Archive for the ‘経営’ Category

親子会社、兄弟会社と不当な取引制限

2014-12-29

   私的独占の禁止及び公正取引の確保に関する法律(独占禁止法)ではカルテルや入札談合といった不当な取引制限の禁止や企業結合の規制が定められていますが、ある会社が他の会社の議決権の過半数を保有する関係にある親子会社や親会社が同じである兄弟会社の間で事業を再編するために合併・会社分割・事業譲渡や事業の生産、販売拠点の統合等を行おうとする場合、公正取引委員会への届出の要否や不当な取引制限の成否などが問題となります。

   この点、独禁法上の同一の「企業結合集団」内の会社であれば、合併・会社分割・事業譲渡について公正取引委員会への届出は不要とされています。また、学説に争いはありますが、親子会社や兄弟会社の間での事業の生産、販売拠点の統合等については不当な取引制限は成立しないとする見解が有力なようです。

   このような問題を適切に解決するためには、判例・学説に加えて行政処分や公正取引委員会のガイドラインなどの検討も必要になります。


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〒108-0072東京都港区白金一丁目17番2号  白金アエルシティ  白金タワー  テラス棟4階
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知的財産制度と「知的財産立国」

2014-12-22

   知的創造活動によって生み出されたものを財産として保護するものが知的財産制度ですが、この知的財産制度を規律する特許法、意匠法、商標法、弁理士法、特許協力条約に基づく国際出願等に関する法律を改正することを内容とする「特許法等の一部を改正する法律」が平成26年4月25日に成立し、同年5月14日に公布されました。改正の主な内容は以下のようなものです。

   日本政府は、世界最高の「知的財産立国」を目指してさまざまな施策を推進しており、この改正もその一環と言えます。


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フランチャイジーに対する情報提供義務

2014-12-15

   居酒屋やコンビニエンスストアなどさまざまな事業においてフランチャイズビジネスが行われていますが、業績が低迷して、フランチャイザーのフランチャイジーに対する売上予測や予想収益等に関する情報提供義務違反が問題とされることがあります。この義務について明示的に定めた条文はありませんが、判例において、フランチャイザーはフランチャイジーになろうとする者がフランチャイズ契約を締結するか締結しないかについて的確な判断が出来るように正確な情報を提供すべき信義則上の義務を負うとされています。

   そして、この義務違反に当たるかどうかは、裁判例を見ると①売上予測等の手法の合理性②基礎情報の客観性・正確性とその情報に基づく分析過程の相当性によって判断されているようです。そこで、フランチャイザーとしては、売上予測や予想収益等に虚偽や人為的操作が加わらないようにし、また、基礎情報の客観性・正確性とその情報に基づく分析過程の相当性を確保するための管理体制を作って情報提供義務違反が生じないようにすることが必要になってきます。


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市場における公正かつ自由な競争と独占禁止法

2014-11-25

   入札参加業者による談合や販売価格の拘束といった不公正な取引の問題が報道されることがありますが、公正かつ自由な競争を促進して一般の消費者の利益を確保し、国民経済の健全な発展を図るため、「私的独占の禁止及び公正取引の確保に関する法律」(独占禁止法)が存在します。

   この法律は、①競争相手を市場から排除したり市場への新規参入を妨害するといった私的独占の禁止②事業者が商品の価格などを共同で決めるカルテルや事前に受注する事業者などを決める入札談合といった不当な取引制限の禁止③競争を制限することになる場合の合併や株式取得などの企業結合の規制④独占的状態の規制⑤優越的地位の濫用、不当廉売といった不公正な取引方法の禁止などを定めています。

   そして、この法律に違反すると、違反行為を除くために必要な措置を講ずるよう命じる排除措置命令を受けたり課徴金を課されたりします。また、不公正な取引方法により損害を与えた企業は、被害者に対し無過失の損害賠償責任を負います。また、刑事処分が問題となる場合があります。


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下請取引におけるコンプライアンス

2014-11-17

   企業が取引を行う場合、法令による規制に抵触しないかどうかを確認する必要がありますが、そのような法令のひとつとして下請取引の公正化と下請事業者の利益保護を目的とする下請代金支払遅延等防止法(下請法)が存在します。

   下請法は、親事業者(取引の発注者)に対して、①一定の事項を記載した書面を交付する義務②物品等を受領した日などから起算して60日以内に支払期日を定める義務③一定の事項を記載した書類を作成し保存する義務④遅延利息を支払う義務を課しています。

   また、①受領拒否②代金の支払遅延③代金の減額④返品⑤買いたたき⑥購入・利用強制⑦報復措置⑧有償支給原材料等の対価の早期決済⑨割引困難な手形の交付⑩不当な経済上の利益の提供要請⑪不当な給付内容の変更・不当なやり直しを親事業者の禁止行為としています。

   この下請法の適用を受けるかどうかは取引の内容(製造委託・修理委託・情報成果物作成委託・役務提供委託)と当事者の資本金の額(物品の製造委託・修理委託等の場合は3億円超と3億円以下、1千万円超3億円以下と1千万円以下、情報成果物作成委託・役務提供委託の場合は5千万円超と5千万円以下、1千万円超5千万円以下と1千万円以下)によって決まりますので、企業としては、取引を行うに当たっては、まずはこれらを確認することになります。

