6月, 2020年

賃借権・地上権の時効取得

2020-06-29

   所有権の時効取得について民法162条が規定しているところ、所有権以外の財産権である賃借権や地上権についても時効取得は認められます(同法163条)。

1  賃借権の時効取得に関して最高裁昭和43年10月8日判決は、「土地の継続的な用益という外形的事実が存在し、かつ、それが賃借の意思に基づくことが客観的に表現されているときは、民法163条に従い土地賃借権の時効取得が可能である」としています。そして、無断の転貸借に基づき土地を用益している事案につき最高裁昭和44年7月8日判決が、また、無効な賃貸借に基づき賃料を支払っていた事案につき最高裁昭和45年12月15日判決が賃借権の時効取得を認め得るとしています。

2  地上権の時効取得に関して最高裁昭和45年5月28日判決は、「土地の継続的な使用という外形的事実が存在するほかに、その使用が地上権行使の意思に基づくものであることが客観的に表現されていることを要し」としています。そして、杉等の立木の所有を目的とする事案につき最高裁昭和46年11月26日判決が、当該土地を継続的に使用し、かつ、その使用が地上権の行使の意思に基づくものであることが客観的に表現されていたとして地上権の時効取得を認めています。


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当事務所内で咲く花

傷病により就業できない場合における給付金

2020-06-22

 勤務先の倒産等によって失職したことから失業の認定を受ける場合、公共職業安定所に出頭して職業の紹介を求めることになります(雇用保険法15条、雇用保険法施行規則22条)が、傷病等により継続して15日以上職業に就くことができなくなった場合、基本手当に代えて傷病手当が支給されます。

 そして、この傷病手当の日額は、基本手当の日額に相当する額で、その支給日数は、基本手当の所定給付日数から既に支給を受けた基本手当の日数を差し引いた日数が限度とされています(以上につき、雇用保険法37条)。

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元本債務・利息債務の承認と相殺と債務の承認

2020-06-15

 時効の中断事由のひとつとして「承認」(民法147条3号、156条)が規定されているところ、どのような行為がこの「承認」にあたるかが問題となります。

 この点、債務の一部の弁済は、債務全体の承認とされます(大審院大正8年12月26日判決)。また、利息の支払いは、元本債務についての承認とされます(大審院昭和3年3月24日判決)。さらに、支払いの猶予や延期の懇請も債務の承認となります(大審院大正10年3月4日判決)。

 一方、他の事情が伴わない限り、相殺の意思表示に対し異議を述べなかったとしても債務を承認したことにはならない(大審院大正10年2月2日判決)し、利息債権についての強制執行に対し異議を述べなかったとしても元本債務を承認したことにはならない(大審院大正11年4月14日判決)とされています。

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扶養されていた配偶者が離婚した後の年金

2020-06-08

 厚生年金に加入している夫の被扶養者となっている妻は、被保険者年金(厚生年金・共済年金)の被保険者の被扶養配偶者として国民年金の第3号被保険者になりますが、離婚して就職しない場合、国民年金の第1号被保険者になります。

 そこで、この場合、第1号被保険者への種別変更の届出が必要になります(以上につき、国民年金法7条、12条等)。第1号被保険者の届出は、住所地の市区町村役場で行います。

 そして、第1号被保険者になった月から保険料を納付することになります(同法87条等)。

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失業等給付を受給中に死亡した場合の遺族の受給権

2020-06-01

 失業等給付の支給を受けることができる者が死亡した場合においてまだ支給されていないものがあるときに未支給の保険給付を受けるべき者は、その未支給の失業等給付の支給を請求することができます。

 そして、死亡した者の配偶者、父母、孫又は兄弟姉妹でその者の死亡の当時その者と生計を同じくしていた者がこの未支給の失業等給付を受けるべき者とされています(以上について雇用保険法10条の3)。

 この未支給の失業等給付の請求は、受給資格者等が死亡したことを知った日の翌日から起算して1か月以内に行うことになりますが、受給資格者等が死亡した日の翌日から起算して6か月を経過したときには行うことができない(雇用保険法施行規則17条の2)とされています。

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