Archive for the ‘お知らせ’ Category
相続人の共有財産の分割請求
遺産相続によって相続人の共有となった財産の分割は民法907条に基づく遺産分割の審判と民法258条に基づく共有物分割訴訟のいずれによるのかという問題があります。
この点、相続人間で分割が問題になった場合について、最高裁昭和62年9月4日判決は、「遺産相続により相続人の共有となった財産の分割について、共同相続人間に協議が調わないとき、又は協議をすることができないときは、家事審判法の定めるところに従い、家庭裁判所が審判によってこれを定めるべきものであり、通常裁判所が判決手続で判定すべきものではない」と判示しています。
一方、持分の譲渡を受けた第三者がいる場合について、最高裁昭和50年11月7日判決は、「第三者が右共同所有関係の解消を求める方法として裁判上とるべき手続は、民法907条に基づく遺産分割審判ではなく、民法258条に基づく共有物分割訴訟である」と判示しています。
【お問い合わせ先】
〒108-0072東京都港区白金一丁目17番2号 白金アエルシティ 白金タワー テラス棟4階
ひらま総合法律事務所 弁護士 平間民郎(Tel:03-5447-2011)
遺言の内容と異なる遺産分割協議
遺産に属する財産を共同相続人のうちの一人に遺贈するという遺言書がある場合、遺言をした者の死亡により、その財産は、受遺者に直ちに帰属することになりますが、その後に遺言の内容と異なる遺産分割協議が成立した場合に遺贈の効力が否定されるのかという問題があります。この点について、遺産に属する定期預金債権を共同相続人のうちの一人に遺贈するという内容の遺言とは異なる遺産分割協議が成立した事案に関する最高裁平成12年9月7日判決は、本件定期預金債権は遺言により特定遺贈されたもので本件遺産分割協議の対象とはされておらず、受遺者による遺贈の放棄はないのであるから、本件定期預金債権は遺言者の死亡によって直ちに受遺者に帰属したものであり、遺産分割協議が成立したということは遺贈の効力を左右しないとしています。
【お問い合わせ先】
〒108-0072東京都港区白金一丁目17番2号 白金アエルシティ 白金タワー テラス棟4階
ひらま総合法律事務所 弁護士 平間民郎(Tel:03-5447-2011)
遺産分割協議の法定・合意解除
遺産分割協議において債務の負担について合意することがありますが、その債務の不履行を理由として遺産分割協議を解除することができるかという問題があります。
この問題に関する裁判例を見ると、分割協議で合意された債務の不履行を理由として遺産分割協議を解除することはできないとしており、最高裁平成元年2月9日判決は、相続人のうちの一人が協議によって負担した債務を履行しなくても、債権を有する相続人は、民法541条により協議を解除することはできないとしています。
これに対し、遺産分割の合意解除に関する裁判例を見ると、これはできるとしているようであり、最高裁昭和62年1月22日判決は、相続人らは、遺産分割協議のうち土地に関する部分を相続人全員の合意によって解除し改めて分割協議をしたものであり、2回目の分割協議による土地の共有持分の取得は地方税法73条の7第1号所定の「相続に因る不動産の取得」に該当するとし、また、最高裁平成2年9月27日判決は、共同相続人の全員が遺産分割協議の全部又は一部を合意により解除したうえ、改めて遺産分割協議をすることは、法律上当然には妨げられるものではないとしています。
【お問い合わせ先】
〒108-0072東京都港区白金一丁目17番2号 白金アエルシティ 白金タワー テラス棟4階
ひらま総合法律事務所 弁護士 平間民郎(Tel:03-5447-2011)
親権者間での子の引渡請求
別居している夫婦の間で子の奪い合いが生じて紛争になることがあります。そして、そのような紛争の中に親権者どうしが争うケースがあります。このような紛争に関する裁判例を見ると、母のもとにいた子を父が連れ去った事案について母からの人身保護請求が問題となった最高裁平成6年4月26日判決は、「拘束者による幼児に対する監護・拘束が権限なしにされていることが顕著である・・・ということができるためには、上記幼児が拘束者の監護の下に置かれるよりも、請求者の監護の下に置かれることが子の幸福に適することが明白であること、いいかえれば、拘束者が幼児を監護することが、請求者による監護に比して子の幸福に反することが明白であることを要する」が本件ではそのような事実は認められないとして引渡請求を否定しています。一方、離婚調停中に合意された面会の機会に父が幼児を連れ去った上、その後の調停に出頭しなかった事案について最高裁平成11年4月26日判決は、「父の上記行為は、調停手続の進行過程で当事者の協議により形成された合意を実力をもって一方的に破棄するものであって、調停手続を無視し、これに対する母の信頼を踏みにじったものであるといわざるを得ない。一方、本件において、母が被拘束者を監護することが著しく不当であることをうかがわせる事情は認められない。・・・被拘束者が、現在、良好な養育環境の下にあることは、上記の判断を左右しない」として引渡請求を認めています。
【お問い合わせ先】
〒108-0072東京都港区白金一丁目17番2号 白金アエルシティ 白金タワー テラス棟4階
ひらま総合法律事務所 弁護士 平間民郎(Tel:03-5447-2011)
市街地再開発事業
市街地再開発事業には第一種と第二種があります。そして、①第一種市街地再開発事業では公益を実現するために強制的に土地所有権等を別の権利に変換する権利変換を行う公用権利変換、②第二種市街地再開発事業では任意買収と収用という手法が用いられ、いずれの事業も都市再開発法に基づいて施工されます。
