5月, 2025年
面会交流の履行確保のための強制執行
離婚が問題となって父母の一方が子と別居しているような場合に親子の交流を実現する権利を面会交流権と言い,この面会交流について協議・調停・審判等で取り決めをすることがありますが,この取り決めが履行されない場合に強制執行が認められるのかという問題があります。
この問題について,最高裁平成25年3月28日決定は,「子を監護している親(以下「監護親」という。)と子を監護していない親(以下「非監護親」という。)との間で,非監護親と子との面会交流について定める場合,子の利益が最も優先して考慮されるべきであり(民法766条1項参照),面会交流は,柔軟に対応することができる条項に基づき,監護親と非監護親の協力の下で実施されることが望ましい。一方,給付を命ずる審判は,執行力のある債務名義と同一の効力を有する(平成23年法律第53号による廃止前の家事審 判法15条)。監護親に対し,非監護親が子と面会交流をすることを許さなければならないと命ずる審判は,少なくとも,監護親が,引渡場所において非監護親に対して子を引き渡し,非監護親と子との面会交流の間,これを妨害しないなどの給付を内容とするものが一般であり,そのような給付については,性質上,間接強制をすることができないものではない。したがって,監護親に対し非監護親が子と面会交流をすることを許さなければならないと命ずる審判において,面会交流の日時又は頻度,各回の面会交流時間の長さ,子の引渡しの方法等が具体的に定められているなど監護親がすべき給付の特定に欠けるところがないといえる場合は,上記審判に基づき監護親に対し間接強制決定をすることができると解するのが相当である」と判示しています。
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