Archive for the ‘相続’ Category

身寄りや資力のない人による成年後見制度の利用

2017-11-06

成年後見制度を利用する場合、費用を負担できる資力や申立てを行ってくれる親族などが必要になりますが、費用の負担が難しい人や身寄りのいない人が少なくありません。そこで、4親等内の親族がいない場合、市区町村長が申し立てをすることができるとされているところ、国民年金等を受給して特別養護老人ホームに入所している人につき成年後見を開始して社会福祉士を成年後見人に選任した事案につき非訟事件手続法26条により手続費用を市長に負担させている(大阪家裁平成14年5月8日審判)一方で、弁護士を成年後見人に選任した事案につき本人の資産内容を考慮して非訟事件手続法28条により手続費用を申立人である区長ではなく本人に負担させています(東京家裁平成14年5月14日審判)。

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高齢者などによる縁組意思を欠いた養子縁組

2017-10-23

養子縁組は、養親となるべき者と養子となるべき者との合意に基づく養子縁組届によって行われます(民法799条)が、財産的な法律関係を作出することのみを目的とする場合には縁組意思を欠くものとして養子縁組は無効とした裁判例(大阪高裁平成21年5月15日判決)があります。

また、判断能力が低下した高齢者の財産獲得を目的とする養子縁組がみられるところ、認知症を発症した高齢者の養子縁組を無効とした裁判例として東京高裁平成21年8月6日判決、名古屋家裁平成22年9月3日判決があります。

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相続財産と死亡退職金・生命保険金

2017-07-18

死亡を原因として遺族などに支払われるものとして死亡退職金と生命保険金がありますが、これらが相続財産に含まれるかどうかが問題になります。

まず、死亡退職金に関する裁判例を見ると、退職金に関する規程において死亡退職金の第1順位の受給権者は配偶者で配偶者がいるときには子は支給を受けないとされていた事案に関する最高裁昭和55年11月27日判決は、「右規程は、専ら職員の収入に依拠していた遺族の生活保障を目的とし、民法とは別の立場で受給権者を定めたもので、受給権者たる遺族は、相続人としてではなく、右規程の定めにより直接これを自己固有の権利として取得する」として「右死亡退職金の受給権は相続財産に属さ」ないとしています。また、退職金支給規程の存在しない財団法人の理事長が死亡した事案に関する最高裁昭和62年3月3日判決は、「死亡退職金は」「相続という関係を離れて・・・配偶者であった被上告人個人に対して支給されたものである」とした原判決を維持しています。

次に、生命保険金に関する裁判例を見ると、保険契約者が特定の相続人を受取人として指定している場合について、大審院昭和11年5月13日判決、最高裁昭和40年2月2日判決、最高裁平成16年10月29日判決は、保険契約の効力として、保険金請求権は、相続人の固有財産に属し相続財産にはならないとし、また、保険契約者が受取人を単に相続人と指定している場合について、最高裁昭和48年6月29日判決は、特段の事情がない限り、相続人全員の固有財産となり、相続財産から離脱するとしています。

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遺言書の検認と執行

2017-02-27

遺言書を保管している人や遺言書を発見した相続人は、相続の開始を知った後、遅滞なく家庭裁判所に遺言書を提出してその検認を請求しなければならない(民法1004条)とされています。

検認は、遺言書の現状を確定してその偽造、変造を防止し、その保存を確実にすることを目的としており、公正証書方式以外の方式によって作成された遺言書はすべて検認が必要となります。そして、遺言書の検認を請求する義務を負う相続人が遺言書を隠匿すると相続欠格となり(民法891条5号)、受遺者が遺言書を隠匿すると受遺欠格となります(民法965条、891条5号)。

ただ、遺言書の検認を経ないからといって遺言の効力が左右されるものではないとされており(大審院昭和3年2月2日判決)、検認を経ないで行われた遺言の執行も有効ですが、登記実務では、検認未了の自筆遺言書を相続証明書として添付した相続登記申請書は却下される(平成7年10月18日、法務省民事局第三課長通知)ようです。

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祭祀の主宰者の指定

2017-02-20

相続人は、被相続人に属した一切の権利義務を相続によって承継します(民法896条)が、系譜、祭具、墳墓などの祭祀財産は相続の対象からはずされて祭祀の主宰者が承継することになっています(民法897条)。

