刑の執行猶予の要件

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2021-09-13

 刑の言渡しをする場合において、情状によって一定期間内その執行を猶予し、その期間を無事経過したときに刑の言渡しはその効力を失うとする制度を執行猶予と言います(刑法25条等)。

 この執行猶予は、①前に禁固以上の刑に処せられたことがない者か、②前に禁固以上の刑に処せられたことがあってもその執行を終わった日又はその執行の免除を得た日から五年以内に禁固以上の刑に処せられたことがない者が、三年以下の懲役・禁固または五十万円以下の罰金の言渡しを受けたときに情状により認められます。また、再度の執行猶予の場合はその要件が厳格になり、一年以下の懲役・禁固の言渡しを受けたときに情状に特に酌量すべきものがあるときに認められます。執行猶予の期間は、裁判確定の日から一年以上五年以下とされています(同法同条1項)。

 この執行猶予の要件に関する裁判例を見ると、「前に」の意味について、最高裁昭和31年4月13日判決は、執行猶予を言い渡す判決の以前にという意味であり、既に刑に処せられた罪が現に審判すべき犯罪の前後いずれは問わないとしています。また、「禁固以上の刑に処せられたことがない者」の意味について、最高裁昭和24年3月31日判決は、禁固以上の確定判決を受けたことのない者をいい、その執行を受けなかった者を意味しないとしています。

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