Archive for the ‘企業法務’ Category

フランチャイジーに対する情報提供義務

2014-12-15

   居酒屋やコンビニエンスストアなどさまざまな事業においてフランチャイズビジネスが行われていますが、業績が低迷して、フランチャイザーのフランチャイジーに対する売上予測や予想収益等に関する情報提供義務違反が問題とされることがあります。この義務について明示的に定めた条文はありませんが、判例において、フランチャイザーはフランチャイジーになろうとする者がフランチャイズ契約を締結するか締結しないかについて的確な判断が出来るように正確な情報を提供すべき信義則上の義務を負うとされています。

   そして、この義務違反に当たるかどうかは、裁判例を見ると①売上予測等の手法の合理性②基礎情報の客観性・正確性とその情報に基づく分析過程の相当性によって判断されているようです。そこで、フランチャイザーとしては、売上予測や予想収益等に虚偽や人為的操作が加わらないようにし、また、基礎情報の客観性・正確性とその情報に基づく分析過程の相当性を確保するための管理体制を作って情報提供義務違反が生じないようにすることが必要になってきます。


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〒108-0072東京都港区白金一丁目17番2号  白金アエルシティ  白金タワー  テラス棟4階
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被害の救済と製造物責任法(PL法)

2014-12-01

   製造業者などが製造、加工、輸入又は一定の表示をして引き渡した製造物の欠陥によって生命、身体又は財産を侵害した場合、製造物責任法(PL法)を根拠として、その製造業者、輸入業者、製造物に氏名などを表示した事業者は、過失の有無にかかわらず、この欠陥によって生じた損害を賠償する責任を負うことになります。

   この法律における「欠陥」とは製造物が通常有すべき安全性を欠いていることを意味します。そして、この製造物の「欠陥」によって人の生命、身体や製造物以外の財産に損害(拡大損害)が生じた場合、過失が無くても、製造業者などはその賠償責任を負うことになりますので、このような「欠陥」の無い安全な製品を消費者に提供するよう求められることになります。


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2014年11月28日 公布された法令に関するお知らせ

2014-11-28

○地域再生法の一部を改正する法律(平成26年法律 第128号)
○裁判官の報酬等に関する法律の一部を改正する法律(平成26年法律 第129号)
○検察官の俸給等に関する法律の一部を改正する法律(平成26年法律 第130号)
○銃砲刀剣類所持等取締法の一部を改正する法律(平成26年法律 第131号)
○財団法人日本遺族会に対する国有財産の無償貸付に関する法律の一部を改正する法律(平成26年法律 第132号)
○原子力損害の補完的な補償に関する条約の実施に伴う原子力損害賠償資金の補助等に関する法律(平成26年法律 第133号)
○原子力損害の賠償に関する法律及び原子力損害賠償補償契約に関する法律の一部を改正する法律(平成26年法律 第134号)
○防衛省の職員の給与等に関する法律の一部を改正する法律(平成26年法律 第135号)
○まち・ひと・しごと創生法(平成26年法律 第136号)
○専門的知識等を有する有期雇用労働者等に関する特別措置法(平成26年法律 第137号)
が公布されました。

   過去に公布された法令に関するお知らせ 取扱分野>>立法の動向>>会社法等

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2014年11月27日 公布された法令に関するお知らせ

2014-11-27

○犯罪による収益の移転防止に関する法律の一部を改正する法律(平成26年法律 第117号)
○不当景品類及び不当表示防止法の一部を改正する法律(平成26年法律 第118号)
○外国人漁業の規制に関する法律及び排他的経済水域における漁業等に関する主権的権利の行使等に関する法律の一部を改正する法律(平成26年法律 第119号)
○日本環境安全事業株式会社法の一部を改正する法律(平成26年法律 第120号)
○ハンセン病問題の解決の促進に関する法律の一部を改正する法律(平成26年法律 第121号)
○医薬品、医療機器等の品質、有効性及び安全性の確保等に関する法律の一部を改正する法律(平成26年法律 第122号)
○北朝鮮当局によって拉致された被害者等の支援に関する法律の一部を改正する法律(平成26年法律 第123号)
○国際連合安全保障理事会決議第千二百六十七号等を踏まえ我が国が実施する国際テロリストの財産の凍結等に関する特別措置法(平成26年法律 第124号)
○地方公共団体の議会の議員及び長の選挙期日等の臨時特例に関する法律(平成26年法律 第125号)
○私事性的画像記録の提供等による被害の防止に関する法律(平成26年法律 第126号)
○空家等対策の推進に関する特別措置法(平成26年法律 第127号)
が公布されました。

   過去に公布された法令に関するお知らせ 取扱分野>>立法の動向>>会社法等

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市場における公正かつ自由な競争と独占禁止法

2014-11-25

   入札参加業者による談合や販売価格の拘束といった不公正な取引の問題が報道されることがありますが、公正かつ自由な競争を促進して一般の消費者の利益を確保し、国民経済の健全な発展を図るため、「私的独占の禁止及び公正取引の確保に関する法律」(独占禁止法)が存在します。

