Archive for the ‘交通事故’ Category

交通事故における被害車両の修理費・買替え費用

2017-05-08

交通事故によって損傷した車両について修理が相当な場合には適正な修理費相当額が損害として認められます。また、損傷した車両が修理不能と認められる状態になった場合には最高裁昭和49年4月15日判決が「交通事故により自動車が損傷を被った場合において、被害車輛の所有者が、これを売却し、事故当時におけるその価格と売却代金との差額を事故と相当因果関係のある損害として加害者に対し請求しうるのは、被害車輛が事故によって、物理的又は経済的に修理不能と認められる状態になったときのほか、被害車輛の所有者においてその買替えをすることが社会通念上相当と認められるときをも含むものと解すべきであるが、被害車輛を買替えたことを社会通念上相当と認めうるがためには、フレーム等車体の本質的構造部分に重大な損傷の生じたことが客観的に認められることを要する」と判示していることから、被害車輌が①物理的・経済的に修理不能と認められる状態になったときと、②車体の本質的構造部分に重大な損傷の生じたことが客観的に認められ、買替えをすることが社会通念上相当と認められるときには、当該被害車両の事故当時における取引価格と売却代金との差額が損害として認められます。

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交通事故における慰謝料の算定基準

2017-04-24

不法行為によって被った損害の賠償としては財産的損害に対する賠償の他に精神的損害(精神的苦痛)に対する賠償としての慰謝料がありますが、算定基準がないと不公平が生じるおそれがあり、また、予測が困難になることから、交通事故においては慰謝料の算定基準が作成され利用されています。

①裁判基準
裁判基準としての性格を有するものとして公益財団法人日弁連交通事故相談センター編の「交通事故損害額算定基準」(いわゆる青い本)と公益財団法人日弁連交通事故相談センター東京支部編の「民事交通事故訴訟損害賠償額算定基準」(いわゆる赤い本)があります。

②自賠責保険基準
自賠責保険では「自動車損害賠償保険の保険金等及自動車損害賠償責任共済の共済金等の支払基準」において、慰謝料の額の算出方法が定められています。

③任意保険基準
保険会社ごとに支払基準が定められています。なお、保険会社が示談のために提示する額は「青い本」「赤い本」に記載されている額より低いことが多いようです。

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自賠責の支払基準と裁判所の判断

2017-03-27

自動車損害賠償保障法(自賠法)16条の3第1項は、「保険会社は保険金等を支払うときは、死亡、後遺障害及び傷害の別に国土交通大臣及び内閣総理大臣が定める支払基準(以下「支払基準」という。)に従ってこれを支払わなければならない」と規定しているところ、この支払基準が裁判所を拘束するかどうかという問題があります。

この問題に関する裁判例を見ると、最高裁平成18年3月30日判決が「法16条の3第1項の規定内容からすると、同項が、保険会社に、支払基準に従って保険金等を支払うことを義務付けた規定であることは明らかであって、支払基準が保険会社以外の者も拘束する旨を規定したものと解することはできない。

支払基準は、保険会社が訴訟外で保険金等を支払う場合の支払額と訴訟で支払を命じられる額が異なることがあるが、保険会社が訴訟外で保険金等を支払う場合には、公平かつ迅速な保険金等の支払の確保という見地から、保険会社に対して支払基準に従って支払うことを義務付けることに合理性があるのに対し、訴訟においては、当事者の主張立証に基づく個別的な事案ごとの結果の妥当性が尊重されるべきであるから、上記のように額に違いがあるとしても、そのことが不合理であるとはいえない」と判示して、自賠責の支払基準は裁判所を拘束しないとし、また、最高裁平成24年10月11日判決も、上記最高裁平成18年3月30日判決を引用して「16条1項に基づいて被害者が保険会社に対して損害賠償額の支払いを請求する訴訟において、裁判所は、法16条の3第1項が規定する支払基準によることなく損害賠償額を算定して支払を命じることができる」と判示しています。

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飲酒を共にした者の交通事故についての不法行為責任

2017-03-21

飲酒運転による交通事故においてその飲酒を共にした者がいる場合、運転者に加えてその飲酒を共にした者の不法行為責任も問題となります。

1) 飲酒を共にしたが車に同乗しなかった者の責任についての裁判例を見ると、責任を否定するもの(東京地裁平成18年2月22日判決)と責任を肯定するもの(東京地裁平成18年7月28日判決)があります。

2) 飲酒を共にした後に車に同乗した者の責任についての裁判例を見ると、責任を否定するもの(京都地裁昭和61年1月30日判決)もありますが、責任を肯定するものが多く(最高裁昭和43年4月26日判決、福岡高裁昭和54年10月25日判決、東京地裁八王子支部平成15年5月8日判決、山形地裁米沢支部)平成18年11月24日判決、仙台地裁平成19年10月31日判決など)、近時の裁判例を見ても、東京地裁平成24年3月27日判決は、運転者が正常な運転をすることが困難であることを認識していたにもかかわらずその運転を了解して同乗した者につきその運転を制止すべき注意義務に違反して危険運転を幇助したとして民法719条2項の責任を肯定しています。