   下請法に違反した親事業者は、公正取引委員会から、違反行為を止めるよう勧告を受け、また、勧告を受けた親業者は、企業名・違反事実の概要を公表されることになります。当該取引に下請法が適用される可能性があることが判明した場合、このような事態にならないようにするため、企業は、下請法に抵触しないよう留意して当該取引を行うことが必要になります。


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企業の(再建型)法的整理とM&A等の注意点

2014-10-20

   企業の法的整理における会社更生・民事再生・会社整理といった再建型手続きには、法定の要件を満たす債権者の同意を得れば反対債権者に対しても債務免除の効果を強制できるというメリットがあり、企業の再建を可能にします。

   反面、法的整理を行うことによって・「倒産」という企業イメージができてしまい事業価値が低下する
・取引先からの取引拒絶や連鎖倒産等の可能性が高まるというデメリットがあります。

   再建型手続きを利用する企業に有望な事業が隠れていることがありますが、これに着目しスポンサーとなることやM&A・当該事業の譲り受け等を検討する場合、さまざまなリスクを念頭に置かなければなりません。


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簡易・迅速な債権回収の手段としての支払督促

2014-09-16

   債権者が債務者の財産に対して差押え等の強制執行をしようとする場合、公正証書などが無ければ裁判をして確定判決を取得するというのが基本的な流れとなりますが、これに代わる簡易・迅速な手続きとして支払督促が存在します。

   支払督促とは、金銭の支払い等が債権の内容である場合に債権者からの申立てに基づいて債務者の住所地を管轄する簡易裁判所の書記官が支払督促を発するという手続きです。そして、この支払督促が債務者に送達されてから2週間以内に適法な異議申立てがあれば通常の裁判に移行しますが、そうでなければ債権者の申立により仮執行宣言をつけることによって強制執行が可能になります。

   支払督促は金融業者によってよく利用されていますが、個人であってもその債権を回収する手段としてこれを利用することが可能です。


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解雇の種類

2014-09-08

   給与が唯一の収入源である多くの労働者にとって解雇は極めて重大な問題となりますが、この解雇は、以下のように分類されることがあります。

   解雇は、①普通解雇と②懲戒解雇とに分けられます。②懲戒解雇は、服務規律や企業秩序に違反した労働者に対する制裁として行われるもので、①普通解雇は、それ以外の解雇を指します。なお、③整理解雇は、普通解雇のひとつですが、企業の経営の合理化等を目的として行われるもので、①②と並べて挙げられることが多いものです(なお、解雇に準ずるものとして、有期契約の雇止、内定の取消、本採用の拒否といったものがあります。)。

   解雇に関してはこれを規律する法律が存在し、また、多くの判例が積み重ねられてきています。そこで、解雇の問題を適正に解決するためには、このような法律や判例法理の検討が必要不可欠になります。


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民法の債権法の改正

2014-09-01

   社会の変化に対応するため法律の改正が行われますが、平成26年8月27日付け読売新聞朝刊が「民法 債権 初の抜本改正へ」という表題で法務大臣の諮問機関である法制審議会の民法部会が民法の債権に関する規定の抜本改正案を大筋で了承したと伝えています。

   そして、報道によれば、この改正案は、①消滅時効について、業種ごとに期間を1~3年というように定めているのを業種を区別しないで期間を「債権者が請求できると知った時から5年」に延長する②法定利率について、年5%とされているのを年3%に引き下げた上で3年ごとに改訂する変動制を導入する③保証について、保証人になる人の意思の確認を厳格にする④賃貸借契約について、敷金の返還や物件の原状回復義務など借主の責任の範囲に関する規定を置くといったことを内容としています。

   民法の債権に関する条文の抜本的な改正は、明治29年に民法が制定されてから初めてのことになります。この改正は、企業間の取引や個人の売買などに大きな影響を及ぼすと思います。


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中小企業における事業承継

2014-08-04

   高齢化が急激に進んでいる我が国においては経営者の高齢化も進んでいることから、今後、事業承継が大きな問題となってきます。

   2013年度版中小企業白書によると、経営者の平均引退年齢は小規模事業者においては70.5歳、中規模企業においては67.7歳であるところ、経営者の平均年齢は上昇し、60歳以上の経営者の割合が上昇傾向にあるようです。そのため、今後の10年間に約5割の中小企業や小規模事業者において事業承継が問題となってくると予想されます。

   事業承継の方法としては、①経営者の息子や娘といった親族が事業を承継する親族内承継、②親族でない役員・従業員などが事業を承継する親族外承継、③第三者に事業を売却等するM&Aがあります。

   直近の10年間をみると、親族内承継が約6割を占めていますが、少子化等の影響で親族外承継の割合が増加し、また、後継者のいない企業ではM&Aへの関心が高まっているようです。事業承継を実現するためには法律・税金などに関するさまざまな問題の処理が必要になりますので、弁護士、税理士などの専門家による支援をご検討ください。


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