祭祀の主宰者は、

    ①被相続人による指定
    ②指定がないときはその地方の慣習
    ③指定がなく慣習も明らかではないときは家庭裁判所による指定

によって決まります。

そして、被相続人による指定の方法は生前行為でも遺言でもよく、また、書面。口頭のいかんを問わず、指定の意思が外部から推認されればよいとされているようです。

そこで、祭祀の主宰者の指定が問題となった裁判例を見ると、被相続人が生前にその全財産を贈与して家業を継がせた者を祭祀の主宰者と認定した名古屋高裁昭和59年4月19日判決や被相続人はその所有する墓碑に建立者として祭祀を承継させる者の氏名を刻んでその意思を明らかにしているとして墓碑に氏名を刻まれた者を祭祀の承継者とした長崎家裁諫早出張所昭和62年8月31日審判などがあります。

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遺言による遺留分の放棄の依頼

2016-11-28

 相続が開始する前の相続の放棄は無効とされますが、相続開始前の遺留分の放棄は、家庭裁判所の許可を受ければ有効です(民法1043条第1項)。そして、相続が開始する前に遺留分放棄許可を申し立てられた家庭裁判所は、その申立てが自由な意思に基づくものかどうかなどを考慮して許可あるいは却下の審判をします。

 また、相続が開始した後は家庭裁判所の許可を要することなく遺留分を放棄することが出来ます。そこで、相続が開始した後に争いになるのを避けるため、遺言で遺留分を放棄するよう求めることがありますが、遺言に放棄を強制する効力はないことから、このような遺言は、遺言者の希望を述べるという意味を持つにとどまります。



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遺言による遺産分割の方法の指定・相続分の指定・遺贈

2016-11-21

 遺言をすることによって、遺産分割の方法の指定や相続分の指定、財産上の利益を与える遺贈をすることが出来ますが、「Aという財産を甲に、Bという財産を乙に相続させる」といった遺言が行われた場合、それが遺贈か相続分の指定か遺産分割の方法の指定なのかが問題となることがあります。

 この点に関する裁判例を見ると、東京地裁昭和41年6月25日判決は、特別の事情のない限り遺産分割の方法の指定であって遺贈ないし相続分の指定ではないと判示しています。

 また、最高裁平成3年4月19日判決は、遺贈であることが明らかであるか又は遺贈と解すべき特別の事情のない限り、遺贈と解すべきではなく、特定の相続人に特定の財産を取得させるべきことを指示する遺産分割の方法を定めたものであり、もし、その特定の財産の価額が特定の相続人の法定相続分の割合を超えるときは、相続分の指定を伴う遺産分割の方法を定めたものと解するのが相当であると判示しています。



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法定後見と任意後見

2016-11-07

 判断能力に問題がある人を保護する制度として成年後見制度があり、この制度は法定後見と任意後見に分けることが出来ます。法定後見は、民法が定めるもので後見・保佐、補助という類型があり、家庭裁判所の審判によって開始します。

 一方、任意後見は、任意後見契約に関する法律(任意後見契約法)が定めるもので委任者が将来に備えてあらかじめ受任者に代理権を与え自らの保護の方法等を指定しておく契約です。

 法定後見と任意後見の優劣については、任意後見契約が優先されることになっています。任意後見契約を締結した人に法定後見が申し立てられた場合には「本人の利益のため特に必要であると認められるとき」に限り法定後見の審判が行われることになります(任意後見契約法4条1項2号)。

 そして、法定後見が「特に必要である」と認められる場合としては、任意後見契約法4条1項3号ロ、ハ所定の事由がある場合や任意後見受任者の適格性に問題がある場合などが考えられます。



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父(又は母)の死亡と認知

2016-07-25

 婚姻関係にない相手方との間で産まれた子を自分の子であると認めることを認知と言います。この認知は、遺言によって行うことも出来ます。

 また、父(又は母)が任意に認知をしないときに、その子は、認知の訴えを提起することが出来ますが、身分関係に伴う法的安定性が害されることを避けるため、父(又は母)が死亡した日から3年が経過するとこの認知の訴を提起することは出来なくなります。



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遺言書における押印

2016-06-13

 自筆証書によって遺言をする場合、遺言をする人は、遺言の全文・日付・氏名を自書してこれに押印することになりますが、毛筆などで行う「花押」がこの押印に当たるかどうかが問題となっている裁判の上告審判決が平成28年6月3日にありました。

 1審の那覇地裁と2審の福岡高裁那覇支部は、いずれも「花押」をこの押印に当たるとして遺言書を有効としましたが、最高裁は、「押印は遺言者の同一性や真意を確認するためにあるが、日本では、押印の代わりに花押で文書を完成させる慣行はなく、花押と押印は同視できない」として遺言書を無効とした上で、1、2審判決を破棄し、福岡高裁に審理を差し戻す判決をしました。



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