3) 飲酒を共にした後に車に同乗したが事故時には同乗していなかった者の責任についての裁判例を見ると、福島地裁昭和51年2月6日判決は、その責任を肯定しています。

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通勤災害に対する保険給付

2016-10-31

 労働者災害補償保険法(労災保険法)において「通勤」とは、労働者が就業に関し

① 住居と就業場所との往復

② 就業場所から他の就業場所への移動

③ ①の往復に先行または後続する住居間の移動を合理的な経路及び方法により行うこと(同法7条2項)とされています。

そして、保険給付の対象となる「通勤災害」とは、この「通勤による負傷、疾病、障害又は死亡」(同法7条1項2号)で、通勤駅の階段で転倒したことによる負傷などがこれに該当すると考えられますが、通勤に通常伴う危険が現実化したものと考えられているため、通勤中殺害されても、たまたま犯行の機会が通勤中であったという場合には「通勤災害」には当たらないとした裁判例(大阪高裁平成12年6月28日判決)があります。



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不法行為による損害賠償額への被害者の身体的特徴の影響

2016-02-22

 交通事故などの不法行為による損害の発生・拡大に被害者の身体的特徴が影響している場合、損害賠償額の算定においてこのことをどう評価するかが問題となります。

 この点、最高裁平成8年10月29日判決が、疾患に該当する身体的特徴に関しては、「被害者に対する加害行為と加害行為前から存在した被害者の疾患とが共に原因となって損害が発生した場合において、当該疾患の態様、程度などに照らし、加害者に損害の全部を賠償させるのが公平を失するときは、裁判所は、損害賠償の額を定めるに当たり、民法722条2項の規定を類推適用して、被害者の疾患を斟酌することができることは、当裁判所の判例(・・・平成4年6月25日第一小法廷判決・・・)とするところである。

 そしてこのことは、加害行為前に疾患に伴う症状が発現していたかどうか、疾患が難病であるかどうか、疾患に罹患するにつき被害者の責めに帰すべき事由があるかどうか、加害行為により被害者が被った衝撃の強弱、損害拡大の素因を有しながら社会生活を営んでいる者の多寡等の事情によって左右されるものではないというべきである」とし、疾患に該当しない身体的特徴に関しては、「被害者が平均的な体格ないし通常の体質と異なる身体的特徴を有していたとしても、それが疾患に当たらない場合には、特段の事情の存しない限り、被害者の右身体的特徴を損害賠償の額を定めるに当たり斟酌することはできないと解すべきである」としています。



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高齢者の交通事故による死亡被害

2016-01-12

 平成27年の交通事故による死者において、65歳以上の高齢者の占める割合が54.6%に上ったと平成28年1月5日付け新聞が報道しています。

 交通事故の件数は、前年比3万6676件減の53万6789件で11年連続の減少となっていますが、交通事故による死者数は、4117人で前年より4人増え15年ぶりに前年を上回っています。また、交通事故による高齢者の死者数は、2247人で前年より54人増え統計がとられるようになってから最も大きい数値となっています。

 上記報道によれば、歩行中に事故に巻き込まれるケースが目立っており、警察当局は、高齢者向けの安全講習など事故防止対策を徹底するそうです。



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交通事故の被害者を救済するための政府保障事業

2015-11-24

 加害自動車の保有者が明らかではないひき逃げ事故や自賠責保険等の被保険者以外の者が責任を負う無保険事故などにおける被害者を救済するものとして政府保障事業があります。

 政府保障事業は、自賠責保険・共済の対象とならない被害者の損害を填補する制度で、政令において定められた額の限度で政府が被害者の被った損害を填補します。請求出来るのは被害者で人身事故が対象とされています。また、他の法冷に基づく災害補償給付を受けることが出来る場合には、その限度で填補されないということになっています。



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自動車事故による人の死傷

2014-08-18

 自動車の運転による死傷事案に適切に対応するため、自動車の運転により人を死傷させる行為等の処罰に関する法律(自動車運転処罰法)が平成25年11月27日に公布され、平成26年5月20日から施行されています。

 この法律は、自動車犯罪事案に関するもので、

①危険運転致死傷罪(刑法から移したもの)

②通行禁止道路を進行しかつ重大な交通の危険を生じさせる速度による危険運転致死傷罪(新しい類型)

③アルコール又は薬物・自動車の運転に支障を及ぼすおそれがある病気として政令で定めるもの(一定の統合失調症、てんかん、低血糖症、そう鬱病等)の影響による危険運転致死傷罪(新しい類型)

④過失運転致死傷アルコール等影響発覚免脱罪(アルコール等の影響によりその走行中に正常な運転に支障が生じるおそれがある状態で自動車を運転して人を死傷させるとともに、アルコール等の影響の有無・程度が発覚することを免れようとするもの)

⑤過失運転致死傷罪(刑法の自動車運転過失致死傷罪を移したもの)

⑥無免許運転であったときに刑を加重することを内容としています。

 重大な被害を引き起こす悪質かつ危険な運転行為の抑止やその適正な対処に本法が寄与することが期待されます。


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交通事故に関するトラブルとADR(裁判外紛争解決手続)の利用

2014-05-26

交通事故による被害者がその損害の賠償を受ける方法としては、加害者、保険会社などとの交渉や裁判の他に、裁判外紛争処理機関に対して紛争処理(ADR: Alternative Dispute Resolution)を申し立てるという方法も存在します。

判断が難しい法律問題がある場合や事故状況などについて双方の言い分が大きく食い違っている場合などADRによる処理になじまない事案もありますが、裁判などに比べ費用が少なくて済む、早期の解決を図りやすいといったメリットがADRにはあります。

交通事故に関するADRとしては、
①公益財団法人日弁連交通事故相談センター
②公益財団法人交通事故紛争処理センター
③一般財団法人自賠責保険・共済紛争処理機構
④損害保険相談・紛争解決サポートセンター(そんぽADRセンター)
といったものがあります。


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