9月, 2018年

マンションの瑕疵と契約の解除

2018-09-24

 マンションを購入した後にさまざまな不都合が判明することがありますが、このような瑕疵がマンションの売買契約の解除原因となるかが問題となります。

 まず、マンション内で自殺があったことが判明した事案について、横浜地裁平成元年9月7日判決は、「売買の目的物に瑕疵があるというのは、その物が通常保有する性質を欠いていることをいうのであって、右目的物が建物である場合、建物として通常有すべき設備を有しない等の物理物欠陥としての瑕疵のほか、建物は、継続的に生活する場であるから、建物にまつわる嫌悪すべき歴史的背景等に原因する心理的欠陥も瑕疵と解することができる」「解除をしうる瑕疵であるというためには、単に買主において右事由の存する建物の居住を好まないだけでは足らず、それが通常一般人において、買主の立場におかれた場合、右事由があれば、住み心地の良さを欠き、居住の用に適さないと感ずることに合理性があると判断される程度にいたったものであることを必要とする」とした上で、解除原因と認めています。

 また、シックハウスであることが判明した事案について、東京地裁平成17年12月5日判決は、「本件建物にはその品質につき当事者が前提としていた水準に到達していないという瑕疵が存在する」「当該瑕疵は取引上要求される一般的な注意を払っていても容易に発見し得ないものであるというべきである」として、解除原因と認めています。

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ひらま総合法律事務所 弁護士 平間民郎(Tel:03-5447-2011)

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LINE@アカウントを開設いたしました

2018-09-19

 スマートフォンなどからでも気軽にお問い合わせをしていただけるようにするため、当事務所では、LINE@アカウントを開設し、LINEによるご相談(当事務所にご来所していただくことになります)の予約の受け付け等を開始しました。

 当アカウントのテキストメッセージ(チャット)は24時間対応しています(LINE Outや電話による対応は午前6時から午後8時までとなっております)。

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マンションの建築による景観、日照の侵害

2018-09-17

 マンションの増加に伴い、周辺住民との間でマンションにより景観や日照が害されるというトラブルが生じることがあります。

 このようなトラブルに関する裁判例を見ると、景観の保護が問題になった最高裁平成18年3月30日判決は、「良好な景観に近接する地域内に居住し、その恵沢を日常的に享受している者は、良好な環境が有する客観的な価値の侵害に対して密接な利害関係を有するものというべきであり、これらの者が有する良好な景観の恵沢を享受する利益(以下「景観利益」という。)は、法律上保護に値する」としつつ、「もっとも、この景観利益の内容は、景観の性質、態様等によって異なり得るものであるし、社会の変化に伴って変化する可能性のあるものでもあるところ、現時点においては、私法上の権利といい得るような明確な実体を有するものとは認められず、景観利益を超えて「景観権」という権利性を有するものを認めることはできない」「本件建物の建築は、行為の態様その他の面において社会的に容認された行為としての相当性を欠くものとは認め難く、上告人らの景観利益を違法に侵害する行為に当たるということはできない」と判示しています。

 また、日照被害が問題になった広島地裁平成15年8月28日判決は、「受忍限度を超える侵害であるか否かについては、日影規制違反など公法規制違反の有無、日照阻害の程度、地域性、交渉経過等を総合的に考慮して判断すべきである」とした上で、「本件マンション建設は、社会観念上妥当な権利行使としての範囲を逸脱し」「違法性を帯びる」と判示しています。

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認知されていない子との間での扶養の権利義務

2018-09-10

 嫡出でない子と父との法律上の父子関係は認知によって発生するところ、認知のない血縁上の父子の間に扶養の権利義務関係は生じないかという問題があります。

 この問題に関する裁判例をみると、東京地裁昭和54年3月28日判決は、「非嫡出子については、父が認知しないかぎり法律上の父子関係が発生しなく、法律上の父子関係がない以上父は単に血縁上の子に対しては扶養義務を負わない」と判示しています。

 一方、認知請求訴訟の係属中でその判決が確定する前に扶養を請求した事案について、福岡家裁昭和40年8月6日審判は、認知請求を正当として扶養義務を肯定し、また、請求者が内縁の夫の子であると推定される事案について、東京家裁昭和50年7月15日審判は、認知請求事件の判決をまたずに扶養義務を肯定しています。

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内縁関係における費用の分担

2018-09-03

 夫婦は、その資産、収入その他一切の事情を考慮して婚姻から生じる費用(婚姻費用)を分担する(民法760条)とされているところ、内縁も婚姻に準ずる関係として婚姻におけるのと同様の費用の分担が認められるかどうかが問題となります。

 そこで、この問題に関する裁判例をみると、最高裁昭和33年4月11日判決が「内縁が法律上の婚姻に準ずる関係と認むべきであること前記説明の如くである以上、民法760条の規定は、内縁に準用されるものと解すべき」とした上、「被上告人の支出した医療費は、別居中に生じたものであるけれども、なお、婚姻から生じる費用に準じ、同条の趣旨に従い、上告人においてこれを分担すべきものといわなければならない」と判示しています。

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