解雇が無効となった場合の賃金と中間利益

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2025-01-20

 解雇が無効と判断された場合,その労働者には解雇期間中の賃金請求権が認められることになりますが,その労働者が解雇期間中に他の収入(中間利益)を得ていた場合にはこの中間利益の処理が問題となります。

 この問題について,最高裁昭和62年4月2日判決は,「使用者の責めに帰すべき事由によって解雇された労働者が解雇期間中に他の職に就いて利益を得たときは,使用者は右労働者に解雇期間中の賃金を支払うに当たり右利益(以下「中間利益」という。)の額を賃金額から控除することができるが,右賃金額のうち労働基準法12条1項所定の平均賃金の6割に達するまでの部分については利益控除の対象とすることは禁止されているものと解するのが相当である。したがって,使用者が労働者に対して有する解雇期間中の賃金支払債務のうち平均賃金の6割を超える部分から当該賃金の支給対象期間と時期的に対応する期間内に得た中間利益の額を控除することは許されるものと解すべきであり,右利益の額が平均賃金の4割を超える場合には,更に平均賃金算定の基礎に算入されない賃金(労基法12条4項所定の賃金)の全額を対象として利益額を控除することが許されるものと解せられる」と判示しています。

 

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