   この法律は、①競争相手を市場から排除したり市場への新規参入を妨害するといった私的独占の禁止②事業者が商品の価格などを共同で決めるカルテルや事前に受注する事業者などを決める入札談合といった不当な取引制限の禁止③競争を制限することになる場合の合併や株式取得などの企業結合の規制④独占的状態の規制⑤優越的地位の濫用、不当廉売といった不公正な取引方法の禁止などを定めています。

   そして、この法律に違反すると、違反行為を除くために必要な措置を講ずるよう命じる排除措置命令を受けたり課徴金を課されたりします。また、不公正な取引方法により損害を与えた企業は、被害者に対し無過失の損害賠償責任を負います。また、刑事処分が問題となる場合があります。


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2014年11月21日 公布された法令に関するお知らせ

2014-11-21

○公衆等脅迫目的の犯罪行為のための資金の提供等の処罰に関する法律の一部を改正する法律(平成26年法律 第113号)
○災害対策基本法の一部を改正する法律(平成26年法律 第114号)
○感染症の予防及び感染症の患者に対する医療に関する法律の一部を改正する法律(平成26年法律 第115号)
○社会保険労務士法の一部を改正する法律(平成26年法律 第116号)
が公布されました。

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2014年11月19日 公布された法令に関するお知らせ

2014-11-19

○一般職の職員の給与に関する法律等の一部を改正する法律(平成26年法律 第105号)
○特別職の職員の給与に関する法律の一部を改正する法律(平成26年法律 第106号)
○国家公務員退職手当法の一部を改正する法律(平成26年法律 第107号)
○国会議員の秘書の給与等に関する法律の一部を改正する法律(平成26年法律 第108号)
○土砂災害警戒区域等における土砂災害防止対策の推進に関する法律の一部を改正する法律(平成26年法律 第109号)
○関税暫定措置法の一部を改正する法律(平成26年法律 第110号)
○鳥獣による農林水産業等に係る被害の防止のための特別措置に関する法律の一部を改正する法律(平成26年法律 第111号)
○経済上の連携に関する日本国とオーストラリアとの間の協定に基づく申告原産品に係る情報の提供等に関する法律(平成26年法律 第112号)
が公布されました。


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下請取引におけるコンプライアンス

2014-11-17

   企業が取引を行う場合、法令による規制に抵触しないかどうかを確認する必要がありますが、そのような法令のひとつとして下請取引の公正化と下請事業者の利益保護を目的とする下請代金支払遅延等防止法(下請法)が存在します。

   下請法は、親事業者(取引の発注者)に対して、①一定の事項を記載した書面を交付する義務②物品等を受領した日などから起算して60日以内に支払期日を定める義務③一定の事項を記載した書類を作成し保存する義務④遅延利息を支払う義務を課しています。

   また、①受領拒否②代金の支払遅延③代金の減額④返品⑤買いたたき⑥購入・利用強制⑦報復措置⑧有償支給原材料等の対価の早期決済⑨割引困難な手形の交付⑩不当な経済上の利益の提供要請⑪不当な給付内容の変更・不当なやり直しを親事業者の禁止行為としています。

   この下請法の適用を受けるかどうかは取引の内容(製造委託・修理委託・情報成果物作成委託・役務提供委託)と当事者の資本金の額(物品の製造委託・修理委託等の場合は3億円超と3億円以下、1千万円超3億円以下と1千万円以下、情報成果物作成委託・役務提供委託の場合は5千万円超と5千万円以下、1千万円超5千万円以下と1千万円以下)によって決まりますので、企業としては、取引を行うに当たっては、まずはこれらを確認することになります。

   下請法に違反した親事業者は、公正取引委員会から、違反行為を止めるよう勧告を受け、また、勧告を受けた親業者は、企業名・違反事実の概要を公表されることになります。当該取引に下請法が適用される可能性があることが判明した場合、このような事態にならないようにするため、企業は、下請法に抵触しないよう留意して当該取引を行うことが必要になります。


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2014年11月12日 公布された法令に関するお知らせ

2014-11-12

○サイバーセキュリティ基本法(平成26年法律 第104号)
が公布されました。

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妊娠・出産を理由とした職場での嫌がらせ(マタニティーハラスメント)

2014-11-04

   妊娠や出産を理由とした女性に対する職場での嫌がらせをマタニティーハラスメント(マタハラ)と言い、男女雇用機会均等法は妊娠中や出産後1年未満における解雇を無効とするなど女性の労働者に対して不利益を被らせる取り扱いを規制していますが、妊娠によって降格させられたのはこのマタハラに当たるとして元の勤務先に対して損害賠償を請求した事件についての最高裁の上告審判決が平成26年10月23日にありました。

   そして、1審、2審では原告が敗訴していましたが、この最高裁判決は、「本人が降格を承諾したか、雇用主に降格が必要な特段の事情がない限り、降格は違法」という判断をして、2審判決を破棄して広島高等裁判所に審理を差し戻しています。

   平成26年10月24日付けの新聞報道によれば、昨年度において各地の労働局には「妊娠や出産を理由とした不利益取り扱い」に関する相談が計2090件寄せられましたが、労働局が是正を指導したのはわずか28件だったそうです。このような状況に対してこの最高裁の判決がどのような影響を与えるかに注目する必要があります。


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