扶養義務者間の順位と求償
2021-04-19
直径血族と兄弟姉妹は、互いに扶養をする義務がある(民法877条1項)とされています。また、家庭裁判所は、特別の事情があるときは、三親等内の親族間においても扶養の義務を負わせることができる(同法同条2項)とされています。そして、このような扶養をする義務を負う者が数人ある場合において、扶養すべき者の順序について、当事者間の協議が不調または不可能なときは、家庭裁判所が定める(同法878条)とされています。
この扶養義務者の順位に関する裁判例を見ると、離婚後の父母の扶養義務について、大阪高裁昭和37年1月31日決定は、子に対し親権を有する者又は同居する者が当然他方より先順位にあるのではないとしています。また、非嫡出子の父母の扶養義務について、仙台高裁昭和37年6月15日決定は、親権や共同生活のいかんにかかわらず違いはないとしています。
なお、扶養義務者間の求償について、最高裁昭和26年2月13日判決は、現に扶養をしている扶養義務者の意に反して扶養権利者を引き取って扶養したという事実だけでは、引き取った他の扶養義務者が自己のみで扶養費用を負担すべきものとすることはできないとしています。
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ひらま総合法律事務所 弁護士 平間民郎(Tel:03-5447-2011)
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