Archive for the ‘インターネット’ Category

いじめと不法行為責任

2020-02-17

 児童・生徒によるいじめについては児童・生徒の不法行為とその親(親権者)の不法行為が問題となります。

1 いじめを行った児童・生徒に不法行為が成立するためには、その児童・生徒に責任能力が備わっていることが必要になります(民法712条)。

 そこで、責任能力に関する裁判例を見ると、小学4年生につき大阪地裁昭和58年1月27日判決が、小学5年生につき最高裁昭和58年6月7日判決が、小学6年生につき長野地裁昭和60年2月25日判決が、それぞれ、責任能力を否定しています。

 また、中学2年生につき東京地裁昭和60年5月31日判決は、責任能力を否定していますが、大阪地裁昭和59年12月25日判決は、責任能力を肯定しています。

2 いじめを行った児童・生徒に責任能力が認められない場合、その親などの親権者は民法714条の不法行為責任を負います。そして、具体的な加害行為について認識がなくても、非行歴等についての認識があれば加害行為を予見することが可能でありそれを回避できたとして監督義務の懈怠を認めた裁判例があります(静岡地裁沼津支部平成13年4月18日判決等)。



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〒108-0072東京都港区白金一丁目17番2号 白金アエルシティ 白金タワー テラス棟4階
ひらま総合法律事務所 弁護士 平間民郎(Tel:03-5447-2011)

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責任無能力者が第三者に加えた損害についての監督者の責任

2020-02-03

 民法714条は、「監督する法定の義務を負う者」「監督義務者に代わって責任無能力者を監督する者」が、責任無能力者による第三者に対する損害について賠償をすることを定めています。

 そして、この責任の成立には「責任無能力者がその責任を負わない場合」であることが必要とされますが、最高裁昭和49年3月22日判決が「未成年者が責任能力を有する場合であっても監督義務者の義務違反と当該未成年者の不法行為によって生じた結果との間に相当因果関係を認めうるときは、監督義務者につき民法709条に基づく不法行為が成立する」としています。



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矯正施設からの仮釈放・仮出場

2020-01-20

 矯正施設に収容されている者を期間満了前に仮に釈放し、残りの期間を無事に経過した場合に刑の執行を免除する仮釈放・仮出場という制度があります。

1 懲役・禁固の受刑者は、改悛の情があるとき、有期刑はその刑期の三分の一、無期刑は10年を経過した後、地方更生保護委員会の処分で釈放を許します(刑法28条)。また、

2 拘留に処せられた者は、情状により地方更生保護委員会の処分で出場を許します(同法30条)。



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自首による刑の減軽

2020-01-14

 犯罪には刑罰が科されることになりますが、刑法42条1項が「罪を犯した者が捜査機関に発覚する前に自首したとき」にその刑を減軽することを認めています。

 この自首の成否が問題となった裁判例を見ると、犯人が発覚しているが所在不明であった場合に自首は成立しないとしています(最高裁昭和24年5月14日判決)。 

 一方、取調において犯罪を隠蔽する供述をし、その後犯罪事実が具体的に発覚する前に自ら進んで申告した場合(最高裁昭和60年2月8日判決)や他の事件で逮捕勾留中に申告した場合(東京地裁平成10年5月26日判決)に自首は成立するとしています。



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児童の虐待に対する法規制

2020-01-06

 身体的・精神的傷害、わいせつ行為、監護を怠ることを児童虐待として、これらについて法的規制をおこなうものとして児童虐待の防止に関する法律(児童虐待防止法)があります。

 同法は、児童虐待を禁止し、このような行為を受けた児童を教職員等が発見した場合に児童相談所に通告することを義務としています。また、平成12年に成立した後、同法について何度か改正が行われ、立入調査権の強化や児童虐待の予防や虐待に対する迅速な対応が図られています。



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第三者に対する訴訟告知

2019-12-02

 債権者から訴訟を提起された保証人が主たる債務者に対しそのことを通知するといったように当事者が当該訴訟に参加できる第三者に対し訴訟が係属したことを通知する訴訟告知という制度があります。

 告知については当事者にくわえて補助参加人や告知を受けた者も告知できるとされています。また、告知を受けるのは、当該訴訟に参加することができる第三者とされています。

 告知をされても参加を強制されるわけではありませんが、参加人となる利害関係のある被告知者は、参加しなかった場合や遅れて参加した場合でも告知に対応して参加できた時点に参加したものとして参加的効力を受けるとされています。



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携帯電話に関する法規制

2019-11-18

 スマートフォンを含む携帯電話が普段の生活に普及していますが、振り込め詐欺などで利用されるといった問題も生じており、このような問題点に対応するための法律が作られています。

 まず、携帯電話不正利用防止法をあげることができます。携帯電話の不正利用を防止することを狙った法で、契約に際しての本人の確認義務(同法3条)などを定めています。

 また、青少年インターネット環境整備法をあげることができます。青少年を有害情報から守ることを狙った法で、暴力、ポルノ、薬物などに関する情報を有害情報として事業者に対しフイルタリングサービスを提供するなどの義務を課しています。



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サクラサイトによる被害

2019-11-11

 芸能人に会うことができるなどとうたってサイトを利用させ金銭をだまし取るいわゆるサクラサイトによる被害が問題となることがあります。

 この被害に関する裁判例を見ると、さいたま地裁越谷支部平成23年8月8日判決が、詐欺にあたるサイト運営を行っていたとして運営者の不法行為責任を認めています。また、東京高裁平成25年6月19日判決もサイトの運営者について不法行為責任を認めています。



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出会い系サイトに関するトラブル

2019-10-28

 インターネットに関するトラブルの中にいわゆる出会い系サイトについてのトラブルがありますが、この出会い系サイトを規制するものとしてインターネット異性紹介事業を利用して児童を誘引する行為の規制等に関する法律(出会い系サイト規制法)があります。
 この法律の内容をみると、

① 事業者に対する規制として、児童利用禁止の明示(同法10条)、児童でないことの確認(同法11条)、都道府県公安委員会の是正命令(同法13条、14条)、

② 利用者に対する規制として、性交等の相手方となるように誘引する行為の禁止(同法6条)

などが定められています。



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投資信託の購入による被害

2019-10-15

 投資信託は、投資者から集めた資金を運用の専門家が株式や債券などに投資して運用する金融商品です。

 投資信託は、さまざまな資産に対して投資できる、運用が専門家によって行われるといったメリットがあるものですが、内容の理解が難しいものがある、元本が保証されていないといったことなどからその購入により損失を被ったとしてトラブルが生じることがあります。

 そこで、投資信託の購入による損失が問題となった裁判例を見ると、大阪地裁平成18年4月26日判決が、証券取引経験のない高齢の主婦に乗り換え売買等を行わせた事案について説明義務違反や無意味な売買などにあたるとして賠償責任を認めています。また、東京地裁平成23年2月28日判決が、高齢者に対しリスクの大きいノックイン型投資信託の購入を勧誘した事案について説明義務違反にあたるとして賠償責任を認めています。



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