賃貸借契約におけるいわゆる事故物件

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2016-04-04

   賃貸借契約の対象となっているマンション等が事故物件であった場合、このことの契約への影響や賃貸人の告知義務などが問題となります。

   この点、事故が発生した場所が大都市か地方都市か、単身用か家族用か、事故の状況、付近住民の反応、報道などによって異なると考えられますが、大都市部にある賃料の月額が4万8000円の借上社宅で社員に事故があった事案に関する東京地裁平成13年11月29日判決は、2年程度で心理的瑕疵が消失するとして賃料の減額を2年間認めています。

   また、大都市部にある賃料の月額が6万円の単身用のワンルームで賃借人に事故があった事案に関する東京地裁平成19年8月10日判決は、近所付き合いが相当程度希薄である、世間の耳目を集めるような特段の事情が認められないことなどを考慮して賃料の減額を3年間認めつつ、事故後に賃借した人が極短期間で退去したといった特段の事情が無い場合には、更に当該部屋を賃貸するにあたり、賃貸人に賃借希望者に対し事故があったことを告知する義務は無いとし、また、当該部屋の両隣・階下については、感じる嫌悪感の程度にかなりの差があることや大都市部のワンルームであることなどを考慮して、これらの部屋を新たに賃貸するにあたり、事故があったことを告知する義務は無いとしています。


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