解することはできないから,他に敷引金の不返還を相当とするに足りる特段の事情がない限り,これを賃借人に返還すべきものであるからである」と判示して敷引特約の適用を否定しています。


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