第一種市街地再開発事業では、権利変換を希望しない申出をしない限り権利変換を受けることになりますが、第二種市街地再開発事業では、譲受け希望の申出をしない限り金銭補償となります。
【お問い合わせ先】
〒108-0072東京都港区白金一丁目17番2号 白金アエルシティ 白金タワー テラス棟4階
ひらま総合法律事務所 弁護士 平間民郎(Tel:03-5447-2011)
権利変換手法を使う都市計画事業(市街地再開発など)
都市計画事業には土地上に都市計画施設を整備する都市計画施設整備事業と市街地の整備をする市街地開発事業があります。そして、市街地開発事業には収用という手法を使うものと公用権利変換という手法を使うものがあり、公用権利変換は、公用換地と狭義の公用権利変換とにさらに分けることができるところ、公用換地という手法を使う事業として土地区画整理事業(土地区画整理法)と住宅街区整備事業(大都市における住宅及び住宅地の供給の促進に関する特別措置法)、狭義の公用権利変換という手法を使う事業として第一種市街地再開発事業(都市再開発法)、換地と収用を併用する事業として新都市基盤整備事業(新都市基盤整備法)があります(なお、第二種市街地再開発事業では任意買収と収用という手法が使われます)。
【お問い合わせ先】
〒108-0072東京都港区白金一丁目17番2号 白金アエルシティ 白金タワー テラス棟4階
ひらま総合法律事務所 弁護士 平間民郎(Tel:03-5447-2011)
虚偽の嫡出子・認知の届出と養子縁組
夫婦が自分たちの子でない者を嫡出子として届け出たり、父が自分の子でない者を認知して届け出た場合、そのような嫡出子届・認知届は虚偽のものとして無効ですが、事実上親子として生活している場合、そのような届出を養子縁組の届出とみなすことができないかという問題があります。
この問題に関する裁判例を見ると、最高裁昭和25年12月28日判決、最高裁昭和49年12月23日判決、最高裁昭和50年4月8日判決は、そのような届出について養子縁組届とみなすことを認めていませんが、両親の相続をめぐる確執から、実子がその両親及び実子と長年にわたって子として生活してきた者に対して提起した親子関係不存在確認の訴えについて最高裁平成18年7月7日判決は、「実親子関係の不存在を確定することが著しく不当な結果をもたらすものといえるときには、当該確認請求は権利の濫用に当たり許されない」と判示しています。
【お問い合わせ先】
〒108-0072東京都港区白金一丁目17番2号 白金アエルシティ 白金タワー テラス棟4階
ひらま総合法律事務所 弁護士 平間民郎(Tel:03-5447-2011)
離婚届等と不受理申出制度
夫婦の一方が相手方の意に反して離婚届を提出しようとしているときにその届出を受理しないよう申し出るものとして不受理申出制度(戸籍法27条の2第3項)があります。
この申出がなされると、市町村長は、出頭者が本人であることを確認できない場合にはその届出を受理することが出来ません(同条4項)。そして、この場合、市町村長は、不受理申出者に対し、遅滞なく届出があったことを通知しなければならない(同条5項)とされています。
なお、この効力は、本人が死亡するか不受理申出の取下書が提出されるまで継続します。
【お問い合わせ先】
〒108-0072東京都港区白金一丁目17番2号 白金アエルシティ 白金タワー テラス棟4階
ひらま総合法律事務所 弁護士 平間民郎(Tel:03-5447-2011)
借地・借家に関する特約と消費者契約法
借地・借家契約における特約については借地借家法上の強行法規や民法上の一般原則(公序良俗、信義則、権利濫用)との関係の他、消費者契約法との関係が問題となります。
この点に関する裁判例を見ると、建物の賃貸借契約における自然損耗等についての原状回復義務を賃借人に負担させる旨の特約を同法10条により無効とした大阪高裁平成16年12月17日判決、更新料を支払うとの約定を同法10条より無効とした大阪高裁平成21年8月27日判決、更新料特約及び敷引特約をいずれも同法10条により無効とした京都地裁平成21年7月23日判決などがありましたが、最高裁平成23年3月24日判決が敷引特約について敷引金の額が高額に過ぎると評価されない限り同法10条に該当せず有効であるとし、また、最高裁平成23年7月15日判決が更新料支払特約について更新料の額が賃料の額、賃貸借契約が更新される期間等に照らし高額に過ぎるなどの特段の事情がない限り、同法10条に該当せず有効であるとしています。
【お問い合わせ先】
〒108-0072東京都港区白金一丁目17番2号 白金アエルシティ 白金タワー テラス棟4階
ひらま総合法律事務所 弁護士 平間民郎(Tel:03-5447-2011)
みなとタバコルール宣言について
東京都港区の「みなとタバコルール宣言」に、ひらま総合法律事務所は登録を行い、『みなとタバコルール』の趣旨を理解し、賛同し、ルールを守るため、行動することを宣言しました。
みなとタバコルールとは
港区公式ホームページ「たばこ対策」(外部リンク)をご覧ください。
【お問い合わせ先】
〒108-0072東京都港区白金一丁目17番2号 白金アエルシティ 白金タワー テラス棟4階
ひらま総合法律事務所 (Tel:03-5447-2011)
Photographing place – Liberty Bell Center
« Older Entries Newer Entries »