2月, 2023年

意思表示の効力の発生時期、受領能力についての民法の改正

2023-02-27

   意思表示の効力の発生時期,受領能力等について民法は改正を行っています。

   ① 96条2項は,「相手方が正当な理由なく意思表示の通知が到達することを妨げたときは,その通知は,通常到達すべきであった時に到達したものとみなす」として,意思表示の到達が擬制される場合について規定しています。

   ② 同条3項は,「意思表示は,表意者が通知を発した後に死亡し,意思能力を喪失し,又は行為能力の制限を受けたときであっても,そのためにその効力を妨げられない」と規定して,改正前に「行為能力の喪失」としていたのを変更し,また,「意思能力を喪失し」た場合を加えています。

   ③ 98条の2は,「意思表示の相手方がその意思表示を受けた時に意思能力を有しなかったとき又は未成年者若しくは成年被後見人であったときは,その意思表示をもってその相手方に対抗することができない。ただし,次に掲げる者がその意思表示を知った後は,この限りでない。

   1 相手方の法定代理人

   2 意思能力を回復し,又は行為能力者となった相手方」

と規定して,相手方が意思能力を有していなかった場合を加えています。


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心裡留保についての民法の改正

2023-02-20

   心理留保における第三者の保護等について民法は改正を行っています。

   ① 96条1項但書は,「相手方がその意思表示が表意者の真意でないことを知り,又は知ることができたときは,その意思表示は,無効とする」と規定して,改正前に「相手方が表意者の真意を知り」としていたのを変更しています。

   ② 同条2項は,「前項ただし書の規定による意思表示の無効は,善意の第三者に対抗することができない」として,善意の第三者の保護についての規定を設けています。


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詐欺についての民法の改正

2023-02-13

   第三者の詐欺等について民法は改正を行っています。96条1項は改正前と同じですが,

   ① 同条2項は,「相手方がその事実を知り,又は知ることができたときに限り,その意思表示を取り消すことができる」と規定して,第三者の詐欺についての取り消しを相手方が悪意である場合のほか相手方に過失のある場合にも認めています。

   ② 同条3項は,「善意でかつ過失がない第三者に対抗することができない」と規定して,改正前の「善意」を「善意でかつ過失がない」に改めています。


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錯誤の効果等についての民法の改正

2023-02-06

   錯誤の効果等について民法は改正を行っています。

   ① 95条1項は、「取り消すことができる」と規定して錯誤の効果を無効から取消へと変更しています。また、判断の要素について「法律行為の要素」と規定していたのを「その錯誤が法律行為の目的及び取引上の社会通念に照らして重要なものであるとき」へと変更しています。

   ② 同条2項は、「法律行為の基礎とした事情についてのその認識が真実に反する錯誤」(同条1項2号、動機の錯誤)について「その事情が法律行為の基礎とされていることが表示されていたときに限り」、取り消しが可能となることを規定しています。

   ③ 同条3項は、相手方が悪意・重過失の場合(1号)、共通錯誤の場合(2号)「の場合を除き」「錯誤が表意者の重大な過失によるものであった場合には」「取消しをすることができない」と規定しています。

   ④ 同条4項は、「取消しは、善意でかつ過失がない第三者に対抗することができない」として第三者の保護について規定しています。


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